20分1本勝負。の世界 | リハビリ茶屋

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理学療法士/抗加齢指導士のエイジング情報

昨夜、NHKで~脳がよみがえる 脳卒中・リハビリ革命~ という番組が放送されていました。


機能回復に特化した番組内容でしたが、これといった真新しい情報は無かったような気がします。


そんなことよりも、


現場の者として、ああいった科学者・研究者が実績として出された知見を活用し、自らの現場に落とし込むことが重要ですね。





リハビリテーションを考えるに当たり、勘違いしてはならないことは、


身体機能の回復と、生きる希望やQOL(生活の質)の向上比例するものではないということであって、


仮にそう思われているクライアントと家族に対しては、いかに、担当者がマネジメントしていくかということも療法士として必要と思われます。 メンタリング(平成23年7月27日記事 )の力が必要ですね。






特に40~50代の方で障害をお持ちだと、やはり機能回復希望は高くなります。


そういう方を、間抜けな医療関係者(失礼)「障害受容していない」と安直に指摘するヒトがいますが、軽率極まりないと思います。


「障害受容」の言葉は、安っぽく使うものでもありません。






お国が設定した「回復期リハ」期間を過ぎた方は、主に介護保険を利用した在宅リハサービスを受けるしかありません。


個別対応が出来るリハビリ時間は、大体20分程度と設定されています。


(正式には「20分以上」だが、施設側の売り上げ等も考えるとしっかり時間を取ることは事実難しい現状。)







今日の勤務先の通所リハビリでは予想通り、


「昨日のNHK観た!?」と尋ねてこられる利用者さんが何名かいました。





私が担当の重い半身麻痺を患っている方(50代)が、「先生はあの病院へ研修に行かれたのかと思った程、いつも言われていることとほとんど同じ様な内容の番組でした」と、感想を述べてくれました。


なんとその方、併用されている別の通所リハ事業所を終了してまで、当施設のご利用を増やしていただけると!


事実、この数か月で随分と変化が出てきてるところだったし、もっと集中して関わりたいなぁ、と思っていたところでした。




20分の個別リハ勝負は、評価・仮説立てに迷っている暇はない。


結果がすべての世界で、自分の治療戦略に揺らいではいけない。そんな暇はない。


退かず、Facilitate(促通)できることを信じて治療刺激を入れていく。


しかし、上手く結果がでない場合は基本に立ち返って、評価の着目点から見直す


そんな繰り返しで、その方はそろそろ足の装具を外して、2年前の病気になられる前に履いていた靴で歩けそうなところです。





全力を尽くします。






Masa