彷徨捜査 赤羽中央署生活安全課 (祥伝社文庫) [ 安東能明 ] |
ブックオフの古本で入手した安東能明の「彷徨捜査 赤羽中央署生活安全課」を読了…2018年6月発行。いつの間にか“赤羽中央署生活安全課”なんて副題がついてたけど、いつもの疋田係長以下赤羽中央署の面々が活躍するシリーズの4作目。赤羽中央署管内にある教会とスポーツジムで4人の認知症老人が同時に保護される…ただの“徘徊”ではないと判断した疋田たちは、手始めに老人たちの身元を調べ始めるが、なかなか情報が得られない。ようやく1人目の老人の身元が判明したあたりから、ようやく事件の背景が見はじめ、予想外の真相が待ち受ける。認知症問題を皮切りに、そこに年金問題なんかも絡ませた、今回もなかなか社会派なテーマ。保護された老人たちがいったい何者なのか、導入部はミステリアスだったが、中盤は…介護施設の実態を詳細に描くなど、色々と知識は身につくが、前作の「ソウル行最終便」あたりに比べると、やや地味に、退屈に感じてしまう部分もあった。認知症老人たちが、大きな事件に繋がった瞬間は素直に驚いた。最後は主人公の疋田と同じ誰にでも訪れる老いを考える…身体的な健康も大事だけど、それ以上にボケたくないなと。