ナックルガール（２０２３年）
アマプラ（会員無料、見放題）で本日より配信が始まった「ナックルガール」を鑑賞…女性ボクサーが行方不明になった妹を探し、アンダーグラウンドな世界へ飛び込んでいくアクションサスペンス。原作は韓国の人気コミックだそうで…韓国人クリエーターと、日本人キャスト、日本ロケで贈る日韓合作作品。パっと見は邦画なんだけれども…生粋の邦画（日本映画）とは、若干、違う空気感も漂っている。そんなわけで、一応、当ブログでのジャンル区分は、邦画ではなくアジア映画扱いにさせてもらう。主演は実写「エンジェル・ハート」で香瑩を演じた三吉彩花。
女性ボクサーの立花蘭は、新人ながら好成績を残し、注目を浴びていた。蘭は離れて暮らす妹・柚希と一緒に暮らすため、成果を出そうと必死に頑張っている最中なのだが、そんな蘭の元に…柚希が自殺したという知らせが届く。警察で柚希の遺体と対面した蘭…しかし、違和感を覚えた蘭は、柚希ではないと主張。担当した刑事はまったく取り合おうとせず、そのまま自殺で処理されてしまう。納得できない蘭は、柚希の所持品の中から、大企業JUNINグループが関わる謎の会員制クラブの存在を突き止める！そこでは違法な格闘技が開催されていて…。
まず、全部が本人の動きではないものの（スタントマンやワイヤースタントも多用されている模様）…主演の三吉彩花がアクション女優として、しっかり存在感を放っている点を大いに評価する。この前、ネトフリで見た、橋本環奈主演の劇場公開作品「バイオレンスアクション」とは雲泥の差、役者とスタッフの本気度が違う。主人公が敵対する巨悪側の伊藤英明と窪塚洋介、それに加えて、出てきた瞬間から胡散臭い、案の定悪徳刑事だった神保悟志という記号のようにわかりやすい悪党たちの演技も、目を楽しませてくれて、本作の気に入った部分でもある。
元ヤンキーの女性ボクサーが、多くの財界人とも繋がる巨大企業営む違法格闘技の世界に足を踏み入れてしまい、命がけの戦いを強いられる、さらには都合よくコンピューターの得意な人物が協力者になったり、死までを偽装した妹の誘拐事件の真相が“アレ”だったり…いかにも漫画っぽい感じなんだけど、実際に漫画原作なんだから仕方がない。そこにリアリティを与えるのが、迫力のアクションと、緩急のある役者陣の芝居なわけだけど…本作はちゃんと成功していた。拳銃を使うシーンもあったけど、ガンエフェクトを納富貴久男さんが担当してるのも◎。
物語の序盤、実際にボクサーとして、主人公がリングの上で戦うシーンも描かれていて、なかなかの臨場感。その後の練習風景などと合わせて…ボクシング映画としても、満足度高め。途中から、妹捜しに一生懸命になってしまい、ボクシングから離れてしまうのだが…この世界観で、女版ロッキー、女版クリードな、もうちょっと直球なスポ根も見てみたいなって思った。個人的に好きなアクションは…タイトルにもなっているナックル（メリケンサック）を嵌めた拳で、三吉彩花が敵の振り回す日本刀をがっつり受け止めるシーン…あそこはめっちゃかっこよかったな。
あと、主人公の元カレが、バイク泥棒のチンピラをブチのめすシーンのアクションなんかも好き。元カレもなかなか男前でかっこいいんだけど…演じている前田公輝って、昔、実写版「ひぐらしのなく頃に」で圭一くんやってたあんちゃんだろ？あの頃は、あまり好きな俳優じゃなかったんだけど（なんかブログでディスった記憶もある）…いい役者になったな。最近、新し目のアマプラオリジナル映画をけっこう見るようになったけど…意外と出来が良くて、ハズレが少ない。本作も想像していた以上に面白かった…アマプラ会員ならタダで見れるので、お薦めですよ！
監督：チャン
出演：三吉彩花 前田公輝 細田佳央太 栄信 三浦誠己 近藤芳正 神保悟志 窪塚洋介 伊藤英明
【アマプラ会員ならタダで見れますよ！】
