今月劇場で観た新作映画が5本、旧作も5本でした。
旧作(同一記事があります)
エクソシスト ディレクターズ・カット版(午前十時の映画祭13)
ミツバチのささやき(午前十時の映画祭13)
007は二度死ぬ(BOND60 007 10作品 4Kリマスター版)
007 ロシアより愛をこめて(BOND60 007 10作品 4Kリマスター版)
女王陛下の007(BOND60 007 10作品 4Kリマスター版)
最近特に「実話の映画化」作品をよく目にする気がしていて、今月は新作5本中4本が「実話」がもとになっている、ということで、ちょっと興味深い傾向だなぁ、と思っています。
まぁ、「実話の映画化」って昔からたくさんありますし、その再現度、どこまで事実でどこからがフィクション?っていう程度の違いは作品ごとにまちまちでしょうから、史実からアイディアを持ってきた、インスピレーションを得たなど、もういくらでも「実話の映画化」を名乗れちゃう、ってのはある。
シナリオが書かれた劇映画の中で描かれたものがすべて史実通りということはほぼない一方で、観客の方は素朴に「全部ほんとにあった」と信じてしまうことが結構あって、そこはわりと危ういな、と思ったりします。
いえ、別に「なんでも疑ってかかれ」と言いたいのではないし、「実話の映画化」作品を叩きたいのでもなくて、映画というのはそもそも「フィクション」だと思っておいた方がいいんではないか、ということです。「事実」が含まれていることもある、と。
そのうえで、作品が描こうとしていること、観客に語りかけていることを各自受け取ればよいのでしょう。
ドキュメンタリー映画だって“演出”は存在するし、そこで映し出されて語られていることが「事実」である保証はなくて、それは観る側がさまざまな条件から「この作り手は信用できる」と判断するから「事実」と見做せるわけです。
何を「事実」と信じて、何を「嘘」や「デマ」と判断するか。その違いをどう見極めればよいのか。
それは、何が正しくて何は間違っているのか、自分の判断力や価値基準を試されているということでもある。一番大切なもの、優先させるべきことは何かが問われる。
観客の立場としては、「映画」それ自体に対しては、たとえ観るべき作品の選択を誤っても命にかかわることじゃないから気が楽ですよね(^o^)
旧作では、「午前十時の映画祭」で50年間に長篇をわずか4本しか撮っていない(しかも4本目は31年ぶりに今年撮られたばかり)スペインの“巨匠”ビクトル・エリセ監督の1973年の長篇初監督作品『ミツバチのささやき』を映画館で観られたのが嬉しかったです。
それから、過去の007映画から10本が選ばれて上映されていて、やはり僕は劇場では初めて観る作品にアガりました♪
来月も素敵な映画に出会えますように。
確実に気温は下がってきている…はずだけどまだまだ暑いですねぇ。秋はどこに行ったんでしょうか(;^_^A
もう10月なんだから、さすがにそろそろ涼しくなってほしいなぁ。