餞別(せんべつ) | 一世のよまい言 from・・盛岡

一世のよまい言 from・・盛岡

年間260日は紳士淑女の身だしなみを整える美容師・・・
その大半は額に汗して手前味噌を振舞う仕事。
そして、30日は寡黙なアングラー・・・
その大半は潮風に吹かれ、酒を飲み、船頭に怒られ、
魚に笑われる日々・・・。

 

この季節、
美容室も別れの季節です。

と、言いましても、
ウチはもう・・

今は、ほとんどお客様の移動とは無関係な店になってしまいましたが・・(笑)



自分が若い頃は、
今頃が一番イヤな季節でした!( ; ; )


広く浅くが苦手だったオイラは、
ようやく馴染んで下さったお客様が、
卒業やら転勤やらで、
遠くに行ってしまうのが寂しくて仕方がありませんでした。


「今日で最後!」 

 

そんな言葉を聞くと、
オイラは、
今までの感謝を込めて、


「最高のカットで送り出そう!」

と、
未熟ながらも、
精一杯の気持ちで仕事に臨んだものでした。


丁寧な仕事をして、

念の入ったカットをお客様のアタマに刻み込んで送り出す!・・



そうすれば、
新天地で新たな美容師さんが、
そのお客様の髪に触れたとき、

「この方は前の美容室で大切にされてきたんだな!」
と、
思って頂ける!!

そんな「タスキ」を繋ぐような想いで、

アタマを造ること・・
それだけを考えていました!・・(^◇^;)




セットは毎日の事ですが、
カットは次にハサミが入るまでは、
明らかな痕跡が残ります!

賞味期限の点から言えば、
技術的な重要性は比較になりません!


勿論、
目の前の仕事に精一杯で、
前のカットを精査するまでに至らない(余裕の無い)技術者に当たる事もあるでしょう・・(笑)


しかし、
お医者さんが、
手術跡(治療跡)で前回手術の甲乙が分かるであろう?ように、


美容師も・・
お客様の毎日のお手入れを第一に考える
技術者に当たれば、

前回担当者の技量と「想い」は、

「必ず、通じるだろう!」・・?
そう思ってきました・・(^◇^;)



洋服でもそうですが、
 

一回一回、
クリーニングに出して、
プロに整えて頂ける環境にある方は(どうでも)イイでしょう・・?(笑)

しかし、

自分で洗濯をして、
自分で乾かして、
「普段着」で過ごそうと思えば、 

なるべく手間ひま(アイロン等)掛けなくても、

着られるモノを望むハズです。

そうすると、
本当の意味で、

服そのものの「クオリティ」が問われます!(゚o゚;



自分のヘアースタイルに、
充分な時間と、
有り余るテクニックを加えられる方には、
無用な話しかも知れませんが・・(笑)、

 

余り器用ではない普通のお客様には、

日常の「手入れのし易さ」は大切な要素です!




冒頭にお話ししたように、
今は「別れ」も無くなりましたが・・(笑)


自分の大切なお客様を、

次の担当者へ託す・・

 

技術の「申し送り」は、
オイラがずーっと心掛けてきた、
美容師(技術者)の意地なのです!

(笑)

 

 




( ^_^)/~~~