Think about Thinking(考えていることについて考える)。
終わりなき「臨床推論」の現象を捉えたステキな言葉だと思います。
臨床推論とは、
医師やコメディカルが目の前のクライアントの症状を、いかに効率的かつ的確にデータや知識、情報をもとに見極めて、治療方針や対応手段を計画していくか、そしてその結果はどうか、
といった仮説検証作業のことです。
リハビリテーション家も身体運動の専門家として、
対象者の動作や姿勢を、どういった神経学的背景や運動力学・解剖学的な要因があるのか、また基礎医学知識をもとに生理・栄養状態などがどのように絡んでいるか、
それが生活環境・人生といった舞台の上で、時空間的にその対象者にどのような影響を及ぼしているか、もしくはどのような面が及ぼされた故の身体表象なのか、、
それらを踏まえたうえで、最新医学・工学の発展とともに入れ替わる情報を常に利用しながら、その対象者の身体機能向上や生活動作の安定につながる可能性はどれほどあるのか、どういった手段が有効かを予測立てていく、、、
そんな仮説検証作業を常に繰り返していく必要があるでしょう。
エライ世界に首を突っ込んでしまったもんだ…。
『臨床推論は、自分の治療に対する絶え間ない厳しい批判によって発展し、検証作業を通して答えを追求し、知識に基づいて自身のエビデンス(科学的根拠)を構築する』と
本で読んだことがあります。
考えていることについて、考える。
終わりなき作業です。
脳を探索するということは、大きな海へ、航海に出るような感覚です。
沈没しないように準備(最新医学情報の収集とスキルの鍛練)を、「この仕事はもう満足」と思うまで続けたい所存です。
満足することはおそらくないと思われますが…。
Masa