別レーンにある「住宅着工販売と住宅価格」
珍しく1日2度の更新。
昨日は米商務省が6月の新築住宅販売件数を発表した。今日はシラー教授の住宅価格指数が発表される。米メディアは商務省の発表を喜びをもって報道。
New-Home Sales Jumped 11% in June From May (july27.6:05PM/WSJ)
WASHINGTON -- New-home sales soared in June from the previous month, the third increase in a row and supplying fresh evidence the housing market is beginning to recover from its long crisis.
Sales of single-family homes increased by 11.0% to a seasonally adjusted annual rate of 384,000 compared to the prior month, the Commerce Department said Monday.
Though, year-over-year, new-home sales were 21.3% lower than the level in June 2008.
6月の新築住宅販売(季節調整済み年率)が、前月比11%増の38万4千戸と3月連続増加で、6月は急上昇との事。 記事では長い危機からの回復と、11%の「ジャンプ」を強調。 ただし前年同期比21.3%の低位置にいる事も補足している。(WSJ)
まぁ重要なのは、その新築販売件数の「ジャンプ」が今後の住宅価格の底入れに繋がるか、という事。
下記はその新築住宅販売(緑)、住宅着工件数(一戸建て・青)、住宅投資(赤)の3つからなる約40年間の比較チャート。 見ての通り、3つ共に40年間歩調を合わせ、ベクトルは同じタイミングでの「天井と底」を示している。〈クリック拡大〉
チャートの意図としては、4度「同時期に」天井と底を形成してきているので、11%上昇の新築住宅販売(緑)と住宅着工件数(青)が反発してきた今、住宅投資(赤)もほぼ間違えなく反発(底入れ)してくるだろうというもの。
チャートの通り、ベクトルは4度の「同時ターン」を指しているんだけど、細かく観てみると4度だけではなく、数多くの同時ターンを形成している。それを考えると、この経験則の信憑性はかなり高いようにも思える。
そして下図が、その住宅投資(赤)と住宅価格(シラー教授のやつ)の比較チャート。これによると住宅価格〈青)が住宅投資(赤)を数年のタイムラグの後、追い掛けている事になっている。(クリック拡大〉
住宅投資の底打ちから5年後に住宅価格が底打ちしているので、近いうちに住宅投資が底入れすれば、その数年後に住宅価格も底打ちするというもの。
今回の新築住宅販売の反発(&住宅着工件数反発)が、過去40年の経験則から、住宅投資の底入れを招く可能性は極めて高く、さらには数年後に住宅価格が底入れするという話で、要するに2つのチャートを利用した2段構えの検証。
これを考えると結局、住宅価格の底入れは、直ぐではなく数年先という事で今回の着工件数や販売件数の底入れと、住宅価格底入れは別物っていう悲しいオチに辿り着く。(差し押さえもあるし)
という事で、今夜のケース・シラーも大した意味はないだろう。
WSJの喜び報道に水を差した後、頭をよぎるのはやはりコレ〈クリック拡大〉
「100-120レンジ」に向けて迷い無き下落。
「ラリーの行方」
前回、クルマをとばして健康を満喫とか言っていたら、今度は
そのクルマ(愛車)が水没した。
降雨で水深50-60センチくらいの所を行っていたらエンジンがショート
したんだけど、周りを見ても数台水没していた。(渋滞でUターンできず)
国道でそんなに水が溜まる事なんて滅多にないんだけど、その後は
「通行止め」をしていなかった行政に八つ当たり。
右腕負傷・マイ車水没と、M・Mが続いた自分は「次のM」がマーケット
退場を連想させる。 ブログタイトルが最近どうも自分に降りかかって
いる気がするんだけど、ただ今日昨日はNK225が大台乗せ。
まぁどこまで続くか分からないが。
デコレートされた利益
Q1の時点で先の見通しに過大な期待はできないんだけど、「統計」
によると1990年以降過去6回の衆院選前20営業日のNK平均騰落率は
全て堅調との事。アノマリーといったところだろうか。(コントロール?)
米株高が波及したようなNK225の動きだが、その米株高のトリガーと
なった(事になっている)金融大手6社の最終黒字にしても、無理やり
絞り出している。 特別利益に問題の「負債評価益」の計上、さらには
控え目な貸倒れ引当金積み増し等によってデコレートした、いわば
「見せかけ利益」を演出している。
以下ブルームバーグ)から。
貸倒れ損失縮小シナリオを勝手に見立てた、「甘い引当」がアシスト
する銀行利益なんだけど、記事の通り、4-6月期の評価損・貸倒損失
は1-3月期から逆に拡大している。 さらにムーディーズによると商業用
不動産価格はピークから「35%」の下落、となっているが前回記事
(燻るCMBS危機) でも指摘した通り、価格は「もっともっと」下落する
と思われる。下落率では住宅価格を遥かに凌ぐと予想されている。
「The Moody's/REAL Commercial Property Price Indices」
銀行の甘い引き当ては、賭けというより銀行側の「願望」を表しているに
過ぎない。 (賭ける要素自体が少ない)
記事の中にある「引当金比率を継続すれば利益が全て吹き飛ぶ」
っていうPNCの現状なんて銀行の惨状をまざまざと表している。
動きの鈍い格付け会社が、FRBの「レガシーCMBS受付開始」にケチ
を付けるタイミングで格下げしたところから考えても、商業用不動産の
今後の下落率が相当悲観的なものである事を間接的に表している。
SP500のリーダーセクターであるフィナンシャル大手の見栄えを良くし、
ラリーの根拠を整えたところで、米政府がPPT(株価操作チーム)等で
下支え。マーケット上の自作自演という風にも思える。(勝手な想像)
10%に到達するとかで注目されている失業率にしても、カウントの仕方
次第で何とでも誤魔化してきそうな米政府なんだけど(既に誤魔化してる
気がする)、不動産の下落率を誤魔化すのは難しいと思われる。
どちらにしても米銀は引当金をさらに積み増す事になるだろう。
そしてもう1つブルームバーグから。
>最近のボストン連銀の調査では、「返済に深刻な遅れがある
融資」のうち銀行が条件を緩和したのはわずか3%
以前の記事で(2/18 過去記事) ようやく住宅市場テコ入れ作業が
「兆しの兆し」になった、と言ったんだけど、どうやら銀行側は住宅差し
押さえ問題に関しても、非協力的らしい。
重なる恐慌2
と、「まやかしのラリー」としたところで例のSP500恐慌チャート。
お馴染「4つのベアマーケット」なんだけど、1929年の恐慌と今回の
金融危機(住宅バブルの崩壊)は、チャートの通り「マイナス56.8%」
までの道のりは3ヶ月間のタイムラグしかなく、他のクラッシュの中では
この2つが一番類似している。(クリック拡大)
急落の過程は違うが、「マイナス50%」に達したのはよく見ると、どちらも
同じ「13ヶ月目」。
バーナンキが先日、市民との質疑で「第2の恐慌を引き起こすFRB議長
になりたくない」と言ったらしいんだけど、1929年チャートから離れようと
している今現在の軌道は、彼の気持ちを代弁しているようにも思える。
確かに「マイナス56%」まで落ち込みながら「マイナス40%」まで回復
した今回の軌道は、1929クラッシュには見られないトレンドといえる。
22ヶ月目でマイナス40%という事は、ようやく1973年のオイルショックに
そう考えると、下図の青い直線を辿るか、黒い点線を辿るかというと
後者の軌道となりそうな気配といえるんだけど、前述のように実体経済
ただ、4つの軌道を1つにし、ピークと谷を拾っていくと「ブルのちベア」と
いう予測もできる。実態を考えると尚更だが。
まぁあくまでトレンド上の話です。
燻る「CMBS危機」
戦慄の「6・27事件」から早3週間。右手でラーメンを食べる事に成功。
指の感覚はほとんど戻ってきた。痺れはゼンゼン残っているが。
初めて傷跡を見たんだけど、縫合の時に看護師さんが涙目だった事を納得。 見方によってはブラックジャックのようにも見える。そう考えるとなかなかシブい。
クルマの運転も問題なくなってきたって事で、週末は高速をとばした。
「健康ってイイな。60%位だが。」とつくづく実感する。 その反動か15時間近く眠ってしまい早朝4時に起床。ブルームバーグを確認する。
拡大する消費低迷と「空き店舗率」、そしてCMBS
NYでは消費の落ち込みが露骨に表面化してきている。前回「SP600」の記事でゲイリー・シリング氏が市場崩壊の主因として消費の落ち込みを挙げていたが、7月14日付の「Gallup.Com」 の調査では消費者の「経済見通し」がここ1ヶ月間で悪化している事を指摘。
Consumers’ outlook more pessimistic, but spending is flat (july14 gallup.com)
Consumers' expectations for the economy's direction deteriorated compared to the prior week, with 62% saying economic conditions are "getting worse." This is slightly worse than the 60% of the prior week and represents a six-point deterioration from the 56% of a month ago.
経済見通しについて7月第2週に「悪化している」と感じている人が、「62%」になっているとの事。 1ヵ月前の56%より6%アップ、前の週(7月第1週)の60%より2%アップしており、記事の趣旨としては徐々に悪化しているという
もの。 ただし消費自体は、「but spending is flat」って事で以前の記事のレベルとさして変わってはいない。(60ドル前後)
そして消費低迷継続→小売撤退、空き店舗率拡大という流れ。 という事で前回記事の「⑦小売業者閉店チャート」
国内の報道では滅多にお目にする事はできない上記のチャートだが、今年に入っても急上昇。それと共に以前から問題視されているCMBS危機も拡大しつつある。
FRBのTARFTALFプログラムの出鼻を挫く、S&Pの格下げ。もう少し早く格下げすると思っていたのだが。 「S&PがCMBSを格下げ、TALFに影響も」
「米TALFの既発CMBS担保融資申し込み、初回は6.69億ドル」
これで担保対象が数ヶ月以前に比べ3分の2に減少という事なんだけど、新発CMBSは、先月・今月とまだ融資を申し込んだ者はゼロ。 レガシーの方も上記の通り、低調。
今回の格下げはFRBの担保適格CMBSが減るだけでなく、先週好調だった大手金融機関の損失にも直結する事になる。記事にあるようにGS、JPモルガン、クレディ・スイス、ワコビア・バンク、モルガン・スタンレーのCMBSが格下げられている。
いつも住宅価格の暴落チャートを載せる自分なんだけど、CMBSの方は土地・ビルの暴落によって住宅ローン(RMBS)の3倍の被害が出ると言われている。 米金融機関の保持するCMBS評価損の拡大の本格到来といった
ところで、今後の消費縮小とセットでCMBS危機も注目する事になる。
SOX(半導体)がハイテクを牽引
先週のマーケットに目を移すと、SP500は940ポイントでクローズ。
ゴールドマンの決算発表が起爆剤となった、という理由付けがされている株価だが、下記の統計を見てもフィナンシャルセクターが今現在SP500のリーダーセクターである事は疑いようがない (SP50039%アップに対して
94%アップ)。 しつこいようだが、このリーダーのビジネスモデル対してどこまで規制を掛ける事ができるのだろうか?
そんな中、「テクノロジーセクターがけん引、NASDAQは8日続伸」 って事でナスダックは「1886ポイント」で終値ベース年初来高値。
確かにテクノロジーはここ最近上げている。インテルの強気見通しにも象徴される。 それは、落ち込む「エネルギー」と比較すると一目瞭然。
さらにそのハイテク(テクノロジー)を引っ張っているのが大元の半導体株。
6月に落ち込んだSOX指数 (フィラデルフィア半導体指数)は今月に入って急上昇。当然インテルも同じ軌道を描いている。 一般的な論調としてはこのSOXがテクノロジーセクターを引っ張り、そのテクノロジーがSP500と
ナスダックを牽引した、という事になっている。
インテルが「Q3」も強気という事なんだけど、そう考えると急上昇してきたSOXはさらに上昇する見通しとなる。
先行指標として当面注目。










