直部下間のレベル差について気を使うことがもたらすメリット | 【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~

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株式会社エッジコネクション 代表取締役社長大村康雄のブログでしたが、現在は当社HPコラムコーナーにて執筆中

先日、ある経営者の方の相談に乗っていました。

内容としては、自分の直部下のレベル差をどうにかしたいという内容。

 

そのとき、私が無意識でアンテナをいつも張っているなと気づいたのが、

”自分の直部下陣のレベル差を可能な限りゼロにする”

ということでした。

 

人によって、仕事がデキるデキないの差は必ず存在します。

もちろん、デキない人を引き上げるのは絶対にやらないといけないことですが、

同時に、いくら伝えても吸収してくれない部下が存在するのも事実です。

 

この状態が続くと、伝えたことを吸収した直部下と吸収できない直部下で

仕事のデキるデキないに差が出てきます。

 

この状態を放置すると、会議の進め方や仕事の振り方、指示の出し方など

様々な局面で、「レベル差がある直部下陣にどう伝えるのが適切か」

というようなことを考え始めてしまいます。

もっと言えば、「この方針であいつはついて来れるだろうか?」と、意思決定の

重要部分がデキない部下に左右されるところまでいきかねません。

 

こんなとき、思い切って、デキない直部下は自分の直部下から外してしまうのです。

 

「そんなことできるものならやってる!」という話が聞こえてきそうですが、

以下の順番で考えてみると、直部下を外すべきという決断をやるべきかどうか

よりリアルに考えられます。

 

1.スキル差があるのは一人、多くても二人だけか

あくまでほぼ同じレベルのメンバーの中に一人や二人だけレベルが異なる人が

いるかどうかがポイントです。他もバラバラであれば、まずはどこかしらのレベルに

収れんするまで辛抱強く育成しなければなりません。

 

2.その部下を直部下から外したことで会議が活性化しそうか

直部下陣とのミーティングを多くのリーダーは行うと思います。そこに、レベル差の

異なるメンバーがいるとそのメンバーへの叱責で多くの時間が使われたり、いつも

内容の良くない報告をそのメンバーが行ったり、とそのメンバーのせいで会議の

雰囲気が悪くなっているのではないでしょうか?その人が外れるだけで、会議が

活性化し、前向きな時間になりそうであれば外すことを検討すべきですし、外しても

まだそんな時間になりそうにないなら、外す前に取り組むべき何かがあります。

 

3.新天地が社内にあるか

リーダーの直部下から外されることは、その部下にとってはそれなりにショックな

ことです。よって、新しい場所は、見返そうと思えたり、しばらくその傷を癒せるような

難易度は低いけどやりがいがあると思えたりする仕事で必要があります。そのような

場所を提供できそうであれば良いですが、難しい場合は次の点を考慮する必要があります。

 

4.離職されても打撃が無いか

適切な新天地がない場合、直部下から外されたスタッフは離職の恐れがあります。

当然、離職して経営に打撃があるようなスタッフは辞めてしまっては困りますので、

その危険性がある時点で直部下から外すことは慎重にならざるを得ません。

 

5.伝え方を熟慮

上記すべてをクリアしても、その辞令の伝え方には細心の注意が必要です。

人は感情の生き物ですから、理屈上、直部下から外れて新天地で活躍できそうと

いう状況でも、その言い渡され方が気に食わなかったということで、うまく物事が

運ばなくなります。言い渡される部下の気持ちを最大限汲み取り、また一緒に

チームとしてやりたいと思ってもらいながら新天地に赴いてもらう必要があります。

 

以上が主だったチェック項目です。

こうしてチェック項目に沿ってリアルにイメージしてみると、「直部下を円滑に外すのは

難しい。」という印象になるのではないでしょうか?

 

これが、まさにポイントでして、

 

自分の直部下陣はレベルが均一で阿吽の呼吸のチームにしたい

このチームに付いてこれないメンバーは外したい

円滑に外すには、諸条件を揃えねばならない

諸条件を揃える過程で様々な経営課題をクリアせねばならず、副産物として会社が強くなる

 

ということなのです。

 

部下への愛情はもちろん大事なのですが、伸び率の悪い部下にこだわってしまうことで

つまり、そのような直部下を外したいと思わないことで、様々な課題に取り組むことが

後手後手になっている恐れがあるということです。

 

これは、会社が強くなるのが遅れているわけですから、目をかけているはずの部下に

とってもマイナスなことをしているといえます。

 

常に自分と自分の直部下から構成されるチームは最良の状態か。

常にこれを意識してみてほしいと思います。