7個目の夢
「私も、不完全なんです。でも、私は、彼らのように死亡証明書を誰からも受け取ることが出来なかった。だから、こうして自分の魂の残量が尽きるその日まで、UGで貴方がたの魂を見送るのです。」
貴方は死に神を見たあと、机の上に置かれている死亡証明書を見つめる。
「そして、彼らは死亡証明書を受け取らず、生を受けることもなく、UGに存在することもなく、何処か遠い場所へと消えていった。」
これからの未来を決めるの自分自身。
貴方は死亡証明書に視線を落としたまま、死に神の説明を受けている中、思ったことを口にした。
「私に貴方を助けることはできないのかな。」
貴方の言葉に死に神は無表情であったが、少し考えた後に、貴方のほうへ向き直る。
「何を・・・仰っているのですか?」
「だって、貴方だって死亡証明書を受け取れるはずでしょう?ということは、UGで春たちみたいに空間を越えて探索していれば、いつかは貴方の記憶の欠片に出会える気がするんだよ。」
そう言って貴方は死に神の手を取ると、笑ってみせた。
「レイチェル!私と探索しよう!で、お互いの記憶を綺麗に修復して、それからのことはその時に考えよう?」
笑ってそう言う貴方に死に神は相変わらず無表情だったが、クスッと笑うと、貴方の手を握り返した。
「私の記憶を探すのは大変ですよ?何せ、もう何千年と昔のことですからね。」
「いいじゃんいいじゃん。何処までも付き合うよ。」
握り返したのと同時に、隠し部屋にあった氷付けにされた人の氷が亀裂が入って砕け散った。
それと同時に死に神の姿が、氷付けにされていた人と同じ姿に変わっていく。
「私の名前は・・・―――」
UGから死に神が消えた。
「俺さ、死後の世界ってあるような気がするんだよねー・・・。」
「どうしてそう思うのですか?」
「俺も思います。何故かは分かりませんが、あるような気が。」
「僕も・・・・・・。」
貴方は死に神を見たあと、机の上に置かれている死亡証明書を見つめる。
「そして、彼らは死亡証明書を受け取らず、生を受けることもなく、UGに存在することもなく、何処か遠い場所へと消えていった。」
これからの未来を決めるの自分自身。
貴方は死亡証明書に視線を落としたまま、死に神の説明を受けている中、思ったことを口にした。
「私に貴方を助けることはできないのかな。」
貴方の言葉に死に神は無表情であったが、少し考えた後に、貴方のほうへ向き直る。
「何を・・・仰っているのですか?」
「だって、貴方だって死亡証明書を受け取れるはずでしょう?ということは、UGで春たちみたいに空間を越えて探索していれば、いつかは貴方の記憶の欠片に出会える気がするんだよ。」
そう言って貴方は死に神の手を取ると、笑ってみせた。
「レイチェル!私と探索しよう!で、お互いの記憶を綺麗に修復して、それからのことはその時に考えよう?」
笑ってそう言う貴方に死に神は相変わらず無表情だったが、クスッと笑うと、貴方の手を握り返した。
「私の記憶を探すのは大変ですよ?何せ、もう何千年と昔のことですからね。」
「いいじゃんいいじゃん。何処までも付き合うよ。」
握り返したのと同時に、隠し部屋にあった氷付けにされた人の氷が亀裂が入って砕け散った。
それと同時に死に神の姿が、氷付けにされていた人と同じ姿に変わっていく。
「私の名前は・・・―――」
UGから死に神が消えた。
「俺さ、死後の世界ってあるような気がするんだよねー・・・。」
「どうしてそう思うのですか?」
「俺も思います。何故かは分かりませんが、あるような気が。」
「僕も・・・・・・。」
6個目の夢 2
俺は続いて紫の蝋燭に手を伸ばした。
「賢吾ォッ!!逃げろ!!」
追いかけてくる敵を撃ち落としながら俺は賢吾という仲間に呼びかける。
「 !!でもお前は・・・!!」
「生きてたら、会おうぜ!」
俺がそう言うと、賢吾は一瞬泣きそうな顔をし、瞳に迷いを見せたが、しっかりと瞳を据えると頷いた。
「・・・ッ!絶対だからな!!生きて帰って来いよ!!」
賢吾が走り去る中、俺の視界は目の前に広がる爆弾の山。
明らかに1人では解除しきれない量が設置されていた。
その爆弾に向かいひたすら銃弾を打ち込み、爆弾の時間を止める。
打ち続けることで減る銃弾。
リロード時間も惜しいため服のしたから次々に予備の銃を取り出しては使いきり、投げ捨てる。
そして最後はレーザーガン。
そいつで最後のひとつを打ち抜こうとした瞬間、視界は赤々と染まった。
『・・・死んだのか?お前・・・・・・。』
まだかすかに息がある俺にシェリルが呼びかける。
もちろん聞こえているはずなんかないのだけれど。
『・・・・・・殺さなければ、俺は殺られる。だから、引き金を引いたんだ。』
そう言って俺が使っていた拳銃を拾い上げ、じっくりと見ていた。
『けれど・・・本当はどこかで死にたい。そう思っていた。それは、お前もだろう?』
そう。俺も死にたいと思った。
どうして俺が、人を殺さなければいけないのか、組織に入った頃は考えもしなかったけれど。
今思うと、理由が分からなくて、混乱していた。
人を殺すことに罪悪感を覚えなかった今までの俺が不思議でたまらなかった。
『だから、俺はお前を、殺したんだ。』
そう言いながら、シェリルは自分のこめかみに銃を突きつける。
『でも死にたいのはお前だけじゃない。俺もだ。』
「俺の罪悪感や残忍性から君は生まれたんだね・・・ごめんね。シェリルも苦しかったんだね・・・。」
紫の蝋燭は消えていった。
「さて、最後にカイトの黄色の蝋燭ですが。」
死に神が黄色の蝋燭を持ち、俺に言う。
「カイトに罪の記憶はありません。」
「・・・どうして?」
「カイトは、貴方が生まれる前の記憶の一部。純粋でまっさらなままの貴方の記憶。いわば、何も記録されていないメモリーカードのような状態です。」
そういわれて、そっと手渡される黄色の蝋燭。
生まれる前の記憶だから、特に俺の記憶もカイトの記憶も再生されることなく、蝋燭が消えた。
――貴方、私子供を授かったの――
――そうか!よくやった!!――
――それでね、名前を決めようと思うの――
――予定日は?――
――予定日は春・・・だから・・・この子の名前は・・・――
「俺の名前は・・・春。」
室内が万華鏡のようにキラキラと輝き変わる。
気がつけば、死に神の書斎だろうと思われる場所に俺と死に神、カイト。
そして、シェリルたちが並んでいた。
「・・・これで晴れて貴方の記憶は繋がった。残忍性から生まれたシェリル。それは貴方の剣。」
「虚無感から生まれたウェルダー。それは貴方を守るための盾。」
「強制された学問から生まれたノエル。それは貴方の知識。」
「生まれる前の貴方から生まれたカイト。それは貴方の道標。」
一言ひとことを区切りながら死に神は言う。
その言葉に1人ひとりしっかりと春を見る。
「貴方の名前は、春。これで、貴方は死亡証明書が受け取れる。」
死亡証明書に俺の名前を書き、卒業証書のように筒に入れられたそれを差し出された。
これを受け取ってしまえば、俺は生を再び受けるために、再生へと向うことになる。
でも・・・
「なぁ・・・これを受け取ったら・・・シェリルたちはどうなるんだ?」
俺の質問に俺以外の皆がきょとんとした表情でいた。
しばらく死に神は黙っていたが、一言
「消滅します。」
と、言った。
「・・・・・・それって、何か・・・おかしくないか。」
「何を言っているのです?所詮彼らは貴方の記憶の一部が具現化したようなもの。次に生を受けるときにはもう不必要なものです。」
「記憶ってさ。無いと駄目だって言ったの・・・そっちだろ・・・?せっかく集めた記憶なんだぜ?なのに、不必要って何?そりゃあ、次の生を受けたときに、人を殺してきた記憶とか、薬漬けされた記憶とかいらないよ。ずっと過去の記憶に悩まされて、苦痛かもしれない。けれど・・・彼らにだって・・・元々は俺かもしれないけれど、ここに存在してるんだ・・・1人の、存在として。」
俺の言葉にシェリルたちが目を見開く。
「記憶の欠片を集める中、俺のことを必死になって守ってくれた・・・それでも・・・不要?不要なんかじゃないよ!!俺にとっては大切な仲間なんだよ!そんな仲間を消滅の一言で片付けるなよ!!!」
俺は死に神の手から死亡証明書を叩き落した。
まさか払われてしまうとは思ってもいなかったのか、死に神は驚いた様子で、どうすればいいのか分からないといった感じだ。
「所詮死に神さんは、魂が早く片付けばいいなってしか思っていないんだな。」
「・・・・・・そういわれると、返す言葉もありません。それが死に神の仕事なので・・・。」
今まで無表情か微笑しか浮かべていなかった死に神の表情が不安と迷いの色に染まっていく。
でも声は落ち着いたままで喋り続ける。
・・・もしかして、この死に神は・・・――
「・・・アンタ、もしかして、自分の感情が分からないのか?」
俺の問いかけに死に神は理解できていないようで首をかしげる。
「感情・・・?」
「そうか。アンタには感情が分からないんだな。」
そう言って死に神を抱き寄せる。
突然の俺の行動に死に神は戸惑いを隠せず、困惑の表情を見せる。
「意味を理解できないのですが。」
「・・・いいよ。別に理解してくれなくても。でもさ、俺はいつかアンタが感情を理解してくれればいいと思う。」
可哀想。この死に神は自分のことすらわかっていなかったのに、俺たち魂を導き続けてたんだな・・・。
でも、この死に神は俺の記憶の一部じゃない。
だから、死に神のことを知ることができない。
「・・・春・・・貴方は死亡証明書を受け取らない・・・それでいいのですね・・・?」
「ああ。構わない。」
「・・・受け取らないということは、二度と生を受けることは出来ないのですよ。」
「・・・構わない。俺は、皆と一緒にいられるなら。それで。」
シェリルたちも死に神を囲むようにして自らの死亡証明書を死に神へと返した。
「こんな私でも、シンは必要としてくれる。」
「俺だって、シンと分かれたくない。」
「自分・・・もう会えない・・・寂しい。」
「やっと出会えた私。沢山私とおしゃべりをしたい。」
シェリル、ウェルダー、ノエル、カイトの順にそう言うと、俺のほうへと下がる。
死に神は受け取ってもらえなかった死亡証明書を拾い上げると、テーブルの上に乗せた。
「・・・ならば、お行きなさい。私には、もう・・・貴方たちを導く必要はないですから・・・。」
何処か寂しげに言う死に神。
それを俺は見逃さなかった。
そして俺たちは再生の望まず、輪廻の輪から出て行った。
UGに1人残された死に神。
助手であったカイトすら鋳なくなった今、本当の意味で1人になった。
「・・・・・・私も貴方たちのようでありたかった。」
死に神が書斎の本棚の後ろにある隠し部屋を開いて、そこにあるものを見る。
部屋の中にあったのは、凍り付けられた人。
よく死に神に似ている。
「・・・・・・私も、いつかここから抜け出したい。」
笑いながら死に神は泣いていた。
「賢吾ォッ!!逃げろ!!」
追いかけてくる敵を撃ち落としながら俺は賢吾という仲間に呼びかける。
「 !!でもお前は・・・!!」
「生きてたら、会おうぜ!」
俺がそう言うと、賢吾は一瞬泣きそうな顔をし、瞳に迷いを見せたが、しっかりと瞳を据えると頷いた。
「・・・ッ!絶対だからな!!生きて帰って来いよ!!」
賢吾が走り去る中、俺の視界は目の前に広がる爆弾の山。
明らかに1人では解除しきれない量が設置されていた。
その爆弾に向かいひたすら銃弾を打ち込み、爆弾の時間を止める。
打ち続けることで減る銃弾。
リロード時間も惜しいため服のしたから次々に予備の銃を取り出しては使いきり、投げ捨てる。
そして最後はレーザーガン。
そいつで最後のひとつを打ち抜こうとした瞬間、視界は赤々と染まった。
『・・・死んだのか?お前・・・・・・。』
まだかすかに息がある俺にシェリルが呼びかける。
もちろん聞こえているはずなんかないのだけれど。
『・・・・・・殺さなければ、俺は殺られる。だから、引き金を引いたんだ。』
そう言って俺が使っていた拳銃を拾い上げ、じっくりと見ていた。
『けれど・・・本当はどこかで死にたい。そう思っていた。それは、お前もだろう?』
そう。俺も死にたいと思った。
どうして俺が、人を殺さなければいけないのか、組織に入った頃は考えもしなかったけれど。
今思うと、理由が分からなくて、混乱していた。
人を殺すことに罪悪感を覚えなかった今までの俺が不思議でたまらなかった。
『だから、俺はお前を、殺したんだ。』
そう言いながら、シェリルは自分のこめかみに銃を突きつける。
『でも死にたいのはお前だけじゃない。俺もだ。』
「俺の罪悪感や残忍性から君は生まれたんだね・・・ごめんね。シェリルも苦しかったんだね・・・。」
紫の蝋燭は消えていった。
「さて、最後にカイトの黄色の蝋燭ですが。」
死に神が黄色の蝋燭を持ち、俺に言う。
「カイトに罪の記憶はありません。」
「・・・どうして?」
「カイトは、貴方が生まれる前の記憶の一部。純粋でまっさらなままの貴方の記憶。いわば、何も記録されていないメモリーカードのような状態です。」
そういわれて、そっと手渡される黄色の蝋燭。
生まれる前の記憶だから、特に俺の記憶もカイトの記憶も再生されることなく、蝋燭が消えた。
――貴方、私子供を授かったの――
――そうか!よくやった!!――
――それでね、名前を決めようと思うの――
――予定日は?――
――予定日は春・・・だから・・・この子の名前は・・・――
「俺の名前は・・・春。」
室内が万華鏡のようにキラキラと輝き変わる。
気がつけば、死に神の書斎だろうと思われる場所に俺と死に神、カイト。
そして、シェリルたちが並んでいた。
「・・・これで晴れて貴方の記憶は繋がった。残忍性から生まれたシェリル。それは貴方の剣。」
「虚無感から生まれたウェルダー。それは貴方を守るための盾。」
「強制された学問から生まれたノエル。それは貴方の知識。」
「生まれる前の貴方から生まれたカイト。それは貴方の道標。」
一言ひとことを区切りながら死に神は言う。
その言葉に1人ひとりしっかりと春を見る。
「貴方の名前は、春。これで、貴方は死亡証明書が受け取れる。」
死亡証明書に俺の名前を書き、卒業証書のように筒に入れられたそれを差し出された。
これを受け取ってしまえば、俺は生を再び受けるために、再生へと向うことになる。
でも・・・
「なぁ・・・これを受け取ったら・・・シェリルたちはどうなるんだ?」
俺の質問に俺以外の皆がきょとんとした表情でいた。
しばらく死に神は黙っていたが、一言
「消滅します。」
と、言った。
「・・・・・・それって、何か・・・おかしくないか。」
「何を言っているのです?所詮彼らは貴方の記憶の一部が具現化したようなもの。次に生を受けるときにはもう不必要なものです。」
「記憶ってさ。無いと駄目だって言ったの・・・そっちだろ・・・?せっかく集めた記憶なんだぜ?なのに、不必要って何?そりゃあ、次の生を受けたときに、人を殺してきた記憶とか、薬漬けされた記憶とかいらないよ。ずっと過去の記憶に悩まされて、苦痛かもしれない。けれど・・・彼らにだって・・・元々は俺かもしれないけれど、ここに存在してるんだ・・・1人の、存在として。」
俺の言葉にシェリルたちが目を見開く。
「記憶の欠片を集める中、俺のことを必死になって守ってくれた・・・それでも・・・不要?不要なんかじゃないよ!!俺にとっては大切な仲間なんだよ!そんな仲間を消滅の一言で片付けるなよ!!!」
俺は死に神の手から死亡証明書を叩き落した。
まさか払われてしまうとは思ってもいなかったのか、死に神は驚いた様子で、どうすればいいのか分からないといった感じだ。
「所詮死に神さんは、魂が早く片付けばいいなってしか思っていないんだな。」
「・・・・・・そういわれると、返す言葉もありません。それが死に神の仕事なので・・・。」
今まで無表情か微笑しか浮かべていなかった死に神の表情が不安と迷いの色に染まっていく。
でも声は落ち着いたままで喋り続ける。
・・・もしかして、この死に神は・・・――
「・・・アンタ、もしかして、自分の感情が分からないのか?」
俺の問いかけに死に神は理解できていないようで首をかしげる。
「感情・・・?」
「そうか。アンタには感情が分からないんだな。」
そう言って死に神を抱き寄せる。
突然の俺の行動に死に神は戸惑いを隠せず、困惑の表情を見せる。
「意味を理解できないのですが。」
「・・・いいよ。別に理解してくれなくても。でもさ、俺はいつかアンタが感情を理解してくれればいいと思う。」
可哀想。この死に神は自分のことすらわかっていなかったのに、俺たち魂を導き続けてたんだな・・・。
でも、この死に神は俺の記憶の一部じゃない。
だから、死に神のことを知ることができない。
「・・・春・・・貴方は死亡証明書を受け取らない・・・それでいいのですね・・・?」
「ああ。構わない。」
「・・・受け取らないということは、二度と生を受けることは出来ないのですよ。」
「・・・構わない。俺は、皆と一緒にいられるなら。それで。」
シェリルたちも死に神を囲むようにして自らの死亡証明書を死に神へと返した。
「こんな私でも、シンは必要としてくれる。」
「俺だって、シンと分かれたくない。」
「自分・・・もう会えない・・・寂しい。」
「やっと出会えた私。沢山私とおしゃべりをしたい。」
シェリル、ウェルダー、ノエル、カイトの順にそう言うと、俺のほうへと下がる。
死に神は受け取ってもらえなかった死亡証明書を拾い上げると、テーブルの上に乗せた。
「・・・ならば、お行きなさい。私には、もう・・・貴方たちを導く必要はないですから・・・。」
何処か寂しげに言う死に神。
それを俺は見逃さなかった。
そして俺たちは再生の望まず、輪廻の輪から出て行った。
UGに1人残された死に神。
助手であったカイトすら鋳なくなった今、本当の意味で1人になった。
「・・・・・・私も貴方たちのようでありたかった。」
死に神が書斎の本棚の後ろにある隠し部屋を開いて、そこにあるものを見る。
部屋の中にあったのは、凍り付けられた人。
よく死に神に似ている。
「・・・・・・私も、いつかここから抜け出したい。」
笑いながら死に神は泣いていた。
6個目の夢
気がついたら、俺は何故か、カイトに連れられて、死に神がいるという屋敷に連れてこられた。
真っ白な床。真っ白な壁。真っ白な家具。真っ白なシャンデリア。真っ白なティーカップ。
流石に紅茶までは真っ白ではなかったが。
そんな真っ白空間の中、1人待たされていると、本当に自分が死んでしまったのかと考えてしまう。
しばらくして、カイトが扉をあけ、誰かに頭を下げて誰かを先に室内へと入れた。
灰色の髪に純白のYシャツに黒のベストとズボン。足元は黒の編みこみブーツ。
首元の赤いリボンが印象的。
前髪が長すぎて目元が全く見えないが、彼がこちらをみて、口元を微笑ませた。
「初めまして、シン君。私は死に神・・・レイチェル。」
そう言って、対面するように座るレイチェルに俺は頭を下げると、そういう細かい挨拶は必要ないといわれた。
死に神だから、もっとこう怖い人だと思っていたけれど、案外普通だった。
「・・・君にはね、元々回りにもう記憶はあったんだ。」
「でも、空間を越えて、そこで記憶が曖昧な人たちの鎖を繋げることで記憶の欠片が回収されるんじゃあ・・・。」
「それはね、私が用意した、君の記憶の欠片の一部。でも、君が空間を越える度に欠片で回収される以外の記憶があるはずだよね。」
言われてみれば、引き金を引けとかいわれて、銃を構えている自分の視点が脳裏に映る。
「それはね・・・シェリル、ウェルダー、ノエル・・・そしてここにいるカイト。彼らが元々君の一部だったから・・・近くにいるために、記憶が流れ込んでいるんです。」
死に神がそう言うと、カイトにアイコンタクトを送る。
カイトはそれを受け取ると、紫、青、緑、黄色の蝋燭を用意した。
「この蝋燭はそれぞれ、シェリル、ウェルダー、ノエル、カイトの記憶と、貴方の記憶が半ずつ記録されています。これから貴方がみるのは、彼らの犯した罪と、貴方の罪と過去。見る勇気があるなら、蝋燭に手をかざしなさい。」
「・・・・・・俺は、俺の過去を知りたい。彼らのことを知りたい。」
俺は手をかざした。
まずは、青い蝋燭。
「どうしますか?こいつ、結局自分の任務を押し切って、自分に引き金を引きましたけど。」
「仕方ないだろう。まだ息があるようだ・・・薬漬けにでもするか。最近新しい薬剤の研究をしているらしいから、研究科にでもまわせ。」
そう言って血まみれの俺の身体は青いポリバケツの中へ放り投げこまれると、黒のゴミ袋で丸ごと包まれて、研究室らしき場所へと運ばれた。
そして、わけの分からない液体の中へ放りこまれ、3年くらい経過しただろうか。
俺の意識は時々目覚めては深く暗闇に落ち。時々目覚めている時の曖昧な記憶しかない。
水槽の向こう側で動き回る研究員。次々に俺の漬かる液体の中に色々な薬剤を投入する。
次第に視界は暗闇に染まっていき、俺の意識は何処かへ。
そこまでの記憶は俺の中にあった。
だが、そこから先は酷かった。
俺の知らない記憶。
液体から出された俺はピクリとも動かず、反応もなく、ただ一点を見つめて、ぼんやりとしている。
そして聞こえるか聞こえないかの小さな声でひたすらぶつぶつと何かを呟き続けている。
この状態・・・そうか・・・ウェルダーは、俺が薬剤中毒状態の時期に生まれたんだ。
「仕方ない。彼は廃棄だ。」
冷たい言葉。
俺はそのまま、研究所の中にできた大きな穴・・・廃棄物処理場に投げ捨てられた。
『・・・・・・ゆるさない・・・どうして・・・捨てたの・・・』
俺が死んで、俺の中からウェルダーが生まれた。
彼が呟いていたのは、殺されてしまったことに対しての憎しみだったのか。
『・・・俺が死んだ・・・・・・俺が消えた・・・探さないと・・・探さないと・・・。』
「・・・・・・そう、俺は、薬漬けにされたんだ・・・まるで物のように扱われて・・・失敗だから捨てられて・・・。」
青の蝋燭は消えた。
続いて、緑の蝋燭に手を伸ばす。
「いい?貴方はしっかり勉強して周りの皆に勝たなきゃいけないのよ。毎日しっかり勉強なさい。」
机の上に積み重ねられた教材の数々。数え切れないくらいはさまれた付箋。
ノートはびっしりと文字と数式が詰められている。
気持ち悪い。これは・・・気持ち悪い。
ある日俺は嫌になり教材も、ノートも何もかも切り刻んだ。
帰宅した親がそれを見て激怒し、殴りかかり、その後机に縛り付けられて勉強をさせられた。
そして俺は隙を見計らって家を出た。
行き場の無い俺は、スーツを着た男性に手を引かれて組織へと連れて行かれた。
渡された二丁銃とスーツ。
「・・・マフィアか何か?」
「ちいせぇくせに知ってるんだな。」
D-Angelへと迎え入れられた日。
その日から俺が学んだ知識はプログラム部門や武器開発部門で役立った。
『・・・知識・・・私の源・・・・・・』
俺の中で分裂するように現われたノエル。
死亡すると、ウェルダーの次に俺の中から出てきた。
横たわる俺を見てノエルはしばらく悲しそうな表情をしていた。
近寄ると、俺の胸に手を突っ込み、あの綺麗な装飾の施された剣を抜き出した。
『記憶・・・・・・守る・・・またね。』
「そう、俺はD-Angelって暗殺部隊に入って・・・そうか・・・俺が知識を組織内で共有しているときに・・・ノエル、君は生まれたんだね。」
緑色の蝋燭が消えた。
残るは2本。
真っ白な床。真っ白な壁。真っ白な家具。真っ白なシャンデリア。真っ白なティーカップ。
流石に紅茶までは真っ白ではなかったが。
そんな真っ白空間の中、1人待たされていると、本当に自分が死んでしまったのかと考えてしまう。
しばらくして、カイトが扉をあけ、誰かに頭を下げて誰かを先に室内へと入れた。
灰色の髪に純白のYシャツに黒のベストとズボン。足元は黒の編みこみブーツ。
首元の赤いリボンが印象的。
前髪が長すぎて目元が全く見えないが、彼がこちらをみて、口元を微笑ませた。
「初めまして、シン君。私は死に神・・・レイチェル。」
そう言って、対面するように座るレイチェルに俺は頭を下げると、そういう細かい挨拶は必要ないといわれた。
死に神だから、もっとこう怖い人だと思っていたけれど、案外普通だった。
「・・・君にはね、元々回りにもう記憶はあったんだ。」
「でも、空間を越えて、そこで記憶が曖昧な人たちの鎖を繋げることで記憶の欠片が回収されるんじゃあ・・・。」
「それはね、私が用意した、君の記憶の欠片の一部。でも、君が空間を越える度に欠片で回収される以外の記憶があるはずだよね。」
言われてみれば、引き金を引けとかいわれて、銃を構えている自分の視点が脳裏に映る。
「それはね・・・シェリル、ウェルダー、ノエル・・・そしてここにいるカイト。彼らが元々君の一部だったから・・・近くにいるために、記憶が流れ込んでいるんです。」
死に神がそう言うと、カイトにアイコンタクトを送る。
カイトはそれを受け取ると、紫、青、緑、黄色の蝋燭を用意した。
「この蝋燭はそれぞれ、シェリル、ウェルダー、ノエル、カイトの記憶と、貴方の記憶が半ずつ記録されています。これから貴方がみるのは、彼らの犯した罪と、貴方の罪と過去。見る勇気があるなら、蝋燭に手をかざしなさい。」
「・・・・・・俺は、俺の過去を知りたい。彼らのことを知りたい。」
俺は手をかざした。
まずは、青い蝋燭。
「どうしますか?こいつ、結局自分の任務を押し切って、自分に引き金を引きましたけど。」
「仕方ないだろう。まだ息があるようだ・・・薬漬けにでもするか。最近新しい薬剤の研究をしているらしいから、研究科にでもまわせ。」
そう言って血まみれの俺の身体は青いポリバケツの中へ放り投げこまれると、黒のゴミ袋で丸ごと包まれて、研究室らしき場所へと運ばれた。
そして、わけの分からない液体の中へ放りこまれ、3年くらい経過しただろうか。
俺の意識は時々目覚めては深く暗闇に落ち。時々目覚めている時の曖昧な記憶しかない。
水槽の向こう側で動き回る研究員。次々に俺の漬かる液体の中に色々な薬剤を投入する。
次第に視界は暗闇に染まっていき、俺の意識は何処かへ。
そこまでの記憶は俺の中にあった。
だが、そこから先は酷かった。
俺の知らない記憶。
液体から出された俺はピクリとも動かず、反応もなく、ただ一点を見つめて、ぼんやりとしている。
そして聞こえるか聞こえないかの小さな声でひたすらぶつぶつと何かを呟き続けている。
この状態・・・そうか・・・ウェルダーは、俺が薬剤中毒状態の時期に生まれたんだ。
「仕方ない。彼は廃棄だ。」
冷たい言葉。
俺はそのまま、研究所の中にできた大きな穴・・・廃棄物処理場に投げ捨てられた。
『・・・・・・ゆるさない・・・どうして・・・捨てたの・・・』
俺が死んで、俺の中からウェルダーが生まれた。
彼が呟いていたのは、殺されてしまったことに対しての憎しみだったのか。
『・・・俺が死んだ・・・・・・俺が消えた・・・探さないと・・・探さないと・・・。』
「・・・・・・そう、俺は、薬漬けにされたんだ・・・まるで物のように扱われて・・・失敗だから捨てられて・・・。」
青の蝋燭は消えた。
続いて、緑の蝋燭に手を伸ばす。
「いい?貴方はしっかり勉強して周りの皆に勝たなきゃいけないのよ。毎日しっかり勉強なさい。」
机の上に積み重ねられた教材の数々。数え切れないくらいはさまれた付箋。
ノートはびっしりと文字と数式が詰められている。
気持ち悪い。これは・・・気持ち悪い。
ある日俺は嫌になり教材も、ノートも何もかも切り刻んだ。
帰宅した親がそれを見て激怒し、殴りかかり、その後机に縛り付けられて勉強をさせられた。
そして俺は隙を見計らって家を出た。
行き場の無い俺は、スーツを着た男性に手を引かれて組織へと連れて行かれた。
渡された二丁銃とスーツ。
「・・・マフィアか何か?」
「ちいせぇくせに知ってるんだな。」
D-Angelへと迎え入れられた日。
その日から俺が学んだ知識はプログラム部門や武器開発部門で役立った。
『・・・知識・・・私の源・・・・・・』
俺の中で分裂するように現われたノエル。
死亡すると、ウェルダーの次に俺の中から出てきた。
横たわる俺を見てノエルはしばらく悲しそうな表情をしていた。
近寄ると、俺の胸に手を突っ込み、あの綺麗な装飾の施された剣を抜き出した。
『記憶・・・・・・守る・・・またね。』
「そう、俺はD-Angelって暗殺部隊に入って・・・そうか・・・俺が知識を組織内で共有しているときに・・・ノエル、君は生まれたんだね。」
緑色の蝋燭が消えた。
残るは2本。