今日は16でヒーローの日ということで、日本史上最初の英雄(ヒーロー)神武天皇の話をします。
日本書紀には紀元前660年前後に即位した、と書いてあるのですが、これは一般には歴史とは言いません、神話です。
はじめての大王(オオキミ)というのは、誰かしらいただろうし、その人物にあとから「神武」という名前を奉ったわけだから、「神武天皇は存在しません」とは言えません、そりゃ、誰か初代はいたでしょうけど。
しかし、その初代が存在したのが紀元前660年というのは、明らかに粉飾です。
これはどうやって決めたかといえば、中国古来の思想で「60年に一度の辛酉(かのととり)の年には大切な事件(革命)が起こる、60×21=1260年に一度は大革命が起きる、っていうのがあるんですって。これを「辛酉革命」思想といいます。
で、最近の大革命はといえば、聖徳太子だ、ってことになったんです。日本書紀こそ、日本創設の英雄「聖徳太子」を創り出した書物です。創り出した、って言い方にはほうぼうから文句をいただきますけど、これは仕方ない。聖徳太子は、藤原不比等が作り出した架空キャラです。
で、聖徳太子から1260年前にも、何か、この国に大革命が起きたに違いない、この辛酉革命の年に、神武天皇が即位したことにしようじゃないか、ということになります。
それ昔すぎないか? いいんだよ、どうせ言うだけはタダだから、国の起源なんて、言ったもん勝ちなんです。日本歴史は長ければ長いほど立派に見えていいだろ? ってことです。