【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~ -2ページ目

【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~

株式会社エッジコネクション 代表取締役社長大村康雄のブログでしたが、現在は当社HPコラムコーナーにて執筆中

当社は、ほとんどすべてのメンバーがお客様とやり取りを行います。

完全内勤はほんの数人です。

また、Facebookでの発信でちょくちょく弊社メンバーが登場してたりもします。

 

このような状況から何かしらを察知していただけ、

「御社には良いスタッフが揃ってますね。」

「社風が良さそうですね。」

などというお言葉をよく頂くようになってきてます。

本当にありがたい限りです。

 

そこで、今日は私が人財というものをどのように考えているかというのを

思いつくままに書いてみることにしました。
 

■学歴の効果は社会人3年まで

学歴は良いに越したことはないと思っています。

難しい学歴を手にできるということは、そもそもの頭の回転が速い証明とも

言えますし、それなりにきちんと勉強した結果でしょうから、勉強の計画性や

誘惑に負けないストレス耐性など、様々な面でスキルが培われた結果、

良い学歴を持っていると判断できます。

ですが、その効果は社会人3年までと思っています。

社会人も3年経てば人として相当磨かれます。

そこできちんと磨かれていないとどんなに学歴が良くても追い抜かれます。

 

■転職回数はあまり関係ない

働くということは職場と個人の相性が重要です。

よって、相手や環境に合わせることが不得手だと、転職という決断を選択

しがちになるでしょう。ですが、その場合、職場側が特殊で転職という決断を

選ばざるを得なかったケースもあるはずです。そして、運が悪いとそのような

職場に連続でぶつかることもあるでしょう。

よって、転職回数のみで判断するのではなく、そこで何をやったのか、

なぜ転職を決断したのかが重要です。

また、当社の場合、人間関係のトラブルが極力起こらないよう様々な施策を

張り巡らせてますので、そこがネックだった方は全く問題なく働けるケースが多いです。

 

■面接では見抜けない

面接は対策ができます。また、面接官との相性でうまくいかないこともあります。

逆に、面接官との相性が良すぎて採用しても職場との相性はまた違う可能性があります。

このように、面接は当然やるべきですが、原則として候補者を見抜けるものではないと

考えたほうが自然だと思います。

では何を見るかというと、その人の第一印象です。人となりは必ず第一印象に

現れますし、第一印象は人生観が変わるなどしない限りそうそう変わることはありません。

第一印象で大まかな判定を行い、その後の質問で第一印象に間違いがないかを確認します。

 

■定量的な給与査定評価項目が成長を導く

中小ベンチャー企業は経営体力がたくさんあるわけではありません。

よって、給与の分配は

「利益貢献してくれている人に適切に無駄のないプロセスで」

行われなければ財務体力を削ってしまいます。

その際、気をつけなければいけないのは、「チャレンジ精神があるか」など

定性的な評価項目に基づいて査定することです。評価に個人差が出ますし、

チャレンジ精神が利益貢献に結びついてない限り、評価して給料を上げて

あげたくても原資が紐付いてません。昇給原資に紐づく定量的評価指標を

設定することでその数字を上げるべく目の前の仕事に頑張れます。

 

■定性的な評価は相対評価

定性的な評価を全く行わないかというと、それは違います。

給与査定に連動させませんが、弊社では3ヶ月に1回査定があります。

給与と連動していなくても相対評価であればきちんと成長を促す査定が可能です。

相対評価とは、例えば”チャレンジ精神があるか”という項目に対して、グループの

メンバーを並べます。そして、1位の人がそれ以上改善を求められない場合はAとし、

以下、数名単位でBクラス、Cクラス、Dクラスなどと評価する方法です。

相対評価であることが全員に伝わり、かつ、評価項目が求める内容が明確であれば、

自己評価と他己評価はあまりずれません。「チャレンジ精神がうちの部署で

一番あるのはあの人だな。」という認識はだいたい皆同じだからです。

そうすると、その姿を真似ようと全員が頑張れますので給与と連動しなくても

成長を引き出せます。

 

■指導観点はプロセス主義

結果が出なかったことを叱られても過ぎてしまったことなのでどうしようもありません。

例えて言うなら、試合に負けたことを叱られても今更どうしようもなく、選手は意気消沈

するしかないでしょう。

叱るべきは普段の練習態度です。真面目に練習をしていれば、そのうち試合に勝つことが

できます。逆に、普段の練習が緩慢で試合に勝ててもそれはさらなる緩慢を生みかねず

大変危険です。

日常の指導は、結果ではなく、取り組み方に目を光らせ、そこを適切に褒めたり叱ることが重要です。

 

■人はいつまでも成長する

真面目に練習をしていれば、そのうち試合に勝つことができます。

と書きましたが、つまりは、その姿勢を崩さない限り、人はいくつになってもいつまでも

成長するということです。成長を止めるのは、その姿勢を崩し、自分に限界を作る自分自身です。

仮に、今能力が高くても、この姿勢が伴わなければいずれこの姿勢を持っている人に

抜かれてしまうでしょう。

能力よりも姿勢を大事にする文化は大事だと思います。
 

■学力検査・適性検査は必須

人はいつまでも成長すると原則は思ってますが、いくつか条件があります。

・やるべきことから逃げずに取り組めること

・頭の回転は遺伝的側面もしくは中高生までの鍛え方によるところが大きいこと

よって、学力検査や適性検査にてこの点は吟味し、自社でまかなえる水準の人のみを

選定することが重要です。自社の業務内容に対応できない人を入社させてしまうと

お互いにとって不幸な結果になってしまいます。

これは、上と下の両方でミスマッチが発生しえます。

優秀すぎる人を採用してつまらないと思われてしまい、真面目に取り組めなくなるケースと

業務について来れない人を採用して逃げ出したくさせてしまうケースです。

自社で育ててあげられるのはどういう人なのかしっかり把握する事が重要です。

 

■個人の能力よりも相性

学力検査や適性検査で、「この人は優秀だ」と感じたとしてもその人が本当に

優秀かどうかは、同僚や社風との相性に大きく影響されます。

この相性は面接や適性検査だけで判断するのは難しく、専用の相性検査ツール、

ソリューションを使う必要があります。

当社もこのようなツールを導入してまして、能力が高いが相性が良くない人より

能力が多少低くても相性が良い人の方がハイパフォーマーになるケースが多いと

わかりました。

 

五月雨式に思いついたまま書いてしまいましたが、以上が私が人財について

考えているポイントです。

何かしらの参考になりましたら幸いです

新型コロナウイルスの影響で様々な事業が止まっています。

 

売上が下がれば様々な支払いが滞りますから、従業員や経営陣の日々の暮らしに影響します。

では、支払いを待ってもらえばいいかというと、そうではありません。

ある会社にとっての支払いはある会社にとっての売上ですから、

支払いを待ってもらうということはまた別の会社の売上が下がることになります。

 

企業はなぜ売上が必要なのでしょうか?

それは、従業員の生活を守る給料を支払うためです。

 

例えば全国民に食料と住居が配給される社会であれば、

給料の使いみちはほとんどが遊興費で良いわけで、

少々支払いが滞っても生活に支障はありません。

 

人々は家賃を払い、食べていくためにお金が必要なのです。

 

【時間が経つと人は空腹になり、家賃を払わないといけない】

 

企業経営に置いてこの大原則を意識することは非常に重要だと思っています。

 

お客様からの入金が1ヶ月遅れる。

これにより、その月の従業員が食べるためのお金はまた別から調達しなければなりません。

その調達が借金だった場合、毎月の支出にその返済が加わりますから、

翌月以降のお金のやりくりがそれまでよりも大変になります。

 

つまり、時間との戦いに負けた報いが借金返済というその月以降の支出の増加なのです。

 

このようなことは今回のような状況にならないと気が付きにくいですが、

【時間が経つと人は空腹になり、家賃を払わないといけない】

この原則は好況時でも当然ながら存在します。

 

お客様からの入金を可能な限り早く頂く。

来月からと考えていた施策を今から実行できるようにする。

来月まで考えなさいという指示を明日にする。

などなど

 

【企業経営におけるあらゆることは最速でなければならない。なぜなら、人はお腹が空くから。】

 

一見、とんちんかんに思えるこの原則をいかに真面目に考えられるかどうかで

このような状況下での企業の底力が変わってくると思います。

 

くしくも、先進国の中で労働生産性が低いと言われる日本です。

今回のコロナショックで時間と戦うという意識が多くの企業に芽生え、労働生産性が

上がっていくことも期待しています。

2020年4月から当社の15期目が始まっております。

14期は前期と比べて売上が1.5倍になるなど、少しこれまでとは違うステージに

上がったと感じた年でした。

この勢いを殺さずにいきたいところですが、15期目は波乱のスタートです。

 

2007年からスタートしている当社。

 

これまで、リーマンショック、東日本大震災、経営体制変革失敗と、

3つ目は完全に自らが招いたことですが、3回ほど大きな波を乗り越えてきました。

そしてただいま4回目のコロナショックという波が襲いかかろうとしています。

 

現時点ではそれほど影響は出ていませんが、実体経済にここまで

影響を与えて来ておりますので今後は無傷では済まされないでしょう。

当初は比較的短期間で終息すると読んでましたが違いましたね。

長い戦いを覚悟しないといけなそうです。

 

このような危機を感じるとき、私が考えることがいくつかあります。

使い古された言葉ばかりかもしれませんが、企業経営に必要不可欠な

メンタルコントロールにおいて、参考になりましたら幸いです。

 

・神様は乗り越えられる試練しか与えない。

基本的に、自分の身の回りに存在するあらゆるものは自分の身の丈にあったものに

なっているはずです。

突然、私に総理大臣をやる話がくるわけありませんし、数万人規模の会社の社長を

やる話も来ないでしょう。つまり、壁にぶつかったと言ってもそれはあくまで身の丈に

あった環境から生まれている壁なはずなのです。高くて超えられないように見えても

手を引っ掛けることができる場所がどこかに見つかるなど、頑張れば超えられない

ことはないはず。そう考えると、うろたえてばかりもいられないと思えるはずです。

 

・経営が傾くときは会社の健康診断のとき

人間でもそうですが、体の調子が絶好調なときは生活習慣を見直すことはありません。

不調が出て健康診断を受けて、「あぁ、飲酒を控えなきゃ。」など、生活習慣を見直し

再び健康になっていきます。それと同じで、業績に黄色信号が灯るときこそ、

より健康な会社になるチャンスです。悪い点をできるだけたくさん見つけて、それらを

修正して、より良い会社になるチャンスです。

 

・ピンチはチャンス

使い古されてますが、この考え方は本当に重要だと思います。ピンチに陥るということは

これまでのやり方が通用しなくなったということ。ピンチを乗り切るためにこれまでとは

違うことをどんどんやらねばなりません。逆を言えば、これまでとは不連続でいろいろなことを

始められるということです。平常運転のときにやりたかったアイディアを発表すると

「なんでそれやるの?」と言われかねませんが、ピンチを乗り切るための施策として発表することで

すんなり受け入れられる可能性は高まります。ピンチはチャンスをもう少し詳しく言うと、

【ピンチは”全く新しいことを始める”チャンス】と考えると、この使い古されている言葉が

どれだけ重要なのかよりイメージが湧くと思います。

 

・継続は力なり

当社は15年続いているわけですが、それだけで会社案内をしたときに褒められることが

あります。金融機関の審査も緩和されたりします(一度も返済が滞ったりしていないというのも

あると思いますが)。採用の応募者の選んでくれる理由になったりもします。と、続けて

いくだけで生まれてくるパワーのようなものは間違いなくあります。創業時の目標、イメージとは

全く違う姿に例えなったとしても、コツコツコツコツ続けてくることで、また新しい景色が広がる。

実体験としてこれは間違いないことだと思います。

 

・どんなに悪い環境の中でもうまくいっている人はいる

どんなに逆風下でも必ずその中を前進している人、企業はあるはずです。なぜそれが

出来るかというと、環境を言い訳にせずにその環境の中でどうするかを考え、通常時の

2倍、3倍の努力をしているからだと思います。それが出来る人がいるのであれば、自分にも

出来るはずです。逆にできない理由はありません。そう考え、目標は下げない、通常時の

数倍行動量を上げるなど、環境を言い訳にしないようにします。そうすると、世の中が

平常運転になったときに一気に加速できます。

 

思いつくところは以上です。

 

一刻も早く世の中がもとに戻ること。

今、全世界の人が願っていることですが、私もそう願いつつ、悲観的になりすぎず

来たるべき平常運転のときに加速すべくパワーを蓄えたいと思います。