![]() 暴虎の牙 [ 柚月裕子 ] |
ブックオフの古本220円で購入してあった、2020年3月発行、柚月裕子の「暴虎の牙」を読了…2023年1月に文庫化もされているが、文庫版は上下巻の分冊仕様になっている模様。映画化もされている「孤狼の血」シリーズ、3部作の完結編とのこと。1作目は文庫で、2作目は電子書籍で読んでいたが、こちらはずっと読み逃していた。映画版も2作品見ているが、映画の2作目は原作シリーズとは異なるオリジナルストーリーだった。さてこちらは、過去シリーズで既にお亡くなりになっているマル暴刑事ガミさんこと、大上刑事(映画では役所広司が演じていた)が再登場…1作目よりも前の話が語られる一方で、後半の3分の1くらいは…過去シリーズ1~2作目の続きの話にもなっている。冒頭、どうやらヤクザな父親を殺してしまった少年と、その取り巻きであろう友人が遺体を遺棄する場面から始まる。時が経ち…その少年たちが成長し、ヤクザをも恐れぬ愚連隊を率いるようになっている。そんなイケイケ連中と…広島北署時代のガミさんが偶然にも出会ってしまう。愚連隊の素性を一発で見抜いたガミさんは、過去シリーズでも描かれていた“ガミさんの過去にまつわる因縁”、その復讐の道具に利用しようと画策し、動き出すが…ということで、過去の昭和57年パートの話が進んでいく。ガミさんら警察、ヤクザ、愚連隊の三つ巴な争いが激しく展開されていくわけだけど、途中でいったん終止符を迎える。しかし、さらに時が流れて…亡きガミさんの意志を継ぎ、ガミさんそっくりのマル暴刑事になっている後輩・日岡が、復活した愚連隊連中と対峙することになる。日岡は、映画だと松坂桃李が演じていたが…ちょうどオリジナル展開を見せた映画版2作目の時の日岡のように、いい感じにやさぐれてましたね。映画版は話こそオリジナルだったけど、しっかり原作の影響は受けていたのかもしれない。それこそ愚連隊を率いるリーダー沖虎彦は、映画版2作目で鈴木亮平が演じていた“ヤクネタ”上林成浩をどこか彷彿とさせる凶暴さだったな。
![柚月裕子 暴虎の牙(KADOKAWA・単行)](https://stat.ameba.jp/user_images/20240418/11/eigasuki2/59/9f/j/o0452033915427356547.jpg?caw=800)