人生の質の可能性 | リハビリ茶屋

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理学療法士/抗加齢指導士のエイジング情報

今日、進行性疾患を担当する後輩と話をしていました。


その方の奥さんは、ご本人の介助量が多く自宅では介護できないから施設へ…という考えで、現在その方向へ動いているとのこと。


さらに、奥さんの「かわいそうだから」という希望で、病気は進行性ということや老人保健施設への入所方向になていることを知らせずに、事が進んでいると。




確かに、進行性の疾患故に機能回復というのは望めない現実かもしれないけど、


その奥さんは、何を以って「自宅では過ごせない」と判断をされているのだろうか。


何を以って、「知らせたらかわいそう」と感じておられるのだろう。





ひょっとしたら、残念ながら結婚生活には嫌気がさしていて、コレを機に別々に生活したいという想いが在るのかもしれない。


残念ながら、医療・介護関係者の手前、「かわいそう」という表現をしているだけかもしれない。


しかし、少しでもそうでないのであれば


ショートステイやヘルパーさん、訪問看護に、時には訪問リハビリ等…。


在宅サービスを適切に組み込むことで、


どのような介助量であっても一緒に過ごすことが出来る。そうやって生活されているご家族が実際に多数います。


そういった在宅サービスがあるということを、ひょっとしたら知らないだけかもしれない。


ひょっとしたら、適切なサービス配備で介護負担が減るのであれば、一緒に過ごせるにこしたことはない、と思っておられるかもしれない。


そのあたりのことを奥さんとやり取りしていない(情報を得ていない)後輩には、そんなサービスマネージメント的な思案とも、リハビリ職としての重要な役割でしょう、と話しました。


サービスをご存知ではなかったのならば情報を得ることで、みんなHappyになれる方向性を再検討することも出来るかもしれない。






もっとも、病院スタッフが在宅での介護負担を入念に推考せずに無責任な在宅サービス案を提示してしまうと、家族からすれば「ヒトごとだと思って…」となりかねないので、とても繊細に取り組む必要がある部分だと思います。


機能回復においても、夢物語を述べるだけでは無責任極まりなくなるので、結果がすべてだとも思います。


しかし、期待を持つことも、その方のQOL(人生の質)が向上する一助となるのであれば、私は期待を持たせたいと思います。


Motivationは、学習過程の強弱を左右させますから。







療法士には医療職としての存在だけでなく、そういったサービス業的な面も含んでいるのかなーと相変わらず思います。


そこで形成された(医療チームに対しての)信頼と情報を、医者やメディカル・ソーシャル・ワーカー からケアマネージャー という専門職にお任せして実際の形にしていただければいいかなぁと思います。


どこまで行っても療法士は、黒子ですね。檜舞台には上がらない。上がれない。


上がれなくていいと思ってます。




たとえ進行性疾患でも、ターミナルの癌を患っていても、人生の質は向上させることが出来る


そんな可能性があるということをすべてのヒトが想い描けるのであれば、


療法士として黒子に徹します。笑






Masa