重なる恐慌
「朝生」見てたんだけど、国政の話はやっぱり鈍臭い。
顔ぶれもつまらなかったので海外サイト見始めたんだけど、WSJに
「GM in Last Lap to Chapter 11」っていう見出しが出てた。
破綻までの最終ラップを回っているGMなんだけど、先日出された
妥協案に、GM債券者の約35%が合意するって事らしい。
株式保有率を少し上げてもGMの株なんて欲しくない債権者がほとんど
だと思うんだけど(25%でもゼンゼン少ないだろう)、政府からの圧力が
効いているのか少し増えたらしい。
ただ、妥協の幅が拡大し、同意を取り付けたところでGM再生はどちら
にしても難しい。 数年前の売上好調の時ですら赤字だった産業が、
本当の再生を果たせるかといえば普通に考えて不可能に近い。
「破産法11条」申請を繰り返してチャプター22っていうパターンも中小
企業に見られるらしいんだけど、それ程米自動車セクターの将来は暗い。
という事で「お暗い」チャート。
Current Dow Jones vs 1929Crush
1929年の世界恐慌も「偽りの底入れ」を繰り返しながら崩れ落ちている。
2009年も同じ軌道を描きつつあるっていう「市場崩壊チャート」なんだけど、
ジョークとして笑う事はできない不気味さを感じる。
米29日にはGDPが発表されたんだけど、34年ぶりの3四半期連続マイナス
成長って事で、戦後最長(16ヶ月)に並んだらしい。 「崩壊チャート」への
布石となるんだろうか?
米GDPの7割を占める個人消費が反転したっていう事なんだけど、個人の
自己資本は米史上まれに見る「火の車」状態。二律背反的な2つのリポート
なんだけど、どっちが実態を正確に表しているんだろう?
振れる住宅報道
「米住宅ローンの延滞・差し押さえ率、過去最悪に 1―3月12.97%」
(米28日) っていうNewsがあったんだけど、お馴染みのシラー教授は
「不動産史をひもとけば、V字型の回復が起こった例はほとんどない」
(ブルームバーグ)といつものコメントをしていた。
という事で彼の考案図なんだけど、相変わらずさらなる下落へ向けて順調
そのものとなっている。
そして前回フェニックス住宅価格がピークから半値、って言ってたんだけど
(隠せないアメリカの凋落) 、気付けばラスベガスも「半値入り」していた。
マイアミとサンフランシスコも時間の問題だろう。
ただ、上記のMBA発表と同日に、米商務省は「4月の新築住宅販売」
を発表していた。
「4月米新築住宅販売は前月比0.3%増、在庫は8年ぶり低水準」
こちらは一応、明るい話題に分類されるんだけど、同じ住宅市場に関して
「明るい統計」と「悪い統計」が同日に出てきたって事で、何だかよく分から
ない。 言ってしまえば「現実」と「願望」といったところだろうか?
自分のチャート見ていると、相変らず右肩下がり(暗い)のオンパレード
なのでオマケとして明るいチャート。
今年に入ってからの「SP500とBRICsマーケット」。BRICs上昇は自分には
関係ないんだけど、たまには明るい感じで終わらせておく。
て事でまた。
無視される「格付け」
GMと、GM債権者の債務削減交渉が不成立に終わった後も、交渉は続くらしいんだけど、債権者としては将来の不確かなキャピタルゲインに期待を持つはずなんて無い。(ヘッジファンドがほとんどみたいだし)
債権者としてはGMに破産してもらって、CDSの保証金をキャッシュで貰った方が当然良いに決まっている。 オバマから「相場師」呼ばわりされたGM債権者が、政府の「厚かましい提案」(10%)を受け入れる筈なんて無い。

少し事実と違うが大まかな構図
ただ、GMCDS保証金の支払い元がAIGがメインとなっているようで、当然この事も米政府がGMを潰したくない理由の一つとなっているものと思われる。 (保証金支払いに税金投入って事で、国民反発の拡大)
「金融不安後退」っていう米政府による必死のプロパガンダによって消費者心理も随分と改善されてきてた訳だけど(下表)、GM破綻を前にして、その消費者心理もまた悪化しそうな気配。
上表は景気見通しに対する消費者心理を表したもので、上からネガティブ・ミックス・ポジティブを表しているんだけど、27日の「Gallup.Com 」 によると、急落してきたネガティブがまた反発しつつある。 GM破綻の影響はここ
(消費者心理)に一番最初に表れる事になると思われる。
無視される「格付け」
前回日本国債とアメリカ国債のCDSスプレッドについて触れたんだけど(隠せないアメリカの凋落) 、早々と両国債のスプレッドは逆転していた。
日本国債の「タイト化」は顕著で、現在37bpまで落ちてきた。対する米国債はワイド化一辺倒の44.91bp。 (27 May/CMA)
米国債マーケットを支えるFRBなんだけど、その事がFRBの財務不健全に繋がる事になる。 米国債マーケットとFRBのバランスシートは既に「一体の関係」という事で、FRBが米国債を買い支えしたとしても、その事自体が
ドル不信を覆す事は無いと思われる。
米国負債は天文学的な額であり(11兆ドル超)、45兆ドル相当の追加的簿外債務がある(ブルームバーグ)事を考えると、「格付け」は既に米国債の現状を表していない。 「米国債の現実」を表しているのは、需要減の米国債マーケットと米国債ワイド化の進むCDSマーケットという事になる。
要するに、市場参加者は「格付け会社」の格付けなんて信用していない。
トリプルAは「性質の悪いジョーク」という事になる。
追記>「IMF、初の債券発行 ロシアから9600億円調達」 っていう報道があった。 史上初の「IMF債」って事なんだけど、ドル建てではなく何と「SDR建て」で発行する可能性が高いらしい。
BRICsも購入意欲が高いっていう報道が早くも取り沙汰されていたんだけど、中国は喜んでロシアに追随する事になるだろう。
この「SDR拡大報道」はドルの肩身を益々狭くする事になる。
隠せない「アメリカの凋落」
日本国債が、先日ムーディーズから格上げされた一方で、英国債はS&Pから「トリプルA見通し」を、「ステーブル」から「ネガティブ」に格下げされた。
「米国債」は、来週に総額1620億ドルの入札が予定されている事もあり、米国債の格下げ懸念が再熱し、21日の米金融市場では、ポンド懸念がドル懸念へと飛び火した。 その結果、米国債・ドル・SP500のトリプル安となったんだけど、米国債の「終わり無き供給増」にドル不安が大きくクローズアップされた事になる。 という事で国債CDSマーケット。
-Market Data/CMA- (21May 23:30)
France 37bp
Portugal 62.99bp
Germany 34.50bp
United States 37.74bp
Spain 82.94bp
United Kingdom 80.45bp
UK CDSスプレッド
21日の国債CDSスプレッドなんだけど、当然ながら下落基調だった英国債は反発し、「ワイド化パフォーマンス」にランクインした。 米国債もワイド化が進み37bp。 ムーディーズから格上げされた日本は51bpで逆にタイト化が進んでいる。
日米CDSスプレッドは数値が逆だろうって誰しも思うだろうけど、そのうち逆転するものと思われる。(その事自体には意味はないが) オマケとしてメキシコも、新型インフルエンザ発祥と共にワイド化が進み、240bpを超えている。
ムーディーズは、「米国債は国債金融システムのリスク基準」って事で、相変らず格下げについて及び腰なんだけど、中国や中東諸国等からのドルペッグ制廃止の動きは加速している。 据え置いておきたい現状も分かるが
そろそろ限界なんじゃーないだろうか。
変わらないマイナス連鎖
先日には4月の米住宅着工数が最低水準っていう報道があったんだけど、「底入れの兆しが見える」と発言したバーナンキは水を差された格好となった。
サブプライムローン(ARM型)のカラクリを見れば、住宅価格が下がるのは規定路線に思え(尾を引くネガティブエクイティ問題)
、2月下旬に公表された住宅市場へのテコ入れ作業
の効果の程もイマイチ伝わってこない。
ただ、5月20日にはWSJに「住宅データの明るい点」っていうのが掲載されていた。
それによると、新築着工件数が最低に落ち込んだ中でシングルファミリー住宅建設が増加しているらしく、それは建設不振に終わりが近付いている事を示唆する、となっていた。
「Bright Spot in Down Housing Data」(5/20 WSJ)
New-home construction in the U.S. fell to a new low last month.
But an increase in the construction of single-family homes suggests the slump in home building is drawing to a close.
Many economists believe the single-family construction figuresare the best measure by which to gauge the housing market.
多くの経済学者は「シングルファミリー住宅建設の数字」が住宅市場を測るにあたって最大の物差しになると考えているらしい。(以上 WSJ)しかし売れ残り物件の売り圧力は続く見通しで、経済学者達の主張も今現在のところ「強がり」にしか聞こえない。
ケースシラー指数を構成する20都市はピークから「ドカ下げ」し続け、フェニックス住宅価格に至っては半値以下となっている。「ARM型スパイラル」が続く事を考えると、住宅価格の底入れは遠く、たまに「兆し程度」の指標が
出てくる位のものだろう。
「商業用不動産市場」もピンチって事で、今月1日にFRBはTALF担保対象を新規発行のCMBSに拡大していたんだけど、先日には「レガシーCMBS」にも拡大したらしい。 テコ入れ効果がどの程度のものになるか分からないんだけど、MBS市場と「金融セクター」のマイナス連鎖は当面続くように思える。
自動車メーカー・ビッグ3は「ビッグ1」となる見込みで(実質なっている)、住宅着工件数も過去最低、米国債の不信は高まるばかり。 自動車も住宅も新品は売れず、中古しか売れないアメリカは、株式市場でも他国から置いていかれる事となる。
追記: 欧米企業史研究が専門の著名な方からメッセージを頂いた。
貴重な情報も頂いたんだけど、最近、当ブログを閲覧してくださっている人の中に、著名な人がいて驚く事がある。 有難うございます。










