藤原実資はなぜ「検非違使のカミ」ではなく「別当」なのか? それは彼の本官が権中納言だから。 | えいいちのはなしANNEX

えいいちのはなしANNEX

このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

「光る君へ」で、藤原実資は「伊周を捕らえなければ、検非違使の別当を辞めるに辞められん」とぼやいていましたが。
別当って何? どうして検非違使のカミ、ではないの?

検非違使というのは令外官、つまり(飛鳥時代に出来た)当初の律令制にはなく、あとから(平安時代になってから)追加で出来た組織です。

したがってみな正規の律令にある官職を持った上で検非違使を兼任している、という体裁なんです。

藤原実資のメインの官職は権中納言であり、それが検非違使の司令官を兼任、つまり本来の職とは別に担当してる、だから「別当」とよばれます。