今日は仕事中に現場から総務まで連絡があった。
部下が電話対応をして、電話の後報告を受けた内容が、「社員が悪霊に憑りつかれて助けてほしいそうです。どうしましょうか」だった。
思わず聞き返してしまった。
今まで15年近く人事をしているが、悪霊に憑りつかれたというのは初めての経験。
とりあえず現場に向かうと既に複数の社員が取り巻いている状況だった。
事情を聞くと、どうやら職場でその社員が急に子供のようなしゃべり方になって、子供のような行動をとり始めたとのこと。
その社員はいつも御守りのネックレスをしているのだが、そのネックレスを外してしまったので、子供の霊が憑りついてしまったと説明を受ける。
またその子供の霊は近くの工業団地の通りで不幸にして事故にあって無くなった子供で、会社内ではそこそこ有名な話とのことだった。
そうこうしていると、たまたま近くの現場の社員が悪霊を退治できるスキルを持っているとのことで、その場でお祓いをしてくれた。
少し踊ったり、呪文をとなえて、最後は相手の額近くに手をかざして、ハッと力を入れると、驚いたことに社員が正気を取り戻した。
そのまま会社の医務室に連れて行って、いったんは終息した。
上司にもこのことを話すと、それは絶対薬をやっているとの話になったので、急遽薬物検査を実施した。
結果は陰性で、薬物利用では無いことが分かった。
生きていると本当に色々なことがあるなと思った。
また、タイは信心深い人が多いため、これもカルチャーの違いなんだろうなと学ぶことができた。
余談だが、他社を経験しているタイスタッフから、他社でも似たようなことがあったと聞いた。
そしてこういった現象は給料日前によく起きるとのことだった。
特にお金の工面に苦労している社員がなることが多かったという。
後で話を聞くと、今回悪霊に憑りつかれた社員はプライベートで金銭トラブルにあってメンタルに負荷がかかっている状況だったとのこと。
そういったストレスがこういうかたちで出ているのだと思うが、日本人ではうつ病などでストレスの形がでるが、信心深いタイではこういったかたちで症状が出るのかもしれない。
病気では無く、悪霊のせいとして取り扱う、そしてお祓いで回復する、これはこれで一つの心理療法なのかもしれない。
結局、心の認知の在り方をどうやって自身にとって良い方向に変えるのかがメンタルヘルスに重要なため、それがお祓いというかたちで解決するのなら、結果オーライなのかなと感じた。