「パーソナル・ブランディング」批判(3)妖怪漫画と言えば? | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks

水木しげる。


これ何をやっているかと言えば、「連想」しているわけです。ブランド連想と言ったりもする。


少し固い用語を持ち出して補足するなら、連想ネットワーク型記憶を励起する、ということ。


こういう連想が生まれるということが、ブランディング完成の一つの姿ではある。


バイクと言えば{ホンダ}、


ミカンと言えば{伊予}、


OSと言えば{リナックス}


ブランド連想の例は、あらゆる業界業種、あらゆる分野に数え切れないくらいある。


妖怪漫画と言えば{水木しげる}、は連想の幅はかなり狭い。


世代による違いはあるかもしれないが、バイクやOSに比べれば狭い。


マーケティング的に言えば、競合が少ない、ということになる。


しかし、そんなことはどうでもいい(笑)


水木しげるさんが、自らをパーソナル・ブランディングを「目指して」活動したか?


もちろんそんなことはありえない(笑)


マーケティングで言えば、あの筆致、あのキャラクターたち、そしてストーリーと基本にあるメッセージ。


それらが水木漫画のUSP(ユニークセリングプロポジション)を確立したと言える。


しかし、そんなことはどうでもいいのです(笑)


ブランドは「発生的」である。意図せざる「後成的風景」として、気づいたらそうなっていました、という側面がブランディングにはあるということ。これを忘れちゃいけない。


いまそのへんで自分ブランドとか言ってるのは、せいぜいが認知される、目立つ、覚えてもらう程度の小手先の話に過ぎない。


何を?忘れないでほしいのか? そこがゴッソリ抜け落ちている。言葉では、そこが大切とコピーワークはしてあったりするが、その先はノーフォローだ。


なぜか? 初対面で忘れられない人がいる。特に、何か目立つものがあったわけではない。でも、もう一度会いたいと思う。いつかこの人と何かを一緒にやるかもしれないと思う。根拠のない予兆(笑)


しかし、これは実際に仕事に呼び込むことがある。こういう不思議な出会いの「印象」を「ブランディング」ごときで、どうにか出来るものではないからだ。


だから、コピーワークに終わる。


「後成的風景」を分かっていて、自分ブランドを言ってる人がいるなら、会ってみたいものだ。これなしに、「人」をオペレーショナルにブランディングできるのは、プロダクション・システムだけだろう。多くの使い捨てアイドルを産み出した悪名高いシステムでもありますが(笑)


水木しげるさんは、ノドから手が出るほどお金が必要なときに、向こうからやって来た仕事の依頼を断っている。

この逸話 を、ブランディングの話に見事取り込める御仁がいれば、そいつは本物だろう。



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