インストラクター本、ではありません。 | 編集機関EditorialEngineの和風良哲的ネタ帖:ProScriptForEditorialWorks

>これは、この人(作者)の経験から書かれている。


『A6ノートで思考を地図化しなさい』

の著者・松宮義仁氏のところに寄せられた読者からの感想の一部です。


エンジンは、この一言に、実は唸ってしまいました。

「最初の読者」である編集としては、もうこの本、100回以上
読んでいる計算になります(爆)。


しかし、この読者の方の感想を読ませていただくまで、
ノドから出掛かっているのに、言葉が出なかったことがあるのです。


それがまさしく、「経験」ということなのです。

筆者の実体験にもとづいて、そこから編み出された
新しいノート術、発想術が「シンプルマッピング」である。


これが、どれだけ革新的で、新しく、また深いことなのか、
それを言い表すことが出来ずにいたのです。


「マインドマップ」は色がついています。
カラー印刷になった本が多いです。

でも、シンプルマッピングは、その方法論としての核心部分に
モノクロがあります。


目立たないのです(爆)。

ビジュアルだけだと。


アスキームック『ペンとノートで発想を広げる“お絵描き”ノート術 マインドマップ(R)が本当に使いこなせる本』

というムック、平積みになった『A6ノートで』の隣に積まれていることが多くなっています。


まあ、良い本だと思います。でも、ほとんどが、マインドマップの公認インストラクターによる記事なんです。

ユーザ視点はほとんどないです。


それにくらべて、『A6ノートで』では、いわばマッピングの
パワーユーザが、なんとか自分で使いこなせるようにと、
悪戦苦闘した、その経験、体験が書かれている。


たんなるインストラクションじゃないんです。


マッピングを使う側、ユーザーとしての血と汗と涙(笑)に
満ちている本です。その結果、編み出された魔法のノート術なんです。


この、違い、お分かりでしょうか?


一方は、地味な(爆)モノクロで1470円(税込み)、
一方は、カラフル、華やかな大判ムックで、1260(税込み)、
あなたなら、どちらを買いますか?


はい、私なら両方買います^^

良い、心がけです。

あなたの人生は、これから輝かしいものになるでしょう。


失敗談のない本は、つまらないし、息長くは続きません。

それが言いたかったのです。

ただのマニュアルには、失敗談はありません。


A6ノートは、人生です。


そのなかから、あなたにも使っていただける、
何度でも、チャレンジできる、
失敗を活かしながら。


そして、何度でも立ち上がって続けることに
価値を見出すことを可能にしてくれる、
そういう或る男の半生から生まれた結晶なんです。


あなたもすぐに、始められるマニュアルに仕立ててはいますが、
この本、マニュアルではありません。


ある男の半生が生んだ、結晶です。


インストラクター本ではありません。


インストラクションもありますけれども、
言ってしまえば、金八先生です(爆)


冒頭の読者の方からいただいた「経験」という一語には、
これだけのことが、詰まっています。


だからエンジンは、この本の編集者であって
本当に良かったと、あらためて思うのです。


手前味噌ではなく、
こうしたビジネス、実用書、それも読者が手を動かして
掴み取ることのできるマニュアル、エクササイズの性質の強い本のなかで、
こんな想いを抱くのは、本当に珍しいことです。


この大切なことに気づかせてくれた読者の方に、感謝せずにはいられません。