こんにちは。英才アカデミー東灘教室です。
小学1年生クラスのレッスンでのこと。
テキスト「パスカル」の中で、こんな問題がありました。
これを点線に沿って、2つの同じ形に分けましょう。
例の他に5通りの分け方があります。全部さがしてみましょう。
ある女の子がこの問題に取り組んでいました。
1つの分け方はすぐに出来たのですが、その後がなかなか思いつきません。
「頭の中で考えるだけじゃなくて、いろいろ線を引いて、試してみたら~」と言うのですが、なぜか手が止まってしまっているのです。
結局、その日は1つのパターンしか考えることが出来ず、次回のレッスンに持ち越しになってしまいました。
日頃から、レッスンでは“考える時は、同時に手を動かそう”ということをよく言っています。
「わからないーー」と頭の中でじっと考えているよりも、とにかく手を動かしていろいろと試してみることはとても大事です。
幼児さんクラスでは、積み木やパズルなどの具体物を使うことが多いですが、わからない時ぱったり手を止めて考え込んでしまうのではなく、とにかく手を動かして試行錯誤してみる。
やみくもに手を動かしているうちにたまたまパズルが完成した、みたいなことがあったとしても、それが経験値として積み重なり、だんだん「ここには、この形が入るな」などと、頭の中でイメージができるようになってきます。
そうなれば、”やみくもに”、ではなく確信を持って手を動かすことができるようになってくるのです。
小学生の場合は、具体物がなくても頭の中で考えられることを目指し、テキストを中心としたレッスンになりますが、それでも図や絵を描いてみたりしながら、頭の中でイメージしたものをよりわかりやすく可視化することはとても大切です。
その女の子も、幼児さんの頃からレッスンではしっかり手を動かして、パズルや積み木など試行錯誤できていたのになぜ・・・!?
と疑問に思い、その状況をレッスン後にお母さまにお話したところ、
「消しゴムで消して書き直すのがめんどくさいのかも」と。
その子はけっこう筆圧が強いということもあり、学校の宿題をする時などにも、消しゴムで自分の書いた文字がなかなかキレイに消えなくて、
消すのをかなり面倒がっているとのことなのです。
「えっ、そんな理由・・・」と思いましたが、確かに他の子たちのことを思いおこしてみても、書いたり消したりが大変そうで、「先生、消すの手伝って」とか言われたりすることもあるなー、と。
子どもにとってはかなり負担感のあることだったのかもしれません。
その次のレッスンでは、書いたり消したりしなくても良いよう、テキストの当該ページを大量にコピーしておき、「消さなくてもいいからどんどん書いて~」とやってもらったら、ためらいなく書いて試した結果、すんなり残りの4パターンが見つかりました!
やっぱり、消しゴムが原因だったのか~
思わぬことが原因で、子どもの「考える意欲」がそがれてしまうこともあるんだな~と改めて再認識。
今度からは、テキストの大量コピーを常に用意しておこう、と決意した出来事でした。