クール・ジャパンの将来・・・ | ショーエイのアタックまんがーワン

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タッグチームLiberteenの漫画キャラクター・ショーエイが届ける、笑えるブログ・ショーエイの小言です。宜しくお願いします。

海外から「クール・ジャパン」なんて、

もてはやされて調子ぶっこいている日本人に

尽く呆れる・・・


企業も業界もこの機会を活かして、

海外に市場展開を目論むなんて発想をしてるけど、

根本的に現地のニーズに合わせた

現地生産という発想自体が大きな間違いだ。


電化製品、車、農作物ならば当然な事だろう。

商社は現地のニーズに合わせた生産を体勢を

マーケティングしなければならない。


しかし、著作物においては逆で、

日本の流行を海外に発信するシステムが理想なのだ。

現状の「クール・ジャパン」

MADE IN JAPANを海外が受け入れつつある構図で、

現地のニーズに合わせた物でなくとも、全く問題ない。


ここで最近では海外市場の拡大を図る為に、

現地に独自の雑誌を立ち上げて、

現地での販売網を構築しようとしている。

作家も現地の人間を取り入れて、

現地の雑誌で書かせる。


一見、発想がグローバルで

有効性の高いものに感じられるだろうが、

根本的に間違っているのは、

このやり方だと現地の人間に

独自のマーケットを与えてしまう

行為でしかないという点である・・・

要するに、現地の作家を現地で育てる

いわば、現地の人気作家を現地で生み出した時点で、

日本の資本である必要性が無くなるという点だ。


これはゲームの市場が良い例で、

アメリカにゲーム作りのノウハウを

与えて現地生産を許してしまった

NINTENDOSONYの失態から考えられる。

ある意味、企業戦略としては正解なのだが、

日本のマーケットの必要性を損ない、

アメリカマーケット、

いわば、アメリカ国内での流行で、

売れ行きが左右される状況を作ってしまった点で

日本のソフトウェアの存在価値がなくなってしまった

、と言えよう・・・


今となっては映画と同じで、

アメリカ市場が世界市場という構図が

ゲーム業界で成立しつつある。

ソフトウェアの規模もアメリカ企業のほうが

それだけ利益効率も高く、

製作費用もそれだけ掛けられるのが現状。

内容重視で製作に時間と資金を掛けた、

作品が豊富に出てきている。


一方で日本の企業は

逆にマーケットのターゲットが

ほぼ国内に絞られる分、

利益効率重視の生産体勢を

強いられる羽目になっている。

資金を注入しても売れる保障が無いため、

中途半端でも人気ブランドを

使いまわしで売る方法を取るしかない。


日本がゲーム市場に於いては、

日本で売れないと海外でも売れないという、

ある意味「市場の錯覚」を展開していたのなら、

今ある優位性は異なっていたとも考えられる。

しかし、情報発信である雑誌社も

バーター方式で、宣伝重視だった故に、

海外の新興勢力が日本をターゲットにした戦略を

見捨てざるを得なくなり、

独自の販売戦略を考えさせてしまった時点で

彼らに独自のマーケットを与えてしまったと分析できる。


今となっては当然の流れと、

諦めてしまっているのが日本人で、

これを日本の大失態、大敗北と

認識する人はいないだろう・・・

しかし、本来はアメリカにゲーム市場まで

奪われてしまった事を反省して、

もっと分析すべきなのではなかろうか。


大きな問題点は、

日本人がグローバル・ヴィジョンに乏しい点にある。

グローバル・ヴィジョンとは、

人がどういう発想に興味を惹かれるかを受け止め。、

それを実現する事で市場が開かれる事を理解する。

そこに国境は無く、ただ熱望があるのみ・・・


単純なことだが、日本人はここに

「それで売れなかったどうする?」

という責任を押し付ける疑問で終わらせる為、

ステップを踏み切れないのが特徴的である。


グローバル・ヴィジョンに於いては、

「どうやったら売れるか?」

を優先的に考える必要がある。

その上で様々なプランを提出させて、

最終的に「行ける!」と思ったものには、

「あとは結果を待とう」という覚悟で、

関係者全員が責任と覚悟を持たねば成らない。


この差が、海外の人材や企業が

日本で活動しにくいといわれる点である。


恐らくゲーム市場に於いては、

日本発信優先でマーケットを構築していたなら、

アメリカ派生の特徴的なゲーム

「オープンワールド・RPG」は

もっと後の世代の産物となっていたのかもしれない。


クール・ジャパンの根幹である

漫画・アニメに於いても同じ失態を繰り返すのか?


世の中には海外のニーズに合わせた

雑誌作りなんて発想が存在するのだが・・・


集英社の少年ジャンプは

アメリカ版のジャンプを創設している。

現地のスタッフを採用して、

現地の作家を育てて展開するなんて考えているらしい。


一見、世界視野を入れた

有効的な戦略に思われるだろうが、

現地の雑誌はあくまで

「発掘」に留めておく必要がある

事を認識せねばゲームと同じ現象を

アメリカに与えてしまいかねない。


グローバル・ヴィジョンで漫画・アニメを展開するなら、

優秀な作家や製作チームは

まず、日本国内で活動させ展開しなければならない。


ここで重要なのは日本人に受けないから、

日本の雑誌では排除するという考え方を

捨てなければ成らないという点である。


アメリカで受ける作品は、日本で受けなくても

日本の雑誌で発信する。

ヨーロッパで受ける作品は、日本で受けなくても

日本の雑誌で発信する。


これを守る事で、漫画・アニメのマーケットは、

日本市場で展開しないと世界に通用しないという

「市場の錯覚」を与える事が出来る。

世界が日本の市場に注目すれば、

そこから発生するファッションや音楽など

様々なコンテンツの展開も自然と追従してくる。

また、ゲーム業界に於いても、

アメリカから発信力を奪い返す事も、

まだ可能となる。


これはアメリカのハリウッドを考えてみて欲しい。

ハリウッドが香港でジョン・ウーを発掘して、

彼にそのまま香港で映画を作らせたか?

否!

アメリカはハリウッドで彼に映画を作らせている。

「RED・CLIFF」ですら、

ハリウッド製作なのだから・・・


日本も漫画・アニメで同じシステムを構築すれば、

「AKIBA」という名称はハリウッドと同じ意義を持ち、

ハリウッドと同じようなマーケットを手にすることが

可能になる。


「クール・ジャパン」という現象は、

そこへ向かう可能性を秘めた現象なのだが、

これを、どう展開するかで

将来、過去の産物となるか飛躍の切っ掛けとなるかが

変わってくるといえよう・・・


もし、日本の雑誌社が

海外の作家やニーズの日本での展開を

現時点で躊躇するなら、

海外の彼らに再び

独自のマーケットを模索しようと

考える余地を与える事になることを

認識せねばならない。


相手に考える余地を与えず、

「錯覚」のまま取り込むシステムを

今すぐにでも発動せねばならない


これが日本に課せられた

課題なのだとという事を・・・


今年中にでも海外作家枠、

アメリカ、ヨーロッパ、中国の3っつを

日本の雑誌に、・・・

「少年ジャンプ」なら18×3の54ページ増やしてでも、

この3枠を今すぐにでも設けるべきなのでは・・・


予算や売れ行きなどの目先にの損得に囚われて、

躊躇してしまうようでは・・・

クール・ジャパンも過去の産物となりえよう・・・