リメンバーミーは良くできている映画だが… 東映映画ボクサーを見て | 東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー

東映映画と殺人事件を追いかけるブロガー

やくざ映画全般、時代劇、馬鹿映画、空手映画が大好き。写真は竜虎一代より鶴田浩二と佐久間良子

皆さんこんにちわ

ツイッター...飽きたなあ(放置中)

ユーチューブ...編集面倒だなあ(放置中)

フェイスブック...どうもやり方分からんなあ(放置中)

なんでもすぐに飽きてしまう、今日も朝早くから洗濯とトイレ掃除には余念がない高血圧痛風ステテコ親父です。

 


※今回の記事は、リメンバーミーのファンは不快になる怖れがあるので、読まない方が良いと思います。
 
「リメンバーミー」

 
私もこういう映画見るんです
 
何度か述べていますが、私の好みの映画は人が殴り合う、銃撃戦、
意味もなく爆発する、人が高いところから飛び降りる等中学生が喜ぶものが基本多いです。ポンコツ映画や胡散臭い映画も大好きです。
 
そういう私がリメンバーミーを見た印象は、素直によくできた映画だなあということです。はい、嫌いではないですしいい映画です。
ですがみんなが言うほど大絶賛するまでにはいたっておりません。
点数でいったら75点くらいでしょうか。75点というのは文句の多い私からしたらこれは珍しい事です。
 
万人に勧めれるってことは
これは仕方のないことですが、あまりにも巧くまとまりすぎています。
こうきたら、次はこうくる、すこし変化をつけるけど最終的には観客が納得する結末になるというお約束感がぬぐいきれません。設計図どうりといったところです。ファミリー映画なのである意味意仕方のないことですが、実にお行儀がいいのです。いい悪い別にしてマーケティングしているのが分かります。枠からはみだす映画が好きなポンコツ親父には引っかかるものがありました。
 
吹き替え版、好印象でした
違和感なく見れて問題ないと思いました。字幕版だとオリジナルを楽しめるという良さがありますが、字幕を目で追いますので画に集中するのが遅くなったり把握に差異が出てきます。こういう情報量が多い映画は吹き替えがいいのかもしれませんね。私は吹き替えで正解でした。因みにディズニーは吹き替えについてもしっかり見極めて厳しいオーディションをするようです。
 

 
 
本日の東映映画
「ボクサー」1977年製作
寺山修司監督
 

 
☆ストーリー
一人はかつて栄光の道を歩いたボクサーで、今は落ちぶれた無口なトレーナー。もう一人は陽の当たる場所を求めて沖縄の貧家から出てきた新人ボクサー。管理社会から疎外された男二人が手と手を取り合って夢に向って這い上がる姿に、裏町の仲間たちの人情と哀感を織り交ぜて、ボクシングを通して闘うことの美しさを描いた感動巨篇。「仁義なき戦い」「トラック野郎」などヒット作を飛ばした菅原文太が自ら企画を立て演出は天井桟敷を主宰する異才寺山修司が初めて商業映画に挑んだ<寺山美学>の傑作。

過去の栄光を追っているのか、今日も熱気と興奮が渦巻くボクシングスタジアムに元東洋チャンピオンの隼譲次の姿があった。隼が天馬と出逢ったのは、隼がの弟が事故死したビル解体工事現場だった。ローラークレーンの故障による不慮の事故で、ローラークレーンを運転していたのが天馬であった。不幸にも同じ工事現場で働く仲間同士の事故で、しかも事故死した隼の弟は同じ職場の女性との結婚を控えていた。天馬もその女性に恋心を抱いたことから「わざとやった」という心ない噂が失意の隼の耳に入る。天馬の真意を確かめようと<涙橋食堂>を訪ねた隼は、天馬がチャンピオンを夢見て沖縄から上京し、ボクシングジムに通っていることを知る。だが足の不自由な天馬はデビュー戦でKOされ深々とマットに沈む。ジムに見捨てられた天馬は隼を訪ねる。「また人を殺すのか」と隼はトレーナーになることを何度も断るが、必死に訴える天馬の熱意に胸を開いた時、隼の顔に笑顔が戻っていた。隼と天馬の血の滲むようなトレーニングが始まる。容赦のない特訓の日々が続いて、2度目のチャンスが天馬に巡ってきた。東日本新人戦にエントリーできた天馬は予選を勝ち抜いて行く。だが隼は足にハンディのある天馬にこれ以上の試合は無理だと天馬を止めさせようとするが、天馬はそれを拒否し夢のチャンピオンへと果敢に挑んで行く。そして遂に、天馬は世界ジュニアフライ級タイトルマッチの前座試合として行われる東日本新人王決定戦のリングに立つ…。
出演は元東洋チャンピオン隼に菅原文太が扮し、ハンディキャップを背負い苛烈なトレーニングに耐える新人ボクサーに清水健太郎が扮し、小沢昭一、名和宏、春川ますみ、伊佐山ひろ子、新高恵子など異色俳優が脇を固め、WBA世界ジュニアフライ級チャンピオン杜氏の具志堅用高ほかファイティング原田、輪島功一、ガッツ石松、西城正三ら歴代世界チャンピオンらも特別出演している豪華キャスト。1977年キネマ旬報ベスト8位。
(昭和52年10月公開東映東京作品)東映ビデオ株式会社から引用

 

 

 

 


お前の明日はどっちだ
 
はい、やってまいりました。今回もボンクラ君の心を鷲掴みにする東映映画をご紹介してまいりましょう。今回は1977年製作の忘れられた映画ボクサーです。この映画はロッキーが公開された年に製作されました。東映お得意の便乗企画は否定しませんが、作品として実に味わい深く詩情あふれるいい映画になっています。
 
企画は菅原文太によるもので彼が監督に寺山さんを指名しています。やはりポイントはこの監督に寺山氏を選んだことにあると思います。
これが東映専属の中島貞夫、降籏康雄、深作欣二などが手掛けると、うまくできたとしても本作品の持っているようなテイストには仕上げれなかったと思います。寺山氏だからこそ成功したとおもいます。
 
75年東映で撮った森崎東あたりもてがけると意外に大化けしたかもしれません。ごった煮映画の名手ですから。
 

 
あの難解な映画しか撮らない監督が大手の東映と組んでどんな映画ができるかといえば、東映の良さと寺山氏の感性が入り混じった、どちらかといえば寺山よりの映画になっています。時折、ハッとするいいショットがあり相性は決して悪くないように思われます。
 
通常ならカットするだろうと思われるシーンが随所に在り、これが通常の撮影所システムで育った監督には決してだせない味になっています。特に名和宏が娘にせがまれて街中でボクシングをするところは物語となんの関係もないのですが、全体をとうしてみるとあまり違和感がありません。もの悲しさが伝わるいいシーンになっております。
 
ラストあたりにも公衆電話をかけるシーンでも寺山マジックが施されておりハッとさせられます。また大きな特徴として彼らを取り巻く人々が描かれますが、印象として全く二つの映画が混在しています。これも通常の監督ならバッサリと切ってしまうところです。個人的には省略してもいいかなと感じました。本作品を30年後くらいに見直すとまた違うのかもしれません。(80すぎてますな)
 
The Boxer (1977) - Shuji Terayama_low_pict_2_2_2
 
 
絶望と再生の物語ではない
 
ボクシング映画というよりは二人の絶望と再生の物語という側面が強いです。ラストも一応ハッピーエンドのような締めくくりになっていますが、私は全く違う印象を受けました。この二人はこの先にボクシングに携わる事はないだろうなあという残酷さなのです。だからこそこのラストのカットは胸をしめつけられるのです。
 

 
おわり
 

 


にほんブログ村