6個目の夢
気がついたら、俺は何故か、カイトに連れられて、死に神がいるという屋敷に連れてこられた。
真っ白な床。真っ白な壁。真っ白な家具。真っ白なシャンデリア。真っ白なティーカップ。
流石に紅茶までは真っ白ではなかったが。
そんな真っ白空間の中、1人待たされていると、本当に自分が死んでしまったのかと考えてしまう。
しばらくして、カイトが扉をあけ、誰かに頭を下げて誰かを先に室内へと入れた。
灰色の髪に純白のYシャツに黒のベストとズボン。足元は黒の編みこみブーツ。
首元の赤いリボンが印象的。
前髪が長すぎて目元が全く見えないが、彼がこちらをみて、口元を微笑ませた。
「初めまして、シン君。私は死に神・・・レイチェル。」
そう言って、対面するように座るレイチェルに俺は頭を下げると、そういう細かい挨拶は必要ないといわれた。
死に神だから、もっとこう怖い人だと思っていたけれど、案外普通だった。
「・・・君にはね、元々回りにもう記憶はあったんだ。」
「でも、空間を越えて、そこで記憶が曖昧な人たちの鎖を繋げることで記憶の欠片が回収されるんじゃあ・・・。」
「それはね、私が用意した、君の記憶の欠片の一部。でも、君が空間を越える度に欠片で回収される以外の記憶があるはずだよね。」
言われてみれば、引き金を引けとかいわれて、銃を構えている自分の視点が脳裏に映る。
「それはね・・・シェリル、ウェルダー、ノエル・・・そしてここにいるカイト。彼らが元々君の一部だったから・・・近くにいるために、記憶が流れ込んでいるんです。」
死に神がそう言うと、カイトにアイコンタクトを送る。
カイトはそれを受け取ると、紫、青、緑、黄色の蝋燭を用意した。
「この蝋燭はそれぞれ、シェリル、ウェルダー、ノエル、カイトの記憶と、貴方の記憶が半ずつ記録されています。これから貴方がみるのは、彼らの犯した罪と、貴方の罪と過去。見る勇気があるなら、蝋燭に手をかざしなさい。」
「・・・・・・俺は、俺の過去を知りたい。彼らのことを知りたい。」
俺は手をかざした。
まずは、青い蝋燭。
「どうしますか?こいつ、結局自分の任務を押し切って、自分に引き金を引きましたけど。」
「仕方ないだろう。まだ息があるようだ・・・薬漬けにでもするか。最近新しい薬剤の研究をしているらしいから、研究科にでもまわせ。」
そう言って血まみれの俺の身体は青いポリバケツの中へ放り投げこまれると、黒のゴミ袋で丸ごと包まれて、研究室らしき場所へと運ばれた。
そして、わけの分からない液体の中へ放りこまれ、3年くらい経過しただろうか。
俺の意識は時々目覚めては深く暗闇に落ち。時々目覚めている時の曖昧な記憶しかない。
水槽の向こう側で動き回る研究員。次々に俺の漬かる液体の中に色々な薬剤を投入する。
次第に視界は暗闇に染まっていき、俺の意識は何処かへ。
そこまでの記憶は俺の中にあった。
だが、そこから先は酷かった。
俺の知らない記憶。
液体から出された俺はピクリとも動かず、反応もなく、ただ一点を見つめて、ぼんやりとしている。
そして聞こえるか聞こえないかの小さな声でひたすらぶつぶつと何かを呟き続けている。
この状態・・・そうか・・・ウェルダーは、俺が薬剤中毒状態の時期に生まれたんだ。
「仕方ない。彼は廃棄だ。」
冷たい言葉。
俺はそのまま、研究所の中にできた大きな穴・・・廃棄物処理場に投げ捨てられた。
『・・・・・・ゆるさない・・・どうして・・・捨てたの・・・』
俺が死んで、俺の中からウェルダーが生まれた。
彼が呟いていたのは、殺されてしまったことに対しての憎しみだったのか。
『・・・俺が死んだ・・・・・・俺が消えた・・・探さないと・・・探さないと・・・。』
「・・・・・・そう、俺は、薬漬けにされたんだ・・・まるで物のように扱われて・・・失敗だから捨てられて・・・。」
青の蝋燭は消えた。
続いて、緑の蝋燭に手を伸ばす。
「いい?貴方はしっかり勉強して周りの皆に勝たなきゃいけないのよ。毎日しっかり勉強なさい。」
机の上に積み重ねられた教材の数々。数え切れないくらいはさまれた付箋。
ノートはびっしりと文字と数式が詰められている。
気持ち悪い。これは・・・気持ち悪い。
ある日俺は嫌になり教材も、ノートも何もかも切り刻んだ。
帰宅した親がそれを見て激怒し、殴りかかり、その後机に縛り付けられて勉強をさせられた。
そして俺は隙を見計らって家を出た。
行き場の無い俺は、スーツを着た男性に手を引かれて組織へと連れて行かれた。
渡された二丁銃とスーツ。
「・・・マフィアか何か?」
「ちいせぇくせに知ってるんだな。」
D-Angelへと迎え入れられた日。
その日から俺が学んだ知識はプログラム部門や武器開発部門で役立った。
『・・・知識・・・私の源・・・・・・』
俺の中で分裂するように現われたノエル。
死亡すると、ウェルダーの次に俺の中から出てきた。
横たわる俺を見てノエルはしばらく悲しそうな表情をしていた。
近寄ると、俺の胸に手を突っ込み、あの綺麗な装飾の施された剣を抜き出した。
『記憶・・・・・・守る・・・またね。』
「そう、俺はD-Angelって暗殺部隊に入って・・・そうか・・・俺が知識を組織内で共有しているときに・・・ノエル、君は生まれたんだね。」
緑色の蝋燭が消えた。
残るは2本。
真っ白な床。真っ白な壁。真っ白な家具。真っ白なシャンデリア。真っ白なティーカップ。
流石に紅茶までは真っ白ではなかったが。
そんな真っ白空間の中、1人待たされていると、本当に自分が死んでしまったのかと考えてしまう。
しばらくして、カイトが扉をあけ、誰かに頭を下げて誰かを先に室内へと入れた。
灰色の髪に純白のYシャツに黒のベストとズボン。足元は黒の編みこみブーツ。
首元の赤いリボンが印象的。
前髪が長すぎて目元が全く見えないが、彼がこちらをみて、口元を微笑ませた。
「初めまして、シン君。私は死に神・・・レイチェル。」
そう言って、対面するように座るレイチェルに俺は頭を下げると、そういう細かい挨拶は必要ないといわれた。
死に神だから、もっとこう怖い人だと思っていたけれど、案外普通だった。
「・・・君にはね、元々回りにもう記憶はあったんだ。」
「でも、空間を越えて、そこで記憶が曖昧な人たちの鎖を繋げることで記憶の欠片が回収されるんじゃあ・・・。」
「それはね、私が用意した、君の記憶の欠片の一部。でも、君が空間を越える度に欠片で回収される以外の記憶があるはずだよね。」
言われてみれば、引き金を引けとかいわれて、銃を構えている自分の視点が脳裏に映る。
「それはね・・・シェリル、ウェルダー、ノエル・・・そしてここにいるカイト。彼らが元々君の一部だったから・・・近くにいるために、記憶が流れ込んでいるんです。」
死に神がそう言うと、カイトにアイコンタクトを送る。
カイトはそれを受け取ると、紫、青、緑、黄色の蝋燭を用意した。
「この蝋燭はそれぞれ、シェリル、ウェルダー、ノエル、カイトの記憶と、貴方の記憶が半ずつ記録されています。これから貴方がみるのは、彼らの犯した罪と、貴方の罪と過去。見る勇気があるなら、蝋燭に手をかざしなさい。」
「・・・・・・俺は、俺の過去を知りたい。彼らのことを知りたい。」
俺は手をかざした。
まずは、青い蝋燭。
「どうしますか?こいつ、結局自分の任務を押し切って、自分に引き金を引きましたけど。」
「仕方ないだろう。まだ息があるようだ・・・薬漬けにでもするか。最近新しい薬剤の研究をしているらしいから、研究科にでもまわせ。」
そう言って血まみれの俺の身体は青いポリバケツの中へ放り投げこまれると、黒のゴミ袋で丸ごと包まれて、研究室らしき場所へと運ばれた。
そして、わけの分からない液体の中へ放りこまれ、3年くらい経過しただろうか。
俺の意識は時々目覚めては深く暗闇に落ち。時々目覚めている時の曖昧な記憶しかない。
水槽の向こう側で動き回る研究員。次々に俺の漬かる液体の中に色々な薬剤を投入する。
次第に視界は暗闇に染まっていき、俺の意識は何処かへ。
そこまでの記憶は俺の中にあった。
だが、そこから先は酷かった。
俺の知らない記憶。
液体から出された俺はピクリとも動かず、反応もなく、ただ一点を見つめて、ぼんやりとしている。
そして聞こえるか聞こえないかの小さな声でひたすらぶつぶつと何かを呟き続けている。
この状態・・・そうか・・・ウェルダーは、俺が薬剤中毒状態の時期に生まれたんだ。
「仕方ない。彼は廃棄だ。」
冷たい言葉。
俺はそのまま、研究所の中にできた大きな穴・・・廃棄物処理場に投げ捨てられた。
『・・・・・・ゆるさない・・・どうして・・・捨てたの・・・』
俺が死んで、俺の中からウェルダーが生まれた。
彼が呟いていたのは、殺されてしまったことに対しての憎しみだったのか。
『・・・俺が死んだ・・・・・・俺が消えた・・・探さないと・・・探さないと・・・。』
「・・・・・・そう、俺は、薬漬けにされたんだ・・・まるで物のように扱われて・・・失敗だから捨てられて・・・。」
青の蝋燭は消えた。
続いて、緑の蝋燭に手を伸ばす。
「いい?貴方はしっかり勉強して周りの皆に勝たなきゃいけないのよ。毎日しっかり勉強なさい。」
机の上に積み重ねられた教材の数々。数え切れないくらいはさまれた付箋。
ノートはびっしりと文字と数式が詰められている。
気持ち悪い。これは・・・気持ち悪い。
ある日俺は嫌になり教材も、ノートも何もかも切り刻んだ。
帰宅した親がそれを見て激怒し、殴りかかり、その後机に縛り付けられて勉強をさせられた。
そして俺は隙を見計らって家を出た。
行き場の無い俺は、スーツを着た男性に手を引かれて組織へと連れて行かれた。
渡された二丁銃とスーツ。
「・・・マフィアか何か?」
「ちいせぇくせに知ってるんだな。」
D-Angelへと迎え入れられた日。
その日から俺が学んだ知識はプログラム部門や武器開発部門で役立った。
『・・・知識・・・私の源・・・・・・』
俺の中で分裂するように現われたノエル。
死亡すると、ウェルダーの次に俺の中から出てきた。
横たわる俺を見てノエルはしばらく悲しそうな表情をしていた。
近寄ると、俺の胸に手を突っ込み、あの綺麗な装飾の施された剣を抜き出した。
『記憶・・・・・・守る・・・またね。』
「そう、俺はD-Angelって暗殺部隊に入って・・・そうか・・・俺が知識を組織内で共有しているときに・・・ノエル、君は生まれたんだね。」
緑色の蝋燭が消えた。
残るは2本。