先日新発売となったハセガワの1/72 ザブングルを、早速ざっくりと組んでみました。
組み上がるとなかなかいい感じ。
全体的なプロポーションもよく、スジボリなどのディテールもキレイです。
タイヤのトレッドパターンをたくみな分割でプラパーツで再現しているところもすごいと思います。
合わせ目も、一部残ってはいますが、ほぼゼロと言っていい範囲だと思います。
これはもうザブングルの決定版が出たと言ってもいいのでは、、
と思うでしょ?
いや、それが・・・
お尻のところは白化しています。
なお本キットはスナップフィットのキットなので接着剤は不要。
しかしながら場所によってはハメ合わせ具合が弱いところもあるので、とりあえず今はそういったところはテープで止めてます。
右腕にライフルを持たせると、重さに耐えられなくて二の腕の白いパーツのダボが抜けます。
ただし、ポリキャップなどの関節部分については保持力があるので、二の腕の白いパーツは接着してしまえば解決しそう。
問題はもっとほかにあって、
一番困ったのはモモの付け根の関節。
矢印で示したボールジョイントがすぐ抜けてポージングが難しい。
そのすぐ上にもポリキャップを使った関節があるので、ハッキリ言ってこのボールジョイントは要らないのではないか。
とにかくここがすぐ抜けてポージングが決めにくい。
その上の腰部分のグレーのパーツがまたこころもとなくて、
その板っぺらのようなグレーのパーツにサイドのホイールのパーツをひっかけるという構造。
ホイールの重さはすべてこのグレーの板っぺらで支えてます。
ちょっと薄すぎるような。
すでにこの板っぺらは中央部が白化してます。
また股関節の棒はちょっと長すぎる気がします。
これで本当に支えられるのだろうか、と思ってしまいますが案の定、白化しています。う〜ん。
お尻のカバーの部分はこのようなパーツ構成になっています。
ポリキャップを介して支える仕組み。
しかし組み立て順が決まっていて、まずボール部分にポリキャップを重ねて、
ポリキャップを押さえるパーツをかぶせる。
そしてカバーのパーツをセットする。これが所定の手順。
しかし、ポリキャップを押さえるパーツをカバーのパーツに先につけてしまうと、ボール部分がはまらなくなります。
ポリキャップを押さえるパーツの穴が、ボール部分より小さいためです。
設計した人は多分、抜けないようにするためにこのような設計にしたのだと思うのですが、あとハメできないのはちょっと不便。
ヒザ下に取り付ける白い羽はこのように差し込む。
ぐっと差し込んでこのあたりが適正位置と思われます。
しかしここで行き止まりではなく・・・
さらにぐっと押し込むとここまで来てしまう。
矢印で示したところがくっついているのは適正位置ではない。
しかし適正位置で止まる構造はない。
ほんのちょっとしたところですが、ここはう〜んとなってしまう。
足の固定方法はこんな感じ。
つま先とカカトが別々で動くようになっているのはいいのですが、固定しているのはこの部分のみ。
これだけでつま先とカカトを固定しています。
いや、ちょ、ちょっとまってくれ。
とくにカカトはこのグレーのパーツのみでリンクしています。まじか。
そのグレーの輪っかにぶっとい棒を差し込んで、その摩擦でグラつきを抑える構造なので、棒と輪っかの直径がキツめに調整してあります。
その応力は輪っかに行くので、当然輪っかを引っ張る力が働き・・・白化しています。
足首のボールジョイントを包む左右分割のパーツは、バラけないようにと思ってか、また別の輪っかのパーツをはめて固定する仕組み。
しかしやはりその輪っかが細すぎて白化・・。
腕の付け根は、前方へスイングできる関節があります。
しかしこれがまたやっかい。
付け根部分は胴体の前方でのみ固定するしくみになっているので、背中側の胴体はノータッチです。
その胴体前方の固定用の軸がなんとも心もとない。
車で言うとストラットタワーバーのないマクファーソンストラットのサスペンションのような状態になっていて、できればここはタワーバーの役割をする補強が欲しいところ。
腕はヒジの関節がちょっと気になります。
二重関節になっているのはいいのですが、ここ、ポリキャップだけで支えているのです。
二重関節部分だけを取り出すとこんな感じ。
分解するとこんな感じ。
おわかりいただけるだろうか?
8の字の形をしたポリキャップがありますが、二重関節の接続はこのポリキャップだけで支えているのです。しかもカバーの輪っかのパーツをはめるための切れ込みがついてます。
ガシガシ動かすとちぎれそう。
・・・といった感じで、全体的にはディテールは良くできているし、パーツのハメ合わせも良く、金型的にはとても優秀なクオリティを持っていると思うのですが、できあがった時の強度という点においてはう〜んという感じです。関節の強度はもとより、構造的なものも含めて。
ガンプラのような高度に何年もそれ専用の技術が蓄積されたものと比較してはいけない、とは思うのですが、それにしても、と思ってしまいます。
もっとそれ以前に、設計した人は本当に工作の経験があるのだろうか?と思ってしまいます。
Illustratorでイラストは描けるけど、デッサンを描かせるとからっきし描けない、みたいなものを感じます。
あるいはよほど設計から発売までを急いだか。
とはいえ、これを買うななどと言うつもりなどは全くなくて、
今の時代に、今の金型技術で、ザブングルを製品化してくれたことはとてもありがたいことですから。
逆にそういった部分があればこそチャレンジのしがいがあるというもので。
ビバ、ハセガワ👍
もしも、とーもーと呼べるなら〜
今回は以上〜