
どうも…ショーエイです。
久々に愚痴らせて頂こうと思うのですが…
シリアの和平プロセスに於いて聊か不可解な点が見えてきました。
これに対して国連や欧米諸国が掲げるのは「民主的なプロセス」なのですが…
勝手に同国の憲法を草案して、自分たちの都合のいい勢力だけをターゲットに選挙を模索しようとする行為の何処が民主的なのか?
私個人は戦後の日本におけるGHQの在り方を批難するつもりは無いのですが、
逆に安部ちゃん支持者たちはこの存在と彼らの影響力で打ち立てられた日本国憲法にとても否定的な意見を持っています。
国連や欧米が模索するやり方はこうした気概を同国に植え付けようとしていることに気付いてほしいです。
戦後の日本と違い、シリアの国民は敗戦という意識を持っていません。
また、反体制派が支配している状況下も人口1700万人に対してどの程度の規模なのか…
難民数が400万人で、アレッポという反体制派の都市人口が推定で170万人…
合計して570万人です。
これにプラスアルファ300万人を足して
はじめて870万人の支持…いわば国民の半数を得たことになります。
無論、両者ともに子供も含めた話なので選挙参加者の割合で考えても同じ意味を持つことはご理解いただけると思うのですが…
欧米の強硬な手法は仮に半分の支持(現状反体制派の絶対的支持者は半分に達していない)を得たとしても、もう半分からは反感を持たれる事を意味するわけです。
こうして考えるとリビアのケースなどで理解できる通り、
反感を持つ側が今度は反政府組織として活動をはじめて、
再び不安定な状態を引き起こすだけということが目に見えてわかると思います。
戦後の日本は敗戦ムードという状況もあって、国民のほとんどは従順にGHQを受け入れましたが、アラブ諸国の内情を考慮するとこのような安定的な状態は見込めると思っているのでしょうか?
では…彼らが問題視する現行のシリア憲法はというと…
シリア憲法の日本語版
一部を除き反体制派にとっても公平なものとなっています。
実際にその一部とは
85条の3項に書かれた大統領候補の条件なのですが…
ここに書かれた条件を要約すると、
大統領候補として認められるには、
シリア議会の議員35名以上から支持を得なくては成らないというものです。
ただしこの項目は民主的な意味では不公平では有りません。
実際、アメリカの大統領制においても最終的な決定権は議会より選出された選挙人が投票を決めるとなっており、政治的な経験者がその資質を判断するという過程を設ける状況は問題では無いのです。
いわばドナルド・トランプが最後に直面する共和党の大統領候補に成れないだろう壁が実際に存在するのです。
ただこれが反体制派にとって問題なのは議会に35名以上の支持をしてくれる議員が存在しないという点です。
これが今回アサド氏が議会選挙を強硬に行うとした意図でもあるのです。
民主的プロセスという意味において今回の選挙に反体制派からも参加させて議会に35名以上の人員を送り込める状況を提案した意味にもなり、その上で彼らが独自で大統領候補を打ち立てて、アサド政権と公平な選挙(国連監視による)で戦うのなら民主的なプロセスを受け入れますというアピールでもあるのです。
無論、和平交渉の段階で彼の実施する議会選挙を公平な選挙になるように働きかけるべきだったと考え、そのうえで強硬な憲法草案では無く、民主的な憲法改正の道を模索すべきだったのです。
ある意味、国連のデミストラ特使であり反体制派の人間誰一人としてこれに気付かなかったのは残念というより失望します。
アサドが議会選挙を持ち出した時点で、その選挙を国連監視下で行うとして反体制派の議員を選出するという発想が何故生まれなかったのか。
こうした調整こそアサド側を支持する国民にとっても公平であり、そのうえでアサドが敗北したとしても安定的かつ民主的な状態を構築することが叶ったと考えられます。
ある意味、アラブ諸国に民主的な価値を植え付けるアピールにも成ったはずです。
逆に今の反体制派支持するだけの手法はアラブ諸国にとって欧米諸国(キリスト教思想)の押しつけに感じられなくなるのも事実です。
彼らはこのアサドの行動を一方的に批難して、その選挙は無意味だと主張していることこそ民主的プロセスに対して逆行するものであることに何故気付かないのか…
先ず、民主的プロセスに於いて、アピールするターゲットは我々欧米を含む先進諸国の国民では無い!!
シリア国籍を持つ国民なのだ!!
アサドに対して支持、不支持が両者存在するものの、逆にアサド支持者に配慮した公平さを齎さずして、どうこの国を安定化させるつもりなの!!
こう考えるとシリア国民に対して反体制派よりアサドの方が民主的アピールに於いては一枚上手だったと感じられのも事実です。
これは我々日本人が感じる意味では無く、当事者のシリア国民が感じるという意味においてなのですが…
今回の状況を精査するに、国連特使および欧米諸国の特使、また反体制派の代表、いずれも同国の憲法を全く理解していなかったと判断でき、その程度の能力で新憲法を模索するなど言語道断だとも言える話です。
相手の法律も理解せずに非民主的だと主張するのは学級会レベルですか?

正直なところ…
このまま反体制派をサポートするだけのやり方では、同国内を混乱させ国連や欧米諸国に対する反感を増幅させるだけの事です。
ISを含むテロリストに好都合な状況を生み出しかねないと気付くべきなのでは…
本当に…情けのない話ですよ…