不動産ほど確固とした担保ではないにせよ(もっとも、米国ではテキサス、ジョージア、ワシントン、オクラホマ各州にみられるとおり、土地といえども購入価格以下に暴落することが充分ありうる国柄である。日本のように半永久的に地価が上昇を続ける国というのはきわめて稀有な例として国際的に考えられている点は銘記すべきである)、自動車ローン、クレジ″トーカード債権、機械・コンピュータ・設備、はては通信衛星のリース料金までが証券化された。
打込氏によればオート・ローンはCARSと略称され、八五年投資銀行の雄、ソロモン・ブラザーズがマーケティング・アシスタンス社のための私募債1000万ドルの発行を、同年、マリン・ミドランド銀行が公募6000万ドルを発行したのを皮切りに、八六年末ではゼネラル・モーターズの金融子会社GMAC社(同社は三〇〇億ドルものCP発行体で、全米のCP発行市場の一割を握っている金融大会社である)はすでに三八億ドルものCARSを発行している。