深町秋生 ショットガン・ロード(朝日新聞出版・文庫) | 勝手に映画紹介!?eigasukiの読書忘備録用ブログ

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何年か前に強制退会トラブルの時に、予備で登録したID。本家ブログの更新を再開しています⇒http://ameblo.jp/eigasuki/ ここでは読んだ本の忘備録を書くつもりです。書籍購入はブックオフ中心なので、新作は少ないかも?

文庫 ショットガン・ロード [ 深町秋生 ]
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ブックオフの古本で入手した深町秋生の「ショットガン・ロード」を読了…2016年5月に単行本で発刊したものが、2019年3月に文庫化されていた。巻末解説も入れ、581ページというなかなかのボリューム。文章量も最近の深町作品に比べると多く感じ、文章自体も密度が高め、読みごたえがあった。ヤクザ世界で有名な殺し屋チームが、謀反を起こし…組のナンバー2をぶっ殺す。その報復として、組が差し向けたのは、かつて同じ殺し屋チームに属し、現在はカタギとしてひっそりと隠遁生活をしていた伝説のヒットマン。そして殺されたナンバー2の息子で、やはり本来はヤクザと距離を置いていたキャバクラ経営者の若者。最初こそ、互いにけん制し合ってばかりだったが…殺し屋チームと壮絶な戦闘を繰り広げる中で、この即席コンビの関係性にも変化が生じていく。とにかく死体の山、山、山…深町印のバイオレンスアクションがノンストップで展開される。最終的には警察も巻き込んだ三つ巴展開になだれ込み、最初の謀反の裏に隠されていた、新たな陰謀なども明らかになる。血なまぐさい話ばかりだったけど…殺し屋と若者の関係性の変化、己のポリシーを貫き通す殺し屋たちの姿に、ホロっとさせられる部分もあったり。そのあたりの匙加減もうまい。巻末解説を担当しているのは映画プロデューサーで、本作「ショットガン・ロード」を映画化したいという熱い思いの丈を語っている…確かに映画になったら面白そうだが、今の邦画界の中途半端な表現では、無理に映像化してほしくないなという気持ちもある。その巻末解説では本作を和製「ミッドナイト・ラン」だと表現していたが、自分の中では…深町秋生版、現代版の「いつかギラギラする日」だと思った。今、この時代に深作欣二が生きていたら、あの頃の役者陣、映画会社のパワーがあったら、この原作と出会うことで、とんでもない傑作が生まれただろう…読書中はそんな妄想に駆られた。


深町秋生 ショットガン・ロード(朝日新聞出版・文庫)