月原渉 すべてはエマのために(新潮社・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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すべてはエマのために (新潮文庫nex(ネックス)) [ 月原 渉 ]
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古本購入してあった、2023年6月発行、月原渉の「すべてはエマのために」を読了…第一次世界大戦期のルーマニアを舞台に、新人看護婦が、地方の資産家当主を専属で看護することになり、住み込みで働くことになったんだけれども、到着早々、不可解な連続殺人に巻き込まれていく。実は、招かれた資産家一族というのが、主人公の出自などにも深く関わっており、どうやら血縁関係があるらしい。当主の娘が、主人公と瓜二つの顔を持ってるんだけど、なぜかいつも仮面をつけたままだったり…最初から不可解な点も多かったのだが、次々に殺される一族の人間が、みんな仮面をつけた状態で発見される。明らかに他殺の可能性が濃厚なのだが、屋敷の人間たちは“自然死”を強調、どうやら事件化させたくないようだ。仮面の謎、不可解な関係者の態度…その他にも、さりげなく死体消失や密室といったミステリ的な謎を提示してくる。看護婦である主人公の他に、もう1人、お屋敷に招かれた人物がいて、それが女医師。彼女が強硬に“事件を見過ごせない”と言い張り、探偵役として謎に迫っていく。この探偵役の女医というのが…どうやら日本人らしいシズカさん。なんだ、過去に何作か読んでいる”使用人探偵シズカ”シリーズだったのね…本作では使用人ではなく女医になってます、でも同一人物だろう。なんで仮面を被っているのか?家族は、なんで遺体から仮面を外したくないのか?時代背景と一緒に考えていくと…真相は大方予想できる。お屋敷や仮面ということで、なんとなく綾辻行人の「水車館の殺人」を思い出したんだけど、最後で明かされるどんでん返しなんかも、ちょっと綾辻っぽかった(「水車館の殺人」ではなく、綾辻センセイの別の作品で使ってたネタに似てた)。


月原渉 すべてはエマのために(新潮社・文庫)