大学授業料無償化!対象世帯はどれくらい? | 生活を豊かに醸造したい(life-brew) FP/料理/craft beer/音楽/美術/身の回りや季節のこと など-

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FP事務所ライフブリューです。
2019年まで「Mr.ソトコト」で綴ったブログをFP開業を機に再開します。
FP関連の比重を高めたい!と意気込んでますが、まぁあまり気負わず続けていければ。
以前の記事も残しておきますので、よろしければご覧下さい。



2025年度から、3人以上の子どもがいる多子世帯について、子どもの大学などの授業料や入学金を無償化する方針が政府から出されました。

 

★「3人目」ではなく「3人全員」です

★所得制限がありません

 

これまで異次元!!と連呼してきた割に、出てきたものは「え?それ🤔」という内容に思えたのに比べると、多少は太っ腹に見えます。

 

元々、来年度から「高等教育の修学支援新制度」が改定されて、授業料の減免と給付型奨学金を支給する制度の対象を、年収380万円未満の世帯から600万円未満に拡大することになっていました。

もっとも、この年収層(380~600万円)かつ多子世帯に限ったのと、理工農系学部の学生だけは子の人数に関わらず対象にしたので、まだまだ限定的(というか人的投資先が国力維持の視点だけで決まっている)だなぁと思っていたところです。

今回の具体的な内容が早く見えないかなと思っていたら、今週になって気になるところがはっきりしました。

                 ×  3人以上子供がいる 

        →     〇 子供を3人以上扶養している

 

やっぱりね😭


第一子が社会人になり生計が別になれば、第二子以降は大学の途中でも減免の対象から外れることになります。

第一子から第三子まで、双子か三つ子あるいは年子で生まれれば、最大限に近く制度を利用できますが、例えば第一子が高卒で就職したり大学や短大を中退してバイトで扶養をはずれたらもう権利を失うので、第一子のプレッシャー大きいですよね。

「兄弟を養うため進学をあきらめ働く」というのはこれまでもありましたが、これからは「弟や妹の学業のために好きな道(や留学)をあきらめ進学する」ことが起こるかもしれない。あ、進学しなくても親に扶養されていればいいのか。それもなあ...

3兄弟の第一子は、職業選択の自由が脅かされないだろうか?

世帯年収に関わらず、大きな金額だから家族からの有言無言の圧力は絶対あるでしょう。第二子以降が医学部に進学(希望)していたらもう、なおさらでしょうね。

「高校出たらバンド組んでデビュー目指すから!大丈夫、バイトで稼いで自活する」なんて言えなくなりそう🎸🎤

 

子どもの教育費の見通しが直前までつかないから、やっぱり減免はアテにし過ぎず、全額支払うつもりでコツコツ資産形成する、というのが安全策になりそうです。ライフプラン的には石橋を叩くしかないと思います。

 

そもそも、子ども3人の世帯ってどのぐらいあるのか?

以下は厚生労働省「2022年国民生活基礎調査の概況」から転載した図表です。

児童とは18歳未満の未婚の子を指します。2022年には、児童3人の世帯は2.3%に過ぎません、児童2人でも6.9%です。

これが、ちょうどこれから大学進学の可能性がある子どもたちをもつ世帯割合になります。

30年以上前でも子ども3人の世帯は6~7%なので、もともと多子世帯向けの施策は相当に限定的ということが分かります。太っ腹に見えても。

該当世帯には有難いですが、子どもを持つ世帯全体からみればほんの一部です。しかも「3人とも扶養している間だけ」ですからね。

1人目が四大卒の場合、1人目と3人目が4歳離れていたら、3人目は減免無しです。

 

1人でも育てるのは大変なのですが、3人ではなくまず安心して2人目を生めるように、というところに目標を置いてほしいと思います。授業料減免はそのひとつに過ぎず、所得増や働き方改革など本丸のほうがもっと切実です。


しかし、

3人目になぜこんなにこだわるのかな?


施策のターゲットは、その前に置いてほしいと思います。

 

ではまた。

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