大隈重信や板垣退助の一派が政治権力を握っていたら、日清戦争から始まる一連の大陸侵略は、無かったんじゃないか、というひとがいましたが。さて、どうでしょう?
だって「征韓論」のとき、西郷と一緒に「朝鮮を攻めるべし」と一番激しく叫んだのは板垣ですよ。
確かに、板垣や大隈が、「議会重視、合議重視」の立場を取りますけど。生まれつきそういうリベラルな思想を持った政治家だった、と思うのは早計でしょう。
板垣は土佐、大隈は肥前(佐賀)。
彼等はある時期から薩長藩閥が牛耳る政府から締め出されたから、ならば議会だ、政党だ、っていう方向にシフトしていった、と考えたほうが自然じゃあないでしょうか。
のちに大隈重信は総理大臣になりますが。
「青天を衝け」では、誰もやらんから俺が仕方なく総理大臣をやってるんだ!て怒ってましたね。
まあ確かに、当時の大隈にとっては貧乏籤に感じられたんじゃないですか。
このドラマの大隈は出てきたときから「戦争は嫌いだ、戦争は俺の仕事じゃない、それなのに戦争で金を使った尻ぬぐいばかり俺に押し付けられる」と言ってボヤいてました。
日本という国が金を稼ぐには、大陸に進出するしかないんです。
結局、誰が主導権を握っても、明治日本が大陸に侵攻する流れは変わらないと思われます。