![]() 回帰 [ 今野敏 ] |
今野敏センセイの「回帰 警視庁強行犯係・樋口顕」をブックオフの古本、200円でGET…2017年2月発行、未文庫化。タイトルにもある通り…敏センセイの代表シリーズの一つである樋口顕シリーズの現段階での最新刊だが、実はこのシリーズを小説で読むのは初めてだ。テレビ東京やWOWOWで放送されたドラマ版は観たことがあるんだけどね…。シリーズものはなるべく順番に読みたいタイプなんですけど、敏センセイの作品なら、意外と順番通りに読まなくても、毎回、キャラ設定とかを丁寧に説明してあるので問題ないだろうと思った…予想通り、過去シリーズを読んでなくても問題なく読めたが、やっぱり先にドラマを観てるので、テレ東版の内藤剛志(=樋口)の顔が自然と浮かんできてしまう。話の内容は、樋口の出身大学近くで車が爆発する事件が発生…テロの可能性も視野に入れて、捜査一課だけではなく、公安や特殊班など様々な部署と連携して事件の捜査を行うことになるが、案の定…捜査方針を巡っての対立も生じる。さらには元刑事で、現在は公安に“テロリストの可能性あり”と目されている人物が、樋口の上司に内緒で接触してきていてトラブルの予感。樋口はそれらの件で葛藤を抱えながらも、事件の本質に迫っていく。中盤あたりまでは警察署内でのやり取りが多く、時々、容疑者の尋問が挟まれるんだけど…やっぱり屋内での展開が多い。冒頭の事件発生直後の様子なんかはものすごく臨場感があったし、現場で捜査する様子なんかがもう少しあっても良かったかなとは思う。後半からクライマックスにかけては…テンポよく話が進む。“どうせこういう展開だろう、ある人物の正体はこんなだろう”って思っていて、実際に警察(主に捜査一課)も途中で同じような推理をしたりするんだけど…うまくミスディレクションさせたなと、うまくひっかけられました。公安の管理官がけっこう食わせ物で、いいキャラクターだった。
![今野敏 回帰 警視庁強行犯係・樋口顕(幻冬舎・単行)](https://stat.ameba.jp/user_images/20180916/23/eigasuki2/9a/92/j/o0452033914267272487.jpg?caw=800)