9月FOMCについて ‐利上げ継続と遠ざかる利下げ、日本のドル売り介入期待の高まり‐ | ニューノーマルの理 (ことわり) Powered by Ameba

9月FOMCについて ‐利上げ継続と遠ざかる利下げ、日本のドル売り介入期待の高まり‐

FOMCを受けドル円レートは148円超で上昇基調、米国の利上げとマーケット見通しも重要だが、国内企業業績や国民生活にとって為替レートは深刻な水準で進行している。

 

ここのところお伝えしているが、ドル売り介入は実施可能、円売りと違い米国の顔色を窺う事もさほど必要ないとさせていただいた。ただ、日本国内事情を政府がどう捉え、どう判断するか、に掛かっている。実弾が実質少ないとはいわれているが、NYfedとのスワップ協定を前提とすれば、外交力に掛かっている。

 

 

 

 

 

 

9月FOMCでは来年のイレギュラーな利上げを表明

 

で、その9月会合(FOMC)だが、事前の想定通り政策金利は据え置きで、QTは継続。年末の政策金利は5.6と6月からの据え置きになったが、今後の利上げ継続も質疑応答で表明されており、内容的には(2024年は)今年より少ない利上げ。つまり予想通り、断続的利上げ継続が表明された。(ハイテクはこれを嫌がったのだろう)

 

議長の質疑応答では、「経済活動は堅調なペースで拡大していない」という毎度のお言葉がでてきた。よって、「インフレ低下には(経済における)トレンド以下の成長と労働市場の軟化が必要になる」といったお決まりの言葉も同様にでた。

 

議長会見はコロナ後から会合ごとに実施されるようになったのだが、短期間でいうことは変わらず、今回もそうだった。で、重要だったのは現時点で「2%目標に向かって、持続的にインフレ低下が続くと確信がもてるまでは利上げを続ける」ということであり、いつになったらインフレが2%に向かって低下するのか、現時点ではわからない、ということ。

 

で、そのような中、場違いな「利下げ」に関する質問があった。パウエルの回答としては「1年先を見越しているが不確実性ありそのときの判断に委ねられる」、つまりわからない、といったものだった。利上げがいつ終わるのかわからないのに利下げの言葉を引き出そうとするメディアは思慮浅はかなスタンドプレーに走るただの目立ちたがり屋、しかし今となってはあまりにKYである。

 

 

 

SEPでの年末コアPCE予想は3.7と強気予想

 

個人的に目に付いたのは、やはりSEP(経済見通し)の表記で、今年末のPCEヘッドライン予想値が6月には3.2だったのが、3.3だったこと。そしてコアPCEが6月3.9だったのが今回は3.7になっていた。当オフィスとして一番着目しているのはココである。年末に、3.9なのか3.7なのか、はたまた4.0を割ることができない事すら考えられる。ここの動きがFedの金融政策に直結しているのは明らかだといえるからだ。

 

で、今後、米国の金融政策に目覚ましい変化があるわけないのだから、目先の注目点はやはり日本のドル売り介入といったところになります。可能性は薄いが昨年のようなスリリングな展開が海外市場でみられるかも知れない。というか、圧迫続く国民生活の事を考えればこのFOMCをうけて、断固として介入すべき。海外からのインバウンド需要を最優先にすべきではない。財務省と日銀のスキルに期待している。

 

正直いえば、介入のタイミングとして自分も参加したい、という思いは強く、そういう人は多いかも。なぜ今じゃない?なぜこの規模でない?みたいなことは多々あった。今回介入するか否かわからないが、FOMC後というのはいつも決まっており、明日以降、為替当局の状況を見守りたいと思う。