ウェブで使える「百科事典」というのは、すでにいろいろあります。
編集者にとっては、「百科事典」、必需品なんです。
すでに、マイクロソフトのオンライン辞書“MSN エンカルタ百科事典”、日立デジタル平凡社の『世界大百科事典』検索サービスなどが、数年前から稼動しています。平凡社がもっとも古く1999年始動です。
ただしこれらは、フルに活用するためには会費を払って有料会員になる必要がありました。
もともと、インターネット自体が、検索力さえ身につけていれば、
巨大な世界大百科事典とも言えるわけですが、
一次資料として信頼のおけるものかどうかは、保証の限りではなく、
そこを、うまく切り抜けるには、相当な「編集力」が要求されます。
誰でも使える各国語百科事典「ウィキペディア」も、
内容の信頼度という点で、ブリタニカと論争になったこともあるくらいです。
まあ、このへんは使う人がわきまえてさえいれば、
目くじら立てることじゃないとエンジンは思っています。
二木麻里さんが、構成管理されている「ARIADNE」 は、
人文リソースレファランス。いわゆる百科事典ではないですが、
百科事典なみの信頼のおけるコンテンツを引き出すことができるサイトです。
もちろん誰でも無料で利用できます。
で、昨年11月27日(木)にβ版公開となった「Yahoo!百科事典」 は、
小学館の「日本大百科全書(ニッポニカ)」全26巻をベースに、
毎月新項目が追加されていくという趣向。
ここから、ニッポニカのリアル百科事典増補ニューエディションが生まれていくかもしれないですし、
なかなか粋な趣向だと思います。
百科ではなく、本、原典となる書物そのものをデータベース化するというプロジェクトを、
Googleと慶應義塾大学などが進めていますが、
一般的には、この「百科」でYahoo!が、サービスにおいて、一歩先んじたということになる気配濃厚です。
いずれにしても、キーワードコラムを書いたり、脚注を作ったりすることの多い編集者にとっては、とてもありがたいサービスですし、変わることのない普遍的な基礎知識や、知恵を確認したいときに、すべての人の手助けになってくれるでしょう。
情報は、そのエイジングによって、速度を変えます。
絶え間なく流れ続ける川の面、川の中、川底、そしていくつかの地質地層の重なり・・・・
専門家とも、学者とも、研究者とも違う、「編集的視点」、というものがあるとするなら、この川の面から、もっとも深い地層までを、一挙にすくいあげてみようとする視点です。
その意味で、変化の比較的遅い、川底よりもさらに下にある言葉を探れるサービスが、ウェブ上で普及するのは、とても喜ばしいことだと思います。
PS.
「知層」は、シンプルマッピング でも、掘削が可能です(笑)