日本生産性本部の調査で、企業のテレワーク実施率が15.5%とコロナ後最低になったことがわかりました。
企業規模で差がありますが、特に大企業ほどオフィス回帰の傾向が強くなっているようです。
自分は研修事業部門にいたので、コロナ初期に対面研修のオンライン化を突貫工事で必死に進めたのを見ています。対面同様かそれ以上の評価を得られることもあり、研修を提供する選択肢や受講する側の機会拡大につながりました。
オンライン化した研修やテレワークは、全てが「本来の」代替手段ではなく、それならではの価値や有用性があると思っています😤
でも...リアルと「いい塩梅」に織り交ぜるのは、言うは易し行うは難しなんですよね。
テレワーク中心になることで、手薄になったり見えなくなることを心配したのはこんなことです。
・新入社員や中途採用者のオンボーディング(合流・立ち上げ)
・同期や同年代の社員と自分の成長速度の比較
・5年、10年先のイメージを掴める先輩ロールモデルの認識
・閉じた職場を超えた予想外で偶然の出会い
・自分の置かれた立場や期待への変化の気付き
・社内での中高齢期のポジションや処遇制度運用の実態の観察機会
・セカンド・サードキャリアに備える感度・情報・刺激
前半は若手に対する不安ですが、後半はベテラン社員以降について、先輩の身の処し方や会社制度の現実の運用(建前じゃなくて)が見えなくなることで、次のキャリアや老後に備えるタイミングを逸する可能性があるということです。
あまりに狭い組織や人間関係に画面上でつながっているだけだと、自分が変容する刺激もなく、漫然と現状維持するだけで時間が過ぎてしまい、気付いた時には「こんなはずじゃなかった」と。
FP的にいえば、自分のライフプランや来るべきライフイベントに備えたキャリアの検討や、収入確保・働き方の見直しを行わないまま、何の気付きもなくズルッと定年を迎えてしまう、怖い世界になりかねないということです。
社内(といっても知っているのは狭い世界ですけど)とリアルで繋がる意味は、仕事のためや心身の健康のためだけではないです。会社に居れば、同期や他部署の人との会話で、「え、そうなの?!」と、大事な生きた情報が手に入ります。自分の身の振り方や会社との付き合いかたに思いを巡らすチャンスに出会えるかもしれません。
あと、職場以外に副業とまでいわなくても、意識して会社外のコミュニティと繋がることも、世間の常識と自社の非常識を知る上でとっても重要です。
両方の世界に居場所があって、ようやく自分の立ち位置がつかめたり、必要な刺激が得られるような気がします。
あ、念のためですが私はテレワーク推進派です。ただ、過ぎたるは猶及ばざるが如し です。
ではまた。