堂場瞬一 灰色の階段 ラストラインØ(文藝春秋・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

灰色の階段 ラストラインØ (文春文庫) [ 堂場 瞬一 ]
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ブックオフの古本220円で入手…2023年3月発行、堂場瞬一の「灰色の階段 ラストラインØ」を読了。通称ガンさんこと、記憶力抜群の中年刑事・岩倉剛が活躍する“ラストライン”シリーズの現時点での最新刊にて、1作目以前の過去を描いた前日談であり、シリーズ初の短編集でもある。全部で6編…既にシリーズが始まった時には妻と別居中、年下のカノジョと恋愛中だったガンさんの独身時代から始まり、年下カノジョができるまで、その節々で遭遇した事件が紐解かれる。1つ目の”手口”は…まだ独身、刑事になったばかりのガンさんが、居直り強盗から殺人に発展してしまった可能性がある事件の犯人に迫る。侵入の手口から他県で起きていた同種の事件を結び付け、同一犯の可能性を探る。2つ目の”嘘”は…なんと結婚式前日に事件が発生、同僚たちが”早く帰れ”とせっつくなか、ギリギリまで現場を駆けずり回る、ある意味、デッドリミット型サスペンスとも受け取れる。事件の内容は、ある企業の社長が殺され、事件の背後に車内で起きていた横領が関係するのではないかと考えられる中、ガンさんはパソコンで書かれていたメールに注目する!3つ目の”隠匿”は…”あの追跡係”に配属中に遭遇していた事件で、別件で既に逮捕されていた元スポーツ選手が、他の未解決事件の犯人だと名乗りでるも、供述に不審な点も多く…。ガンさんの結婚生活はまだまだ安定、子どもも生まれてホクホク…しかし、家族よりも仕事を取りがちで、後の兆しも見え隠れ…。4つ目の”想定外”は…3.11直後、火災犯捜査係に配属中、結婚生活もまだなんとか継続中。飲食店が複数入るビルで火災が発生…犠牲者が出る。その中の1人が放火犯である可能性が浮上するが、動機が見えてこず…。5つ目の”庇護者”は…"アナザーフェイス”シリーズの大友鉄に誘われ(仲がいいのは過去シリーズで既に語られている)、芝居見物に行き…出演者からのストーカー被害の相談に乗る羽目になる。既に結婚生活は破綻…遂に年下のカノジョとの出会いがここで紐解かれる。6つ目の放火殺人の現場近くで、怪しい動きをする男を発見…調べてみると放火による前科があった!そしてガンさん…遂に家族と離れて1人暮らし!短編なので、それぞれの事件は小ぶりの物も多いが、ガンさんのプライベートの変化が追えて、ファンならそれなりに楽しめると思う、面白かったですよ。


堂場瞬一 灰色の階段 ラストラインØ(文藝春秋・文庫)