「苗字に藤がつく人は、藤原氏の子孫である」ってのを詳しく解説。 | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

 「○藤」という苗字の人は、ほんとうにみんな藤原氏の子孫なのか? だとすると多すぎないか? という人がいますが、まあ、そうでもないです。日本人は誰でも「好きな先祖」を名乗ってもいいので、源氏の子孫、平氏の子孫、藤原氏の子孫が3分の1づつ、と言ってもいいくらいです。

 よく「それぞれの住む土地の略号を藤原の「藤」の上にくっつけて「〇藤」にしたのだ」という人がいますが、これは厳密にいえば間違いです。
 苗字ってのは、自分と隣のヤツを区別するためにあるんです。誰もかれも「源」だ「平」だ「藤原」だ、じゃあ紛らわしくて仕方ないので、屋敷の場所や領地の名前を通称につけたのが、苗字です。
 近江に住んでいる藤原がみんな近藤と名乗ったら、隣近所の領主がみんな「近藤さん」になってしまって、意味ないでしょ。

 正しくは「近江守」か何かの官職を貰った先祖をもつ(と自称する)者が、他所の土地に移住して、同じ藤原を名乗るヤツと隣同士になったとして、「オレの先祖は近江で偉かったんだぞ」とか何とか自称して名乗ったのが近藤。「じゃあ、オレの先祖は遠江でエラかったんだ、どうだ」というヤツが遠藤。
 本当に近江守だったかどうかなんて、昔のことでわからないし、本当に藤原の一族かどうかも怪しい、でも、いいんです、どうせ「区別のための自称」ですから、名乗るだけなら勝手、ってことになってます。

日本って国は。そういういい加減なところが、この国のいいところ?なんです。

 

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