困窮の中の債券
何日か前に米国で、ヘッジファンド絡みの「過去最大のインサイダー取引」が発覚してたんだけど、その事件にインテルやIBMの幹部が関わっていた事が、ちょっとした騒ぎとなっている。
このヘッジファンドの創設者はスリランカ人なんだけど、シリコンバレーといえば南アジア系の人たちが沢山活躍している。そういう事から様々なネットワークも出来やすく、今回はそれが悪い方向で表面化したんじゃーないだろうか?
以前、高速プログラムの話をしたんだけど、ヘッジファンドが不況下で生き残るには「高速プログラム開発やフロントランニング」に行き着くかも知れないし、今回の事件はその中の「ごく一例」、という事になる。
今回の事件は記事にあるように、SECのモニター管理から、インサイダーでは初めて盗聴器が利用されたケースらしく、今後も同じ方法が用いられる可能性大、との事。 このスリランカ人、2009年度の世界長者番付にランクインしているらしいんだけど、アメリカの経済犯は日本では考えられない重刑を科せられる。まさにハイリスク・ハイリターンといったところ。
CPPI下落と米銀メルトダウン
米銀メルトダウンが進行中との事。「米銀行破綻100社突破」
米地銀の不動産融資の比率が融資全体の約7割。うち6割が商業用不動産向け融資という事で、お手上げ状態。数ヵ月前に、銀行アナリストのホイットニー氏が300行は破綻する、なんて言ってたけど今後も米銀破綻は拡大する見通し。
リッチモンド連銀のラッカー総裁が、「地域銀行の商業用不動産損失増大も管理できる」 なんて悠長な事を言ってるんだけど、具体策なんて実際には無い。
CMBSに組成された不動産ローン延滞率は変わらず上昇。 そしてそれに伴う商業用不動産価格も容赦ない下落が続いている。10月更新のCPPIは、9月更新のもの と比較しても明らかに落下。ピークからは40%の下落に突入した。
米リアルポイントによると、9月の同不動産ローン延滞率は、オフィスが2.71%であるのに対し、ホテルなど宿泊施設の延滞率が深刻で、6.72%との事。
結果的に、全体としては4.34%となっている。 ちなみに7月が3.14%で、8月は4.03%だった。(リアルポイント)
インフレタカ派のラッカー総裁は、今年1月のFOMCでも、ただ1人MBS買取継続に反対票を投じていた。CMBS買取にも賛同していないと思われるんだけど、どうやって管理するんだろうか?インフレを恐れるあまりの短絡的な発言のように思えるんだけど、最近はFRB内でも「ヘリコプター派」と「ブレーキ派」に分かれてきたらしい。「FRB、物価認識綱引き デフレ懸念とインフレ懸念」
困窮の中の「デスボンド」
前回、「ハイイールド債の人気が一層高まっている」みたいな事言ったんだけど、債券人気は止まるところを知らない様子。「米債券投信への資金流入好調」
その中で、最近はデスボンド (死亡債)への注目も高まっているとの事。
金融機関が、生活に困窮した人たちから生命保険を買い取って証券化する、っていうもので、保険加入者からすると、生活に困った時に助かる、という事になる。投資家からしても、株式等と違い不況の影響を受けないって事で、双方にメリットがあるらしい。
保険加入者の亡くなる時期が早いほど利益が出るって事で、その辺がモラル面で問題となっているらしいんだけど、ただ、それを言うのであれば、生命保険自体にも様々なモラルリスクは存在する。(保険金殺人等)
まぁ生活困窮者からすると、メリットはかなり大きい事になる。日本でも売りたい人は意外にいるんじゃーないだろうか?
話逸れるけど、死亡繋がりで「遺体を埋葬できないほどアメリカはボンビー」っていう記事。
America Too Poor To Bury The Dead
(Oct2 2009 BusinessInsider)
In a gross expression of the state of the economy, corpses of indigent and unclaimed bodies are piling up in morgues across the US, as some states and counties are running out of money to bury them.
In Detroit 67 people are waiting to be buried,according to the Huffington Post, which cites a CNN report. With a 28% unemployment rate, some families are unable to afford a burial and the city’s $21,000 annual budget to bury unclaimed bodies ran out three months ago.
一部の州や郡には埋葬費がなく、引取人不在の遺体が米国中のモルグ(死体安置所)で積み重ねられている、という事らしい。
ブログニュース大手の「the Huffington Post」によると(CNN引用)、デトロイトでは67つもの遺体が埋葬待ちをしている、との事。
28%の失業率(米国最大)の下で、一部の家庭に埋葬費の余裕は無く、デトロイトの「引取人不在の遺体に対する埋葬費」2万1千ドルの年間費も3ヵ月前に尽きた、という事らしい。
保険加入者の「葬儀保障」も契約に入るっていうデスボンドなんだけど、亡くなった後に放置される可能性も考えると、生活困窮者が生命保険を売るメリットは多い。
追記>------
今週はほとんど家にいなかったんだけど、先週言ってたベルパーク(9441)のポジションもさらに拡大。
ベルパークの、「自己株式の売出によるダイリューション(希薄化)」について結構訊かれたんだけど、IRにある、オーバーアロットメントと第三者割当の規模を考えると、大体10%くらいの希薄化。上方修正の規模がダイリューションの幅を軽くカバーする、と勝手に思ってます。
今週の値動きに関しては、引受人(日興コーディアル)への処分価格10万8千円、売出価格が11万4654円だったので、日興コーディアルの安定操作によって、11万4千がサポートラインになると考えていたので、大体予想通りで、結構拾いました。受渡日は22日。
10/19-10/23 自己株式売出価格 (赤)と受渡期日(縦青)
それとは別に、ROEの事もよく訊かれるんだけど、投資の本とかによく載っているからだろうか? ROEなんて、今後の利益予測をする為の1つの指標で、「投資する側」からすると、その数字自体(何%以上が良い、とか)にはほとんど意味は無い。 3、4年後の利益見通しを立てる時なんかに使うんだけど、実際には公式の係数みたいな位置付け。
ゼンゼン関係ないけど、アサヒの麦搾りってアルコール度数高いんですね。 デフレを楽しむ自分は、結構飲んでます。(メタボ気味)
ハイイールド債の「ハイトレンド」
ただ、痛みのお陰で早朝起床。NYを確認してみる。株価1万ドルはやはりレジスタンスとなっており、頼みの金融セクターも逆に足を引っ張っている模様。
今週の決算発表はファイナンス・ウィークで、JPモルガン・ゴールドマン・シティ・バンカメと続いた。 ゴールドマンは「ラリー」の産物として株式収益が前年同期比8割増との事。ただ株価自体は割高。インデックス(SP500)がPER20倍であるのに対し、ゴールドマンは200ドルで約38倍になってしまう。投資判断としては、当然買い控えの水準。その結果、反落している。
⇒GOLDMAN SACHS 184.37
4.26 (2.26%) 4:00PM
そして昨晩のバンカメが大幅損失との事。 バランスシートを守る大幅な貸倒引当計上が、そのままPL&株価を犠牲にする事になった模様。
⇒BK OF AMERICA 17.26
0.84 (4.64%) 4:00PM
それがそのまま金融セクターを直撃という流れ。
金融セクターは、攻撃(PL)が良くても守備(BS)に穴が飽き 開きやすい。投資する側にそのイメージが行き渡っている事が確認されたような値動き。 今週(インテルも決算発表)に上乗せがないのは、全体としても厳しい。
さらには11月中旬に再びヘッジファンド解約期がやってくる事を考えると、株価はトレンドには乗れない予感。それを踏まえてか、機関投資家の中では「ハイイールド債」人気が一層高まっているらしく、10月に入った途端、「投資適格債」との乖離が顕著になってきた。
「Investors Are Only Interested In High-Yield Junk」
Today's chart shows not only that high-yield junk debt (HYG) has decimated safe debt (LQD) since the market lows, but that in recent days the situation has gotten really extreme.Investment grade debt has started to break down over the past couple of weeks, clearly breaking an uptrend, while the risky stuff keeps on powering higher. (BusinessInsider)
チャートは、ハイイールド債が安全債を、3月9日から壊滅させてきただけでなく、最近の極端な状況(人気格差)をも表している。危険なハイイールド債が力強く上昇する間、上昇トレンドだった安全債が、ここ2週間で壊れ始めた、との事。
株は頓挫、安全債は低利回り、という事でのジャンク債人気。余計に株価の頭打ちを予感している。 まぁ、当然といえば当然か。
ベルパーク
ゼンゼン関係ないけど、週末はベルパーク(9441)のポジションも拡大。
現在値(10/16) 117,500 +1,600(+1.38%)
業績予想を5日に上方修正した後、長い陽線(ローソク)が出た後に、ジレンマを抱えていた人達の利食いで反落。流動性はかなり低い。 ローソクがその後黒く塗られて、そのまま相殺されているんだけど、結果的に上方修正で株価変わらずとなった。要するに割安感が一層増した事になる。
未遂の「レスキューオペ」
北朝鮮がミサイル発射したとの事。
春先には、小沢さんの「第七艦隊発言」の後、ミサイル問題が起こった。
今回は民主党政権になってから「アメリカ離れ」が盛んに言われているんだけど、日中韓サミットで鳩山さんがアメリカを刺激するストレートな発言。
自分は陰謀論者なんかじゃないが、やはり過去を振り返ると、アメリカが北朝鮮を「テレ・コマンド」しているような気は、確かにする。 「米離れコメント」と共にナイスなタイミングで発射。北朝鮮と日本の間に何かがあった訳でもないから尚更そう感じる。「米国務長官「非核化方針は不変」 北朝鮮ミサイル発射」
米政府はこんな事言ってるんだけど、アンタらが裏で操ってんじゃないの?(個人レベルで)、と勘ぐってしまう。
アメリカがミサイル発射を北朝鮮に「裏で」命じて、アメリカ離れしようとする日本を、「核の傘(アメリカの保護)の中じゃないとマズイ」って感じに誘導するという陰謀論。 民主政権になったら沢山飛んでくるのかな?なんて政権誕生前に思ってたら、「米離れコメント」と共にさっそく発射。
確証がないとどうしても陰謀論ってなってしまうんだけど、こういう世界で確証なんて分かりっこない。 まぁ今回は誰もが疑っておかしくないタイミングだった。(過去と照り合わせて)
未遂に終わった「レスキューオペ」
8月のFOMCで、10月までに国債購入を終了する、といっていたFRB。
インフレ懸念が広がりを見せる一方で、「FRBが紙幣を刷らなかったらどーなるの?」っていう論調も。 以下「FRB以外、誰もエージェンシー債(GSE債)を買っていない」っていう記事。
Besides The Fed, Nobody Is Buying Agency Debt
(Oct8 BusinessInsider)
Where would we be without the Fed and its printing press? There's been a lot of debate about the appetite of foreign investors of our debt -- Treasury auctions continue to be strong, even as noises emanate from overseas about wanting to dump the dollar.
But here's a stark fact, via the Counsil on Foreign Relations:Only the Fed is buying agency debt. Foreign buyers, who once consumed it voraciously, have been net sellers so far this year.
外資に期待できない中、FRBの「ドル紙幣刷り作業」がなくなったら私達どーなんの?っていうもの。 海外からの「ドル離れの騒ぎ」が大きくなっているにも関わらず、財務省のオークションは大きな規模で実施されている。しかし、FRBしかGSE債を購入していないという厳しい現実が。かつて貪欲に消化していた外国人投資家は、逆に売り手となっている、というもの。
赤い棒グラフがGSE債なんだけど、見ての通りFRBのみ保有。外資はゼロ。FRBはGSE債購入延長を明言してるんだけど、確かに買い手が見つからない状況にある。 そして、そんなところにこんな記事。
「<外貨準備>政府が米金融2社救済案 08年8月に支援検討」
>限られた財務省幹部が米財務省と緊密な連携をとりながら、外貨準備から数兆円を拠出して両社の社債を購入する救済策「レスキュー・オペレーション(救済作戦)」という名の計画を立案。
米国債だけでなく、GSE債まで押し付けられるというものなんだけど、現在でもゴリ押しされてるんじゃーないだろうか? 外資準備なんて記事にあるように非公表で分からないし。
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