青谷真未 読書嫌いのための図書室案内(早川書房・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?


ブックオフの古本で入手…2020年4月発行、青谷真未の「読書嫌いのための図書室案内」を読了…初めて読む作家さん。読書嫌いの男子高校生が、“仕事が楽そう”という理由で図書委員に参加するも、ひょんなことから教師に図書新聞づくりを命じられてしまう。さすがに彼1人じゃ心許ないというので、男子高校生とは正反対、活字中毒の地味系女子が一緒に手伝うことになる。図書新聞づくりの過程で、生徒や教師に感想文を書いてもらおうという企画の方向性が決まるのだが、感想文を依頼した相手から、交換条件を持ち出されてしまう。そして、それらの課題をクリアすることで…結果的に学校に伝わる怪談話やら、主人公本人の過去、相棒の地味系女子の出自にまつわるあれやこれやなんかも紐解かれることになるという…日常系学園ミステリといった感じか?厳密には、書籍のどこにもミステリとは書かれていなかったが…“青春と秘密の物語”という説明はミステリと判断して構わないだろう。途中まで読んでいて、“読書”というテーマに特化した、米澤穂信の古典部シリーズ(「氷菓」など)みたいなことをやりたいんだろうなって思った。ここ最近、ハヤカワ文庫を手にする機会が増えた…しかも、先週読んだ、階知彦の「火曜新聞クラブ 泉杜毬見台の探偵」も主人公が新聞づくりをしながら謎解きするミステリだった、まぁ、こちらは日常系の要素が強めなので人は死ななかったけど(「火曜新聞クラブ」を読んでる時に、ミステリは人が死んでなんぼだとか不謹慎な感想をしてたんだけど)。ただ、読書に関する考察はけっこう面白く…各エピードのテーマとして持ち出された古典名作などは、知識として知ってるけどまともに読んだことがないというものが多く、すげー“読書嫌い”の主人公と気持ちが重なりながら読んでしまう場面も。それでいて、しっかりと活字中毒の女子の方が…図書ガイド的にその名作の補足なんかをしてくれるので、ネタになってる作品を読んだ気にもなってしまう。主人公が活字中毒の女子とはまた別の登場人物なんだけど、小説を読む時に“キャラクターの顔などはどうやってイメージするのか?”という論争を繰り広げるあたりは、本好き同志だと逆にあらためてしないトークでもあり、面白く読めた。表紙に描かれてるキャラをそのままイメージしたりとか、イラストのないものについてはアニメのキャラを当てはめてみるとか、“そういうのやるやる”とか思いながら読んでいた。ちなみに“古典部”っぽいなって思ったとたん…急にアニメ「氷菓」の声優さんたちの声が自然に登場人物たちに当てはまっていった(笑)坊主頭で、卓球部で、交換留学生の異国のねーちゃんといい雰囲気になっている主人公の友達なんて、絶対に阪口大助の声がハマると思った(笑)


青谷真未 読書嫌いのための図書室案内(早川書房・文庫)