どうも…ショーエイです。
W杯ベスト8戦がいよいよ始まります。
特にどうこうと分析するのはスポーツ紙がやればいい事なので、
あまり言及しません。
フランスvsウルグアイ
ブラジルvsベルギー
ロシアvsクロアチア
スウェーデンvsイングランド
技術的に注目するのは上の2試合。
ロシアvsクロアチアはロシアがスペイン戦に勝って
浮足立っていないかどうかがカギです。
日本代表に対して述べた様に、
自信を持ち始めてチャレンジャー意識が薄れると、
必ず気を抜く場面が生じてそこをクロアチアにやられます。
チャレンジャー意識とはディフェンシヴに成る事では無く、
敵の隙を逃さない様に、敵に迂闊な隙を与えない様に
常に集中力を高めて挑む姿勢です。
人間どうしても自信を持つと何処かでポカをします。
そしてそのポカが原因と成って自信が逆に焦りや恐怖に代わって、
頭を混乱させるのです。
正直、自信なんてモノは能力が至らない人間が
自己暗示で必要とするモノに成っているので、
自信を付けさせるという行為は逆効果です。
「自信を持つ」と言う意味は、
自分自身を磨き上げる為に必要なモノで、
勝負の際は邪魔に成る。
例えるならメッシの様な選手に成れるという自信を持つことは大事です。
その自信の下でメッシに出来る事は俺にも出来る。
そう信じ込んでテクニックを鍛え上げれば、
自ずと近づける。
それを日本人は良く・・・
南米の選手じゃ無きゃあの動きは出来ないとか、
人種が違うと言ってあきらめてしまいます。
根本的にこの部分で自信を喪失しているのが問題です。
その中途半端にあきらめた技術で自信を持たれても、
結局は中途半端なままの戦力にしか成りません。
そういう意味で戦いに於いてはこんな自信は不要に成るのです。
兵法を知っていて兵法を知らない日本人が、
今回のワールドカップを見て良く解ります。
基本中の基本、
「己を知り、彼を知れば百戦危うからず。」
日本人は彼を知ることに全てを集約し、
己に関しては常に過信するのが特徴です。
太平洋戦争に於いてもそれは同じです。
己を知るというのは、
決戦に於いて自分たちに足りない部分を
明確に把握して対策を取るという事です。
サッカーに於いては、常に自らの弱点を知り、
その弱点が付かれない様に神経を尖らせる、
そして弱点を突かれた際に、如何に集中力を高めて
それを阻止するか。
例えば身長の高さ、体の強さで、
クロスからのハイボールに対応できないのなら、
先ずは正確なクロスを上げさせない事に集中する。
まあ、多少この辺は出来ていた様に見えますが、
次にそれでもクロスを上げられたら、
得点されると警戒を強めて、
とにかくボールの軌道に集中する。
人間の集中力は常に最大限に持続させることは不可能です。
それ故にどこで最高潮に高めるかがポイントに成ります。
そしてそれを知っていればスイッチの切り替えが明確に成り、
見えないモノも見えてくる。
日本人は野球にも精通しているので野球のバッティングで説明すれば、
150Km/hの剛速球でも、集中して見ればその軌道は見えます。
打てる打てないは別として、
それを怯えて見ると軌道どころか玉の存在すら見えない状態に成ります。
集中力を高めた状態においては、
それだけ時間が緩やかに進行する感覚に成って来るのです。
これがサッカーに於いて言うなれば、
相手の首の向きからヘディングのコースも判別できる・・・
なんていう状態も見えてきます。
無論DFにしても、一瞬の隙を察して素早いカバーにという事も出来ます。
いわば相手がシュートを打つポイントは、
自分達が齎した隙で、その隙を自ずと察知出来れば、
絶体絶命のコースをカバーする反応は可能に成る。
正直、長友選手の動きだけがこうした点に集中できていたと言えます。
色々な状況変化で隙が生じるのは仕方のない事です。
しかし、隙を生み出してしまった後に、
絶対に通しては成らないポイントを察せるか否かは、
その集中力と判断力に依存します。
これは真剣勝負の武術に於いて、
隙を与えて相手が突いてきた瞬間に、
防御または回避によって致命傷を防ぎきれるか否かのモノと
同じなのです。
サッカーに於いては、
ドリブルで突破された、裏を抜かれたという状況で、
如何にゴールキーパーが安心して反応できるかを
DFが最終的にサポートするかが現代サッカーの特徴なのです。
例えるなら、ゴールの内側はGKに集中させて、
ディフェンスは外側へボールが流れない様にブロックする。
それでも外側へ流れてゴールに結びついたら、
それは相手の技術が一枚上手と割り切る。
ただし、こういう状況下では攻め手も判断が鈍る状況下で、
簡単にゴールさせないという気持が大事に成ります。
相手に簡単にゴールさせないという気持でコース限定プレイを心がければ、
自然、それだけ失点率が下がるという理論です。
要約すれば、
点を取られるなら、簡単なプレイで取られてはダメで、
取られるなら相手のスーパープレイで取られろ。
ベルギー戦の最初のゴールはスーパープレイです。
誰もあそこからヘディングであの軌道によるボールが
飛んでくるとは思えなかったから・・・
しかし、クロスからのヘディングで決められた2点目、
そしてカウンターでやられた3点目は、
ごく普通の得点シーンです。
2点目なのどは、フェライニをフリーにしていた事が、
大きなポカ。
フェライニをフリーにせずに技術で押し切られたのとは
訳が違います。
自分たちの弱点を把握せずに
その警戒心を薄れさせた失点であるのは明白で、
それ以外にもルカクのフリーでのヘディングなど、
ボールが川島の正面に行ったから良かっただけの事を、
守ったと言っている様なレベルでは、
全くスカスカな状態を理解していないと言えます。
先ず、日本人は日本を強くしたいのか、
それとも現状で満足したいのか?
強くしたいのなら敗戦をたたえる前に、
敗戦をしっかり把握しろ!!
正直、過去の敗戦傾向から、
自信を付けた時の日本が崩れやすいのは
何度も繰り返してきた落とし穴です。
それをまた繰り返しているから呆れたのです。
正直、セネガル戦の時の状態が一番よく、
あの状態で戦いを挑めば、
あの2点のチャンスも見す見す逃すことは無かった。
格上相手だからという事は一切関係ありません。
え?W杯に参加すれば良いだけの話なの?
優勝またはそこに近づく事が目標じゃないのか?
まあ、日本の雰囲気はそのレベルに達していないと言えます。
話を戻してそうした精神的な作用を考慮して
ロシアがクロアチア相手にどこまでやれるのかは見ものです。
日本と同じように自信が過信と成ってしまえば、
クロアチアに簡単に崩されるのではと言えます。
そしてスウェーデン対イングランド…
正直、スウェーデンにも頑張ってほしいですが、
政治的な意味で考えると、
イングランドにはもう少しロシアで良い思いをしてもらいたい。
亀裂の入った両国が、W杯を通して少し緩和する環境になれば
望ましいと言えます。
そういう意味でイングランド代表に頑張ってもらいたいと思います。
因みに西野監督は退陣を表明しましたが、
正直な所、「何故続けようとしない」と言えます。
敗戦で意気消沈してしまうような自信だったのなら、
その時点で用済みです。
自信があるのなら自分の手で
もう一度「戦える日本」を作り上げるべきなんじゃないのかな?
それが自信というモノです。
それに反して負けたから辞めるという話では、
彼が選手に与えようとしていた自信は、
単なる過信に終わってしまう事を意味するのです。
まあ、結局、その程度ならさっさと消え去れ!!
悔しいのなら続けて見せろ!!
と…オッサン先生は言っています。
「出来る」というのは過信です。
「出来る様に成る」という気持が自信です。
日本がW杯で優勝できるようになるというのは「自信」で、
日本がW杯で優勝できるというのは「過信」です。
野球のサムライJapanに「自信」だとか「過信」なんて言葉は
必要ないですよね…
ただ一試合一試合を真剣勝負として
勝つための駆け引きに没頭する。
抑える「自信」とか、撃つ「自信」なんてものは関係なく、
抑えなければ負ける、撃たなければ負ける
集中力を高めるスイッチがそもそも違うのです。
そこには個々が「自信」の下で達成した、
メジャーでも通用するという実績が有るからです。
日本のサッカー界もそういう状態になって初めて、
真面に勝負と向き合えると言えます。
それが出来ない内は、
常に挑戦者という立ち位置を自覚して、
如何に最大限に集中して
ミスをしない様に戦い続けるか…
そういう戦い方が求められるのです。
因みに日本で言う「自信」なんて言葉は、
自信の無い人間が欲しがる言葉です。
そんな人間に自信を与えて何になる?
日本総勢で「ゆとり教育」ですか?
手ごたえを探るのは当然で、
その手ごたえが見えない内は確信が持てない。
確信が持てないから自信が無い…
これが日本の脆弱さです。
確信が持てないなのなら確信が持てるまで探り続ける。
そして確信が持てる様に成ると信じ切るのが「自信」です。
簡単に無理だ、無駄だと言い捨てる社会で、
そもそも「自信」をもてる環境には適していません。
そうした中で中途半端なもの同士が
責任を転嫁する意味で「自信を持て」と
おだてる意味で使われているのも事実です。
「背中を押されて」死地に飛び込まされる…
ある意味、日本人のやり方、美談は常にこういうモノです。
そして背中を押す人間は常に自分に自信の無い人間です。
本当の意味で「自信」が有るのなら、
側線して自らが立つモノです。
自分以外に誰がやれる・・・
無論、過信に行ってしまうケースもあり、
海外では逆にこちらの方が迷惑ですが、
日本人は直ぐに責任を誰かに押し付けようとする分、
質が悪いです。
本田選手は自信過剰ですが、
その分の責任は潔く取る姿勢を見せる分、
評価できます。
そういう意味では人間性が大事になるという部分で、
バランスも考慮される話ですが、
日本代表で例えるなら、
柴崎選手の様な貪欲な姿勢、
長友選手の様な向上心、
乾選手の様な割り切り方、
長谷部選手の様な責任感…
これら全てを兼ね備えた人間性をもっと育成すべきで、
社会的にもっと評価するべきです。
因みにこれらを全て兼ね備えているのは、
野球のイチロー選手のみで、
かつては王貞治選手がそれに値します。