どうも…ショーエイです。
最近、ウクライナ情勢に関してほとんど触れていませんが…
実は正確な情報と思われるものが入ってこないからです。
一応、長期化するだろうという話は、
ほぼ間違いなく先のブログで話した通りです。
【ロシアの戦術はあまり上手では無い…現状】
ウクライナがハルキウを奪還した作戦は、
ほぼ米軍からのアドヴァイスとみて良いでしょう。
ある意味ブリッツ作戦ともいうやり方です。
ブリッツとはアメフトの用語で、
QBを狙って相手ディフェンダーが
一気に突破を賭ける作戦です。
戦争でこれを用いる場合は、
ある程度の兵力を集中させて
雪崩れ込むように突撃する感じに成ります。
敵が突然どっと押し寄せるので、守勢側はかなり動揺します。
ただし…ブリッツ作戦には集中砲火が有効的なので、
実は諸刃の剣とも言えます。
ブリッツ作戦と現代風に言ってますが、
これは武田信玄も使った手です。
いわば三方ヶ原の戦いで、
武田の騎馬隊が一気に押し寄せた作戦がそれに成ります。
これに対して信長は集中砲火という方法で、
逆に長篠の戦いでは対抗したのです。
勿論、ただ単に集中砲火できる場所を設けて
挑む話ではありません。
いわば敵をそこに誘い込み、
敵がそこに向かわねば成らない状況まで
追い込まなければ成らないのです。
長篠の戦いは研究者の間では
まだ武田が無謀な賭けに出たような話に成っていますが、
先ず忘れてはいけないのが、家康の武将酒井忠次の奇襲です。
武田の背後を付くようにして、長篠城を救出した事で、
実は武田軍の退路封鎖したのです。
この封鎖によって、武田軍は寧ろ
狭い山野に陣取る長篠城を攻略して
活路を開かねば成らなくなったわけですが、
いわばそれを挟撃するように織田・徳川の本隊があった。
挟撃される形で織田・徳川の本隊に迫られれば、
どの道全滅は必須だったわけです。
こうした王手飛車取りの様な陣容で、
武田は寧ろ織田・徳川本体と先に決戦を挑む形で布陣したのです。
故にこの時点で信長の手の内に嵌ったという形で、
武田は集中砲火の陣…通説では三弾撃ちの中に突撃したのです。
因みに集中砲火の陣は、鉄砲のみならず弓も含めて、
一斉射撃を行ったものです。
しかし、今回のロシア軍にはその備えが無かった。
また警戒を怠っていた事は考えられます。
【ロシアの南北攪乱が裏目に出た】
まあ、あまり戦争に口を挟むつもりは有りませんが、
本来ヘルソン、ドネツク、ハルキウの三か所で、
ウクライナ軍が集中して守って来る場所を選別して
その隙に三か所の内の手薄な場所に
集中攻撃を仕掛ける手はずだった。
ルハンスクの時の作戦は寧ろ、
南のヘルソン、マリウポリに一旦は敵の目を集中させて、
一気にルハンスク地方攻略に乗り出した感じです。
ただ、流石に米軍のアドヴァイスがある中で、
同じ手口は寧ろ通用せず、
寧ろ7月から8月の膠着状態を用いて、
逆にウクライナ側は秘かに
ハルキウへのブリッツ作戦の準備をしていた。
戦車などの武器を輸送すると
寧ろロシアの衛星に筒抜けに成る事を承知で、
それら兵器は動かさず、
恐らく人員と手運びできるキャリー兵器を移動させ、
一気にそこで攻勢に出たのではと思われます。
寧ろロシアの手の内の逆を用いた形で、
南のヘルソン方面への攻撃を厚めに仕掛け、
それら兵器を残したまま移動したことで
ロシアは不意を突かれた形と成った。
米国が提供した
ハイマースの存在がそれを担ったと思われます。
無論、そこに航空兵器を加える分には、
どこからでも発信可能なため、
恐らくそれはキエフ付近の中間点に置いていたと予想できます。
今回、ウクライナは見事に奇襲作戦を成功させた感じですが…
大失態は、ハルキウで足を止めたことです。
恐らくロシア側に信長の様な頭脳が働くことを警戒して、
足を止めさせた可能性も有りますが、
寧ろもっと押し込む方が
ロシア側の立て直しが難しくなったと言えます。
今後、ロシアがまた立て直してくる事は予想されます。
【ロシアの国情に関して】
ロシアで反戦デモが起ると、
西側メディアは大騒ぎして喜びます。
しかし、己の状況を省みてみると…
米国のイラク戦争でも反戦デモが勃発してます。
どの国でも戦争が起ればその国民の何%かは、
必ずこうした行動に出ます。s
ロシアで起きている状況は
ほぼこれに相当する話と同じと言えます。
むしろ西側のロシア虐め、更には中国虐めが、
ロシア国民感情を逆なでしている。
実はプーチン大統領が言っている事は、
まんざらハッタリではなく、的を得ている話です。
現状、韓国人が日本バッシングすれば、
日本人の反感感情を煽ってしまうのと同じです。
日本やアメリカに居るロシア人は、
半分が西側の情報と価値観に洗脳されて同調しているだけで、
もう半分は本心を隠して社会に上手く溶け込んでいるだけ。
何れにしても西側の人間に聞こえのいい事しか言いません。
この心理は、貴方が会社に不満を持っていても
中々会社の悪口を表立って言えない心理と同じです。
仮にそれが会社の気に触れたなら、
貴方はその会社で何らかの報復を受けるかもしれないからです。
勿論、日本はそういう企業ばかりとは限らないので、
堂々と会社の愚痴を言えてしまう人も多いと思いますが、
ロシア人が日本でプーチン大統領を肯定する発言をすると…
ある意味、ロシア大使の様な姿勢だと、
日本人から総たたきに合う感じに成るのと同じです。
ロシア大使はロシア大使館と言う
ロシアコミュニティーで生きていられるからそれでも良いのですが、
一般社会に溶け込む中では、
かなり肩身の狭い思いを強いられると言えます。
深層心理としてそういう状況の人を見た場合、
ロシア人を敵視する西側の意見に好感を持てるか?
ロシア人=悪者として見られる状況で、
本心で我々の主張に賛同できると思うのか?
結局は表面上でもロシア人としての
アイデンティティを捨てなければ成らない場に居る事だけは
理解してあげても良いのではと思います。
と、は言え…
こうした状態が真実の心理であると考えるなら…
何をもってロシアの状況を悪く伝えても、
結局はぬか喜びでしかなく、
ウクライナ問題の長期化が消し飛ぶわけでもないのです。
【長期化するなかで一進一退の状況でしかない】
現状、ロシアとウクライナは
一進一退の攻防を繰り返している感じです。
今後、ロシアがどのタイミングで動き出すかは今の所不明です。
現状は寧ろ防衛固めをしている段階とも見ます。
逆に防衛を固めたら、ウクライナは今度は攻勢に出にくく成る。
寧ろ攻勢に出れば大きな損害を受けるでしょう。
守る方が易く、攻めるは難し
かと言って…
ゼレンスキーは領土奪還を国民に謳ってしまった以上、
膠着状態はウクライナの士気にかかわる問題ともなってきます。
それ故にどうしても攻勢に出ざるを得なくなる。
こうした駆け引きの中で、本当に両者が冷静に考えだしたら、
かなり状況は長引くことも考えられるわけです。
まあ、ロシアが本当に上手く考えているなら、
現状の占領地で防衛を固める作業に出ているだろうと言えます。
なのでハルキウで行ったブリッツを
ウクライナが止めたのは、
寧ろロシアにとっては幸いだったと言えます。
兵は詭道なり
このブログではよく使う言葉ですが…
今後どういう騙し合いが展開して、
それで双方がどう動くか…
まだまだ長い話に成りそうです。
なので目先の戦禍で浮かれる状態も、
比較的冷笑するかんじで眺めているのですが…
ただ…ロシアもロシアで色々と問題もあるようですと言っておきます。
そこは一部報道で言われている士気の部分かな・・・
現状ロシアには優秀な指揮官らしい指揮官が存在していない。
ある意味、プーチン大統領不運は、
自らの指揮を実行できる指揮官に恵まれていない事では有ります。
現状、ロシアの弱点はここにあり、
寧ろ年功序列、階級序列の軍隊故に、
作戦もオーソドックスに成りがちとも言えます。
逆に米軍の方がフレックスに対応できる組織形態故に、
時折、英雄的な指揮官が登場しやすいのも事実です。
仮にロシアが階級序列を覆して、
フレックスに作戦懸案が出来る状況に成れば、
米軍も恐れるレベルに成ってくるかも知れません、。
ただこればかりは何処で変わるか知らないですが・・・
それでもロシアが守りを固めた場合、
ウクライナが奪還のため攻め込むんで行けば、
徐々に決着がつく状況に成っていく可能性は高いです。