2月の実験は「火災旋風」でした。言ってみれば、「炎の竜巻」。
竜巻を作る実験もやるのですが、やっぱり迫力は「火災旋風」かなあ。
もともと竜巻は「空気を回転させる力」と「空気を引き延ばす力」の
二つの掛け合わせで起こります。竜巻発生装置は体よくそれを行う
装置で、こんなんです。
たいして、火災旋風を引き起こす装置は、いったん火が付けば、その
熱によって上昇気流が発生するので、「引き延ばす力」は勝手にでき
てしまいます。それを利用して、どうやって回転力を発生させるか、
が「きも」と言えます。
で、この装置。もう6年以上前に作ったものですが金属製なのでまだ
十分に使い物になる。こんな感じで作りました。(トタン板は切り口
が非常に鋭利になるので、十分に気を付けてくださいね。)
この筒の中を熱によって、空気が上昇し、気圧が下がるため、作った隙間から、
空気が勢いよく流入し、回転力を発生させます。
「いでよ!ファイヤードラゴン!」とか言いますと、生徒に受けます。
動画なども。
ただ、この火災旋風、実際はとても恐ろしいもので、100年前の関東大震災
で10万人の死者のうち、4万人は被服廠跡の巨大火災旋風によるものです。
そのほか、火災旋風は東京で110か所、横浜で30か所発生した、と報告され
ています。結局、火災関連で亡くなったのは、全体の死亡者の9割にあたる、
と言われているくらいです。普通の竜巻は、自然に発生した強い風が動力
になっているので、風向きが変われば消えることもありますが、この火災
旋風は自前の熱によって動力を得ており、周りに燃料になるものがある間は
なかなか消えてくれません。当時は逃げ惑う人々の大八車が、かっこうの
燃料になったのです。現在、大八車はありませんが、より可燃性の高い
ガソリンを積んだ車があります。大渋滞の状態で、この火災旋風が発生
したら、とんでもないことになるでしょう。生徒たちには、「大地震が来
たら火事もセットで起こるから、絶対に、火が燃えている方向にはいか
ないように。火災旋風が起こったらあっという間にその領域は地獄絵図
になるよ。」ということも話したけど、わかってくれたかなあ。