ドイツといえば、エコの国としてのイメージが強いですが、その要因として

太陽光、風力、地熱やバイオマスを使って発電する再生可能エネルギーを、国を挙げての

政策として(再生可能エネルギー法)推進しているからです

(再生可能エネルギーとは、何かに再生できるという意味ではありません。

 石油や石炭のように限度がある資源でなく、太陽や風や水のように限度がない

 資源のことです。)

ドイツの電力発電事情
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ドイツの発電は 42%が石炭、13%が天然ガスで エネルギー源の55%以上が化石燃料で

20%が原子力、残りの20%がエコエネルギーです。

太陽光の発電は世界一といいますが、ドイツの総発電量の1,5%しかないのです。

5,8%風力、3,3%が水力、4,5%がバイオで残り5%はその他いろいろ。

政策としては以前から毎年、技術研究に税金の100億ユーロ近くを投資しエコエネルギーの

比率は年々伸びています。

特に風力発電に力を入れてきており、陸上では既に風車を建てる場所が足りなく

なってきている現状を踏まえ、今後は海上発電を増やす計画です。


2020年に脱原発を目指しているドイツですが、現在の原子力の20%を まかなうのに

どこまでエコエネルギーを伸ばしていけるかが、テーマとなっています。

ドイツの発電の自給率は 41%で 残りを隣国から買っているのも不安材料です。

他の国の電力事情

他の国々の電力発電状況はエネルギー資源の有無、自然条件、経済やエネルギー政策など

により異なります。
          

ご存知のように日本においては、電力消費は世界4位であるにもかかわらず、

全エネルギーの約82%(原子力を除くと約96%)石油だけでみるとほぼ100%を輸入に

頼っています。


フランスは自然資源は少ないので、自給率を高めるという基本政策のもと、

原子力開発を進めた結果、現在では発電量に占める原子力の割合が約8割に

達しています。フランスの電力自給率は51%。ただし、原発が多く、隣国からの

脅威にもなっています。

スペインは資源が乏しいのですが、広い台地、太陽、風に賭け、1999年に再生可能

エネルギー計画を打ち出し、現在、電力の40%以上が再生可能エネルギーで 昨年、風力の

発電量はドイツを越しました。

イギリスは石油や天然ガスが豊かで自給率は高く、80%を超え、資源を輸出をしています。


スェーデンは 石炭や石油の化石燃料はほとんど無く、意外なのが46%が原子力で

49%が水力です。

電力事情はその国の自然資源とともに 政策にかなり左右されるように思います。 


ヨーロッパ域での電力の自由化


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国によりエネルギー資源事情が異なりますが、1970年代1980年代のオイルショックにより
石油価格の高騰し、石油を持つ国に振り回されて 世界経済が揺らぎました。

そして1980年ごろから ヨーロッパの5億人が安定した生活・経済を目指して 

ヨーロッパ統一の構想が始まりました。


1980年後半には すでにヨーロッパ内でのエネルギー市場構想が たてられました。


2003年ごろには ヨーロッパの国々は発電を民営化し、2007年には 国同士が電力の

売り買いを自由にできるようになりました。

ヨーロッパは地続きですので 送電のシステムを整え、電力の売り買いが盛んになり、

他国が安い時には他国から電力を買い、スポット価格が高くなると自国の電力を

他国に売るということを分単位で行われています。

ドイツはフランスから原子力発電による電力を買ってますが、それは電力が足りないから

ではなく、原子力電力が安いからです。


エネルギー企業のグローバル化

この電力の自由化により、電力自由化の導入、発電・送電・配電各社の民営化や
再編などが行われました。


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ドイツの企業のE-ON社は 再編などの後に 世界最大の民営エネルギー企業となり、

ドイツ国内の原子力発電所、火力発電所、水力発電所を運営するだけでなく、

スゥェデンやイギリスの電力会社を買収し、それに伴い、東欧の電力・ガスの子会社も

運営し、イタリア、スペインやロシアにも進出しています。


今や、エネルギー産業は電力発電の枠を超えて世界の経済に大きな影響を持っています。

さてさて、強大な力を持つ企業が 政党への影響力を持つのはどこの国でも

ありますが、ドイツでも今、揺らいでいます。

ドイツは2020年までに脱原発を宣言にし、太陽光発電や風力発電への

研究を国が推進し、産業の少ない、元東ドイツのソーラーシステムの企業らに補助金を普及

していました。


最近、その補助金が打ち切られ、ソーラーシステムの企業が立ち行かなくなり、

何千という人が解雇されたそうです。

その背景には 安価な原子力発電の経済的効果を目的としたエネルギー企業の

政界への圧力の結果との見方が強いです。


中国の安価なソーラーシステムも精力的にヨーロッパ市場に参入してきています。

先月、メルケル首相は中国を訪問して 経済関係を強化することを約束しました。

     脱原発を唱えたメルケルさん、どうするのでしょう。


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いつも ドイツの経済力の強さや豊かさを説明していますが、他の国々と比べてどのくらいの

位置づけなのでしょう?


国の豊かさ、国民が豊かかどうかを考えるとき、豊かさを 収入だけで比べられないし、教育、福祉、

就業率、物価、治安など、様々な観点があり、多面的で くらくらします。

国民が幸せかどうかは 精神的なこととなると メンタリティや歴史もかかわり、もっと複雑ですが。

まぁ、とりあえず、数字ででる経済から みてみますと。。


国の経済力を表す指数として 1990年代は GNP・国民総生産がよく使われていましたが、

近年は そのGNI・国民総所得で 比較されます。


GDPというのは ある一定期間にある国民によって新しく生産された財(商品)やサービスの

付加価値の総計です。そして GNIは そのGNPに 海外からの雇用者報酬や投資収益などの

財産所得や企業所得を加算したものといえます。

近年、企業は広く海外に工場や関連会社をもっているので その収支は企業に大きく影響します。

海外で暮らす日本人は100万人を超えて、127か国で 日系現地法人は21000社以上に

なります。(ドイツでは 日本人は 約32000人、日系現地法人jは 約530社)

世界的によりグローバルになり、相互に影響しあっているこのごろ、このGNIの数値のほうが

 その国の経済力を示すのに的確になっています。


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さて、GNI・国民総所得の数値の出し方は 世界銀行は国ごとの比較し、WHO・世界保健機構

その国の総所得を人口で割り、一人当たりの所得を算出して比較しています。


世界銀行の国ごとのGNIの比較ですと 一位はいつも アメリカで 2位は 2008年まで 日本、

2009年からは中国。 ドイツはいつも日本の次です。そのあとにフランス、イギリスと続きます。


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WHO・世界保健機構 一人当たりの所得としてのGNIの比較で順位をつけています。

一位はルクセンブルグで476万円、ノルゥェィ、シンガポール、スイス、アメリカ、オランダ、

スェーデン、オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、イギリス、13位にドイツで293万円、

日本は19位で267万円。ちなみに 中国は82位。


日本もドイツも国としての経済力はトップクラスでも 個人、一人あたりで 割ると違います。

アメリカも国の総所得は一位でも 個人は5位。とはいえ、貧富の差が激しいので 国民が豊かとは

いえません。


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国連が新しく、「国民生活の豊かさ指数・人間開発指数・Human Development Index」

というのを作りました。

この指数は 経済面ではなく、寿命や識字率、就学年齢、購買力平価で調整した一人あたりのGDP

(国内総生産)を総合して算出するものです。

GDPやGNIでは 国の豊かさだけの観点であって その国に暮らす人たちの暮らしやすさや生活の豊かさ

ではありません。その国の国民が 人間としての生活を開発していく(よりよく暮らしていく可能性)であり、

その国では 国民が 健康で長寿で 教育を十分に受けれて 生活に必要なものを購入できる、

物価や収入を得て 暮らしやすく、どのくらいできているかという指数です。


さて その順位ですが。。。(2009年の統計ですが。。)


  1、ノルウェィ        11、ルクセンブルグ   21、イギリス

  2、オーストラリア     12、フィンランド     22、ドイツ

  3、アイスランド       13、米国         23、シンガポール

  4、カナダ          14、オーストリア     24、香港

  5、アイルランド      15、スペイン       25、ギリシャ

  6、オランダ        16、デンマーク

  7、スゥェーデン     17、ベルギー

  8、フランス        18、イタリア

  9、スイス         19、リヒテンシュタイン

 10、日本         20、ニュージーランド


この指数が100%ではないと思いますが、ある観点でみて ドイツは国として経済的に豊かでも 

寿命とか、人間の暮らしとしての観点ではいろいろ、問題があるようです。


もうひとつ、世界幸福度ランキングというのが、あります。

イギリス大学の社会心理学者が 178国の情報、国連、世界保健機構などの国際期間からの

100以上のデーターをもとに研究した結果から 総合判断したものです。

「幸福」の基準としては、医療制度にみられる健康面や教育面、環境などのほか、国内総生産

(GDP)をはじめ、経済面の高さや裕福度も指標に反映。生活満足度や寿命、中等学校の格付け

なども参考に分析されています。

  第1位 バヌアツ        第6位 フィリピン
  第2位 コロンビア       第7位 ホンジェラス
  第3位 コスタリカ       第8位 グアテマラ
  第4位 ドミニカ         第9位 エルサルバドル
  第5位 パナマ         第10位 セントビンセント・グレナディーン
   

ちなみにバヌアツ共和国は南太平洋のニューカレドニアの小さな国だそうです。

(サッカーのアフリカWCにも参加してます。)


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ブータンは国民が幸福と感じる国民総幸福を提唱しているそうですが、国民が幸福と感じている

かどうかは きっと数字には出せないと思いますが、もし、出せたとしたら また、全然違う順位に

なるかもしれません。




    グリュース ゴットのブログ 最後に ふと 思ったのですが、ドイツ人は数字で表現するのが好きです。


ドイツに住み始めたころ、よく、質問で「日本の総人口は?」とか、「日本の総面積は?」と 

聞かれ、答えられずに閉口してました。

でも ドイツに永く住んで いつの間にか、私も数字好きになっているのかも。。。。

バヌアツに行って お休みしてきたほうがよさそうです。


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いつも 強いドイツのイメージですが、ドイツは第一次世界大戦も 負け、 第二次世界大戦も負け、

そのたびにたくさんの犠牲と負債をしょっています。

ナチズムで非道なことをした負い目から ドイツは経済大国になっても そして ヨーロッパ中央銀行の

資金を60%近く、出していながらも ヨーロッパの会議であまり、意見を言えない立場が 永く続きました。

1989年、東西ドイツが統一し、20年が過ぎ、ようやく 意見を言える立場になったときいたことが

あります。


そして ドイツの長年の古傷といえば、「ネオナチ」

英語ではNeo-Nazism。

ネオナチのイメージは スキンヘッドに ナチスの紋章のいれ墨、そして ドイツの国歌の一番を

大声で歌っている姿です。
  
さて そのドイツ国歌の
一番は 歌われることが法律で規制されています。


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ドイツの国歌はハイドンの曲の 弦楽四重奏曲「皇帝」に歌詞をつけたものです。

その1番の歌詞は 「ゲルマン民族が集まり、統一の国家を作ろう」という内容ですが、それを

ドイツのナチス時代は ドイツが他民族を支配する優秀な特別な存在であると意味を解し、

ナチズムを正当化する象徴として 国歌の一番だけ歌いました。


その意味合いから 戦後、国歌の一番は 歌うことが禁止され、公の場で 流したら、ネオナチとみなされ、

警察から それなりの扱いを受けるそうです。(法的に処罰)


2番の歌詞はドイツの歴史などを歌っていますが、女性蔑視の意味合いもあり、現在は 歌われません。


ちなみに 4番もあるそうですが、歌詞は「苦難のときもドイツは正義である」と歌っていて ナチス時代に

この4番もときに 歌われていたそうです。

でも 戦後、歌われなくなりました。(法的には規制されていない。)


さて 残った、3番の歌詞は ドイツ民族の統一が歌われ 歌詞中にあるフレーズ「 統一(団結)と

正義(権利、法)と自由」は、ドイツ連邦共和国(西ドイツおよび統一ドイツ)の標語となっているので 

なんとか 歌える。。。。という感じです。

新しく国歌を作ろうかという話もあったそうですが、いいのがなくって その話は 流れたそうです。

なんとも歯切れが 悪い話ですが。。


ちなみに 学校とかでは 国歌を歌うことはありません。(いろんな国の人がいるので)


現在、オリンピックや ワールドカップでは ドイツの国歌は3番の歌詞だけ、歌われます。



さて そのネオナチですが。。



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ネオナチズムとは 第2次世界大戦のあのヒットラー率いる、ナチスのイデオロギーのナチズムを

復活しようとする運動のことを言います。 


そして ネオナチとはその運動をする集団を指します。

世の中に不満を抱く若者たちがネオナチの名のもとにスキンヘッドでピアスや入れ墨をし、過激で

破壊的な反社会的行動で 外国人や同性愛者を狙います。

そのネオナチのイデオロギーというのは 外国人排斥、同性愛嫌悪、人種差別(白人至上主義)、

反ユダヤ主義です。

ドイツではもちろんのこと、フランスやイタリアなどヨーロッパの国々では ナチスを擁護する発言や 

人種差別の発言は 法律で禁止されています。

ナチスが第2次世界大戦後、ニュルンベルグ裁判で裁かれ、崩壊したのも関わらず、いまだに

存在し、ドイツだけでなく、フランスやイタリアにも ネオナチ組織は存在するのです。


1989年、東西ドイツが統一された後、東西経済の落差から 不満を抱えた、元東ドイツの若者たちが

一時期、ネオナチに走り、ドレスデンやベルリンの たくさんの外国人が襲われたり、脅されたりして 

かなり、不安な状況となりました。

ベトナム人のレストランが襲撃にあったり、トルコ人の家が放火されてトルコ人の家族が亡くなりました。

当時は他人ごとではなく、日本人も外国人ですから 私も ネオナチにつけられて 部屋のドアに

「でていけ」という、紙を張られたり、友達は 道でどこまでも追いかけられて 外に出れなくなりました。

そして 保身のために催涙ガスを買う友達もいました。


1992年、ミュンヘンの一般の市民たちが 「外国人を排斥する運動(ネオナチの行為)に反対し、

外国人を歓迎する運動」の輪が広がり、数万の人が キャンドルを手に行列を作り、ミュンヘン市内を

練り歩きました。

ミュンヘンを発端にその行列は広がり、いろんな都市で行われ、それまで見てみぬふりをしていた

一般の人たちも ネオナチに対し、厳しい目を向けはじめました。


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ネオナチの行動は抑えられましたが、ネオナチの集団は、警察の厳しい追求の手を逃れて その後も

暗闇で潜伏し続けました。ナチズムの本拠地だったミュンヘンでは時々、ネオナチの集会があり、

日本領事館からもおふれがでて、あまり 近寄らないように 通知されます。


ドイツでここ10年の間に トルコ人やギリシャ人など外国人10人の連続殺人事件があり、ネオナチの

犯行とわかりながらも特定できませんでしたが、ようやく 昨年11月にネオナチの集団が確定され、

逮捕されました。


それを機会にネオナチへの取り組みが強化され ドイツ中で大々的にネオナチのあじとに捜査の手が入り、

たくさんのネオナチが検挙されました。


そして 先月、2月23日 ネオナチによる連続殺人事件の犠牲者を追悼する式典が ベルリンをはじめ、

各地で開かれ、正午には 全国で一斉に黙祷が呼びかけられました。

各省庁では 喪を表す、半旗がかけられ、公共機関は一時運行を停止、いくつかの放送局は

一時番組を中止し、警察官、消防署員も公僕の人たちはすべて 黙祷をささげました。

ここまで大規模な国を挙げての式典は初めてのように思います。


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そしてこの式典でメルケルさんは この長年の古傷、ドイツの恥であるネオナチの破壊的な行動を

二度と起こさせないと誓いました。メルケルさんは東ドイツの出ですから 権力の押さえつけられた

共産主義を経験しているので 力がこもります。


ドイツを旅する方たちに お願いがあります。

特にミュンヘンはヒットラーの本拠地でしたが、ビアホールでどんなに酔っても あのナチス独特の片手を

挙げて 「ハイル ヒットラー!」というしぐさは 辞めてください。

それは 法的に禁止されているという意味だけでなく、 傷つく、お年寄りがたくさんいるのです。


あのナチス時代、たくさんの普通の人たちが ナチスに洗脳されて 間違いを起こし、魔女狩りと

称して リンチをした、おぞましい時代があります。

それは 都会より 田舎町のほうが陰湿だったと聞きます。

いまだにバイエルン地方の田舎では その時代のことはタブーになっているところがあります。

ナチスの時代に青い目、金髪の子供を作為的に生産しましたが、その子供を母に持つ友達がいます。


理屈っぽく、自分が正しいと言い張る、謝らない、ドイツ人ですが、ナチス時代の過ちは

ドイツ人には 弁慶の泣き所なのです。

国歌は3番だけしか、 歌わないのは ドイツ人の頑固さであり、もう二度と繰り返さないと

いう戒めでもあります。


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