半分反則なウインストンチャーチル バブル期のやくざ映画 極道渡世の素敵な面々 | 東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー

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やくざ映画全般、時代劇、馬鹿映画、空手映画が大好き。写真は竜虎一代より鶴田浩二と佐久間良子

皆さんこんばんわ 

 

長い文章を読むのも書くのも苦手な高血圧痛風ステテコ親父です。

今回の記事はウインストンチャーチルが好きな方は120%不快になると思いますので読まないほうがいいです。

 

「ウィンストンチャーチル」

 

 

これは半分反則ですね

ウィンストンチャーチルは全編品よく丁寧な仕上がりになってますが、だからといって映画として面白いかどうかと言えば面白くは有りません。まず整理整頓されすぎています。主役級、脇役、エキストラの人物像、衣装、撮影、美術全般含めて一つの乱れもなく隙がありません。ほぼほぼ遊びがないのです。塵ひとつもないので反対に作られた感が浮き彫りになっているように感じました。ウイキペディアにちかいものがあり実に窮屈です。

 

 

また演説で感動させる力技を多用していて、演説を聞くために映画を撮っている節があり、それ反則技でしょ?と思わずにはいられません。

チャーチルの言葉の力が大きいのは分かりますが映画は言葉を多用しすぎると、陳腐にうつる危険性が出るものですし極力映像でアピールするべきでしょう。本作品の、その他の映像は誠実に真面目に撮っていますが、ゲーリーオールドマンの演説に負けているように思えてなりません。演説は諸刃の刃なのだと思います。ラストショットは、いい画作りをしていますが、演説を際立たせるテクニックと思えば興ざめした次第です。この映画 私的には60点位でした。


 
 
本日の東映映画
「極道渡世の素敵な面々」

1988年 和泉聖治監督
 

 

 

 

さあやってまいりました。ぼんくら魂に火をつける男の教科書 東映映画をご紹介してまいりましょう。今回は80年代バブル期に製作された比較的最近の映画となります。といっても早30年は経っております。

 

ストーリー

元銀行マンの坂井亮は賭けマージャンに負け金が払えずヤクザに袋だたきにされているところを、梓会幹部の中川に拾われ、居候することに。極道の世界の水が合っていたのか、メキメキと頭角を現し始めた亮だったが…
「塀の中の懲りない面々」の安部譲二原作のベストセラーを映画化。チンピラからいっぱしのヤクザになっていく主人公・坂井亮を陣内孝則が、その恋人・圭子を麻生祐未が演じ、さらに室田日出男、本田博太郎、伊東四朗らがアンサンブル演技で火花を散らす。監督は「相棒」シリーズで知られる和泉聖治、真面目でカッコ良くそして哀しい裸のヤクザ世界を実話ならではの迫力とおかしさで描く、“極道版”青春ドラマ。

日下武史っていったい何者なんだ

 

 

私は洋画を見ても東映映画を見ても今更特別驚くことは早々ありません。51歳ともなれば大体は経験しているからです。然しながら本作品の日下武史を見て久々に驚いてしまいました。映画自体は正直可もなく不可もない出来栄えですが日下武史のやくざ役の秀逸さは単に芝居が上手いとか存在感が有るとか、ありきたりの枠では収まりきれないものがあります。やくざ映画の中でこれ程助演が秀逸なものは稀だとおもいますし、非常に高いレベルです。

 

.・.麻雀シーンでの寡黙さから滲み出る凄み
・その後、雨の中での格闘の荒々しい動き
・自宅での陣内孝則に対する暖かみや生活感の出し方
・銭湯における肩の力を抜いた穏やかな表情や仕草
・酒場での立ち振る舞いのぞっとするリアルさの数々
・ビリヤードシーンの滑稽さ
・小料理屋での人恋しい仕草のいじらしさ
・病床での最期の台詞における余韻の深さ


 

 

まさにどれをとっても一級品なのです。身体から滲み出て来るものがその辺の役者とは全く違うものがあります。室田日出男も成田三樹夫も日下武史のまえでは霞んでしまっています。勿論、相手の芝居を壊さず出しゃばりもせず、なにより演技してますオーラの厭らしさは一ミリもありません。やくざ映画だから正当に評価されていませんが、その年の賞を総なめにしてもなんら違和感のないレベルです。

 




因みに映画の中では安藤組長が出演されていました。観客へのサービスですね。撮影は姫田真佐久なので画作りはいいです。

映画の出来は、及第点といったところですね。

陣内孝則は、このまま触れないで終ろうとおもいましたが一言だけ。

勘違いしておりましたね。

 

 

おわり


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