カバー上のメモ:Hidden Transcripts On BookCover(3) 清沢満之集 | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks

本屋さんのレジでは「カバーはいりません」と言うことが多いが、メモ帳やノートの持ち合わせがない手ぶらのときにはカバーお願いしますと言ってしまう。

つまり、メモ帳として本を買う。

そういうブックカバーつきの本がずいぶんたまった。

そろそろ限界なので、カバー上のメモを拾遺して、

カバーをはずして整理することにした。



「③Poiesis(poesie)―詩才 作られたもの・制作力一般」

poetic justice


「④チョークと黒板

  差異そのものは、時間にも空間にも無い。

――観念・幻想≠虚偽としての幻想」


「関係の絶対性→愛別離苦=執着」




以上のメモが鉛筆で書かれたカバーは、次の本を包んでいたが、カバー上のメモは本の内容と直接の関係はない。


清沢満之集 (岩波文庫)

2012年4月17日 第1刷発行。購入したのも奥付に近い4月の下旬に間違いなし。復刊予告を見て狙い買いしたので。


この人の時代の西洋との向き合い方は半端じゃない。何せ廃仏毀釈の仏教を背負って、なんとかしたいとドイツ観念論あたりに向かって行ったのだから。


この熱気は、「土着」の吉本隆明が、マルクスに向かった熱気に近いものがある。


満之の場合も「向かう」、というのは単に寄り添う、その影響下に収まるなんてことではなく、「刃向かう」の向かうを含むと言っていいようなものなので、なかなか滋味深いものがある。


西洋現代思想の輸入屋さんたち、訓詁学みたいなほじくり返しはもういいから、


とにかくこの熱意を学んだらどうか。一回、すべてホールドアップして。