その時、和人は精神体としてユティスにエルフィアまで連れてこられたのですが、精神体という特別な状態ということを除いても、彼はユティスの歌が魂を揺さぶるように感じています。
本当にステキな曲は、じんわり涙が出て止まらなくなったり、体中に電気が走ったりするように感じることがあります。
わたしもそういう経験があります。
最初の出会いは、元ビートルズのサー・ポール・マッカートニー率いるウイングス(当時はポール・マカートニーとウイングス(Paul McCartney and Wings)と名乗っていました)でした。
その 「アイルランドに平和を:原題 Give Ireland Back To The Irish」という政治色の極めて強いメッセージソングで、地元のイギリスではBBCが即放送禁止にしました。
もちろん、当時はそんなことはぜんぜん知らなくて、歌詞の意味もまったくわからなくて、純粋に音楽が気に入ったわけなんですけどね・・・。
日本人だと、こういうイメージの題名だと、切羽詰った感のある少し暗めのマイナースケールな曲になりそうなんですが、ポールのこの曲は明るいロックで力強く、しかもドラマチックです。
政治色がモロなんでこの曲の評価はあまり良くなかったそうですが、仲が悪くなっていた同じく元ビートルズのジョン・レノンが唯一褒めた曲とか・・・。
わたしにとってはポップミュージックに駆り立てた一曲となりました。
もう、体中がぞくぞくするような感じを受けたのを覚えています。
他にもイングランド・ダンとジョン・フォード・コーリー(England Danand John Ford Corley)の「シーモンの涙:原題 Simone」があります。
この曲はとにかく美しく優しい曲です。
決して静かなバラードではなくて、エレキギターも入ってくるんですが、タイトルからして惹かれるものがありました。
最愛の人を失った(死んじゃった・・・)シーモンを慰め励ます内容です。
この曲もマイナースケールではありません。
励ますのにマイナーで暗くしてどうする・・・?
って感じでしょうかね。
それに、エリック・カルメンがいたラズベリーズの「ゴー・オール・ザ・ウェイ:原題 Go All The Way」。
これはもうノリノリのめっちゃ明るい強烈なロックンロールです。
イントロを聞いただけでノックアウトでした!
ちなみに、「Go all the way」って「最後まで行こうぜ!」という意味らしいです。
意味深ですよねぇ・・・。
クラッシックでも痺れた曲はたくさんありますよ。
まずは、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」。
ストリングスのリズムにトランペットがパッパパカパーパー・・・と入ってくると、もう、スゴイ・・・。
ぞくぞくぞく・・・っ、てきましたねぇ。
それに、ラヴェルの「ボレロ」。
スネアドラムの刻む独特のリズムからイングリッシュホーンかなんかでメロディーが静かに入ります。
この同じリズムとメロディーが、曲が進むにつれて、どんどん楽器が増えて演奏されていき、最後にはフルオーケストラでドラマチックになるわけです。
きましたねぇ・・・。
そう言えば、冬季オリンピックのサラエボ大会のペア・アイスダンスで、イギルスのジェーン・トービル&クリストファー・ディーン組みが、このボレロで審判員全員から前代未聞の6・0の満点をもらったのはスゴかったですよね。
それ以来、このボレロはCMなんかでもよく耳にします。
わたしについては、てな具合ですが、魂に響くという表現はどういうことでしょうか?
わたしは、心に響き、感情を揺さぶられ、胸が苦しくなって、自然と身体が震え出すような感覚のことをこう表現しています。
全身の毛が逆立ったり、鳥肌が立ったり、そういうこともあるでしょう。
わけもなく涙が出たりもするでしょう。
感じるところは、人それぞれ違って当たり前ですから、表現も異なりますが、とにかくステキな曲に出会ったらそうなるんだと思います。
だれでも、そういう曲が一つや二つあるんじゃないかなぁ。
もっとあるって?
あは。
お話に戻ると、和人はユティスの捧げた歌を聞いてそうなるわけです。
和人自身、自分で曲を200曲以上作るアマチュアのシンガー・ライターでもあります。
音楽は物理的な空気の疎密波の伝播ですから、通常は心とか感情に響くなんて表現は相応しくないんでしょうけど、ここはお話、どんどんそういう詩的な表現はありだと思っています。
それに、ひょっとるすと、魂に響くというのは、もっと次元の違うことかもしれません。
未だに、生命の本質はわかっていません。
魂は生命の核ですから、違った媒体を伝わる波が曲にはあるのかもしれませんよ。
「さぁ、どうだかねぇ・・・」
アンニフィルドは笑って答えを教えてくれません。
みなさんはみなさんなりに、この表現をご想像していただいてるとは思いますが、一応わたしの解釈を付けるとしたら、そういうことになります。
多感なティーネージャーの頃に出会う音楽は一生の思い出となり、自分の音楽観を作り上げていくといっていいかもしれませんよね。
※ノリックの『失われし銀河の天使 ~ エルフィア ~』 本編は『小説家になろう』に連載中です!