ライオン看板とは、通常、引き戸の妻入りの(稀に平入り、という大きな店もありました)上部に掲げたトタン製の看板のことです。オモテはライオンのタテガミのように立派ですが、ひとたび裏にまわると何の造作もありません。掲げられていたのは昭和30年代。「カドヤ」とか「アタラシヤ」など白地に黒ペンキで書かれただけのシンプルなのが特徴でした。これは絶大な宣伝力をもっていました。とはいえ、虚勢を張っているようにも見え、“ライオン看板”というのは、シャレと自嘲が同居した言いまわし、ともいえます。
この戦後復興の証しとなるライオン看板が消えていっています。
この写真は、3.11の東日本大震災の影響を受け、惜しくも取り壊されてしまったライオン看板建築です。(旧日光街道、荒川近く)
