【拳之大要八句】考察② | 永心道空手のブログ

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人身同天地   血脈似日月

 

法剛柔呑吐   身隨時應變

 

手逢空則入   馬進退離逢

 

目要觀四向   耳能聽八方

 

 

①人身は天地に同じく、血脈は日月に似たり。

②法は剛柔と呑吐にして、身は随時応変する。

③手は空に逢えば則ち入り、馬は進退離逢す。

④目は四向を観るべく、耳は能く八方を聴くべし。

 

〝拳の法(拳術)で最も大切なものは「剛柔相済」と「呑吐浮沈」

剛と柔は相対する概念であるが、武術においてはその統一、相互転化を重視

剛に過ぎれば折れやすく、柔に過ぎれば力負けするため相互に転化させること

呑とは収める(守る)意味 

吐とは技を発する意味

浮とは攻撃を意味

沈とは相手の技を下圧する意味〟

 

空手の受けは単に相手の攻撃を受け止めるだけでなく、それを受け流したり引き込むことにより相手の重心を崩してその攻撃を無力化し、逆に隙を生じさせることが肝要です。

そして充分に蓄積した頸(※1)を相手の薄弱な部位に矢のごとくすばやく吐出することが技の発し方であり、それには相手の技を下圧させるために自らの気と身体を沈めて重心を下降させて安定させることです。

また剛柔の関係からは吐と浮は柔法で、呑と沈は剛法とあります。

中国武術永春白鶴拳には『呑吐浮沈の法と剛柔相済の機』を有機的に運用すれば敵に克ち勝利を得ることができるとあるが、意味するところは同じで、つまりはそれを体得してはじめて相手の虚実を見極め、臨機応変に自分の思うとおりの攻防の技を発揮することができるようになるということです。

 

 

※1 発勁とは発生させた勁(運動量)を対象に作用させることである。細かく言えば特定の方法(門派により異なる)にて発生させた勁を接触面まで導き、対象に作用させることである。