「なぜI'm happy.とは言えても、It's happy.とは言えないのですか?」
という質問を受けることがあります。
以前なら、「happyは人の感情なんだから、人が主語になるんですよ。itは仮主語の場合や時間、天候などもそうですが『状況』を意味する言葉ですから、感情を表すhappyの主語にはならないんですよ。」と答えておしまいだったんですが、よく考えるとhappyの反対の気持ちを表すsadならIt's sad.と言うことができます。It's sad.はOKなのにIt's happy.が駄目なのはなぜなんでしょう。
●「感情」と「評価」
sadと違い、happyは必ず人を主語にします。It's great.とかIt's nice.(その状況はいいよね。)とは言えても、It's happy.とは言えないのです。goodとかniceは『状況を評価する』ことを意味する形容詞ですが、happyは人間の気持がどうなのか、ということを表す形容詞、つまり『感情』を表す形容詞です。「評価」と「感情」、この二つをキーワードにすると、happyの使い方がわかってきます。
●sadにあって、happyにはないもの
happyとsadの違いは何か。結論を言うと、happyは「感情」しか意味しないのに対し、sadは「感情」と「評価」の二つの意味を持つ言葉である、ということです。
I'm sad.(私は悲しい。)とIt's sad.(それって悲しいことだ。)というのでは前者が話し手本人の感情を表し、後者が話し手による状況の評価を表しています。このようにsadは人の感情としての「悲しい」という気持ちと状況を「悲しいことだ」と評価する、両方の意味を併せ持っている言葉なのです。
一方、プラスのイメージでこれに対応するのがI'm happy.という話し手の感情と、It's great.とかIt's nice.とかいった話し手による状況の評価です。比べてみると分かるように、sadが感情と評価の両方を表せるのに対し、happyは感情しか表わせず、評価を表す時にはgoodやniceといった別の形容詞が使われるのです。このようにhappyには感情の意味はあっても、評価の意味はないのだ、ということが分かると使い方が明確になるのではないかと思います。
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