サイモン・ウェスト監督、シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ドルフ・ラングレン、チャック・ノリス、ランディ・クートゥア、テリー・クルーズ、リアム・ヘムズワース、ジャン＝クロード・ヴァン・ダム、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガー出演の『エクスペンダブルズ２』。PG12。
ささきいさおや玄田哲章などのフィックスの声優が声をアテてる吹替版にもちょっとソソられたけど、上映開始時間の都合で字幕版を選択。
ネパールでひと仕事終えたバーニー・ロス（シルヴェスター・スタローン）率いる“エクスペンダブルズ（消耗品軍団）”の面々はアメリカに舞いもどるが、休む暇もなくさっそく腐れ縁のチャーチ（ブルース・ウィリス）にアルバニアの山中に墜落した輸送機から重要な機密の入った［ケース］を回収するよう命じられる。
以下、ネタバレあり。
2010年公開の『エクスペンダブルズ』の続篇。
監督は前作のスタローンから、『コン・エアー』や『トゥームレイダー』のサイモン・ウェストにバトンタッチ。
80年代から現在までのアクションスターたちをあつめた“男祭り”がふたたびはじまる。
そして今回は、前作でも出演を依頼されたが見送ったジャン＝クロード・ヴァン・ダムが満を持して悪役として登場。
その名もヴィラン(Villain【悪役】)って、そのまんま！！(≧▽≦)
また、前作ではほんとにワンシーンの顔見せだけだったブルース・ウィリスとアーノルド・シュワルツェネッガーが後半に合流。エクスペンダブルズのメンバーたちとともに銃を手にヴァン・ダム一味と戦う。
前作ではスタ、シュワ、ウィリスの３人がけっしておなじフレームに入らない不思議なキャメラワーク（別撮りともいう
）だったけど、今回は何度も３人でいっしょに映る。
そしてかつてブルース・リーに胸毛をむしられた男、「地獄のヒーロー」ことチャック・ノリス（御年72）も『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲とともに参戦。
なんかもうスゴいことになってますが。
ブルース･リー vs. チャック･ノリス ボイ～ン 必殺胸毛むしり！
前作はR15+だったのが今回はPG12で血の量は減ってるけど、ノープロブレム。
ザラついてときどきフォーカスが合ってないような画面はあいかわらずだが、やたらとカットを刻んでキャメラも振り回しまくってた前作にくらべると格段に見やすくなっている。
中身は無いっ。でもハッキリいって前作より好き！
メンバーの一人、テリー・クルーズは安定のムードメーカーぶりだし（飛行機のなかで眼鏡かけて読書してるランディ・クートゥアがちょっとカワイイ)､前作ではスタローンを裏切って暴れてたドルフ・ラングレンは演じてる本人も役柄でもインテリなのにまったくそうは見えなくて、みんなに笑われるデカブツ役を引きつづき好演。
動けるハゲ、ジェイソン・ステイサムの格闘も快調。ほかの奴らはみんなひたすら撃ちまくるか殴りあうだけなんで、彼が一人でジェットの代わりを担っている。
一応、シュワちゃんやブルース・ウィリスたちの見せ場もある。
スタローンvs.ヴァン・ダムは､まさに夢の対決でしょう。
もっとも、シュワ＆ウィリスはほぼお笑い要員みたいな存在だし（ダイハツのミライースみたいな小型車に乗ったりしてる)､期待してる人には気の毒だが、ヴァン・ダムもけっこうあっちゃりヤラれちゃうんだけどね。
ジェット・リーも冒頭で自分の仕事を終えるとさっさと退場するし。
１作目にくらべて野郎どものダベりシーンが少々あっさりしてたのが寂しいけど（しかも今回はタトゥー屋のミッキー・ロークは欠席)､その分余計な場面はいっさいないタイトな作りでストーリーはさくさくと進み（上映時間103分)､ヴァン・ダムともあっというまに決着がつく。
冒頭で敵に捕まってたシュワちゃんはいったいどうやってあそこから逃げたのか（スタローンたちに同行してなかったし)､でもってそのあとどうやってアルバニアまできて主人公たちの居場所がわかったのか。
それはブルース・ウィリスもチャック・ノリスもおなじなんだが、
…そんなこたぁどーだっていいんだよ！！！
もう、筋肉伯父貴たちが暴れまわってくれればマイペンライ。
わざとらしいＶＦＸは使わず、80～90年代のアクション物のような見せ方に徹してるのが嬉しい。
「もだえて眠れ」「ガチが一番」などの名言やセルフパロディ（テリー・クルーズがシュワに「（貸した武器を）傷つけたら溶鉱炉で溶かすぞ“terminated”」、シュワ「もどったぜ“I'm back.”」「すぐもどる“I'll be back.”｣ウィリス「もどりすぎだろ」シュワ「イピカイエー（くそったれ）」などほとんどシュワとウィリス関連）もいっぱい。
今回は女性もちゃんと戦う。
役名が“マギー・チャン”だけど、ジャッキー映画に出てたあの女優さんではない。
ヴァン・ダムの手で命をうばわれ、それをきっかけにバーニーたちがヴァン・ダム一味と戦うことになる仲間のひとりビリーを演じているのは、アヴェンジャーズの一員の“カミナリ様”マイティ・ソー（クリス・ヘムズワース）の弟、リアム・ヘムズワース。
たしかにロキと違って兄ちゃんそっくり。殺されちゃうのが残念。
シンプルこのうえないストーリーとシンプルこのうえない戦い。
頭カラッポにして観られました。
シュワちゃんが「アイル・ビー・バック」というと、となりで観てた70代ぐらいのおじいちゃんも声あげて笑ってた。
不満としては、やはり「世紀の対決！」にしてはヴァン・ダムが弱すぎたってのがある。
一方的に殴られてヘタっちゃってるんだもの。
スタローンへの遠慮からか、ヴァン・ダム自身の衰えなのかわからないけど、あそこはもうちょっといろいろ技を披露してほしかったなぁ。股割りキック２発だけじゃあまりに物足りない。
まぁ、スタローンはとにかく殴りあうだけの人だしヴァン・ダムも意外と技のヴァリエーションがない人だから、このふたりがぶつかっても間がもたなかったのかもしれないけど、それでも『コマンドー』でのシュワちゃんとベネットぐらいの見ごたえのある戦いを期待してたんで、そこんとこはおおいに肩すかし食らった感じでした。
ヴァン・ダム vs. セガール
こっちの方が燃えてしまう。決着はつかないが。
でも、とにかくこうやってアクションスターたちが一堂に会して中学生みたいな会話したり、殴りあったりするのを観てるとなんとも愉快。
３作目にはニコラス・ケイジ登場、なんて噂もあるけど、こんな感じでアクションスターや有名俳優たちがこれからもどんどん出てくれたらいいな。
特濃の男汁あふれるというよりも、一服の清涼剤のような爽快な作品でしたよ。
あ、今回はエンドロールにはナガブチの「ガマンがならねぇ～♪」歌は流れませんでした
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