創業から日が浅い会社はまず社長の給与を上げることを第一に考えるべし | 【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~

【閉鎖】小規模企業経営のヒント~実体験&クライアント事例から発信します~

株式会社エッジコネクション 代表取締役社長大村康雄のブログでしたが、現在は当社HPコラムコーナーにて執筆中

企業とは、投資をして、その投資により売上が上がり、その売上で経費を支払い、経費を払って残った金額が利益となり、この利益が貯まったらまた投資をして、というサイクルで成長していきます。

 

人に投資をするパターンだとこんな感じです。

1.人材紹介会社に100万円を支払って月給30万円の営業マンを採用

2.この営業マンが毎月100万円を売り上げるまでに成長

3.売上100万円-月給30万円=利益70万円

4.利益の累計が100万円を超えたらまた人材紹介会社に100万円を支払って次の営業マンを採用

以下、繰り返し。

という感じです。

 

このサイクルが続いていけば、当然、企業はどんどん成長していきます。

でも、なぜそううまくいかないのか。

それは、上記の例でいうと、営業マンが毎月100万円を売り上げるまでに成長しないからです。

成長しても突然辞めてしまうからです。

端的に言えば投資に失敗するからです。

 

ここでポイントになるのがどれくらい投資をしたのか、ということです。

100万円に対しての5万円は大した金額ではないですが、50万円は半分です。

貯金が100万円しか無いときに50万円を投資して失敗したら経営の屋台骨がゆらぎます。

 

でも、実際にはこのような投資をする企業が多くあります。

しかも、創業から日が浅い企業に多くあります。

 

なぜか?

それは、社長が会社をよりスピーディーに大きくしたいと思うからです。

それ自体、間違ったことではありません。

ですが、社長の生活水準が低い場合、話が変わってきます。

 

企業によっては、社員の給与を出すために社長が給料を止めていたり、

自分より高い給料でキーとなる役員を雇ってきていたりと、

必ずしも社長が潤っていないケースがあります。

この事自体は立派です。

 

ですが、人間は感情の生き物です。

いつまでこの状態に耐えられるかという問題があります。

なんとかこの状態を脱したい。そのためには一発逆転を狙いたい。

そんな思いが増幅しすぎると、投資に対する判断が博打的になっていくのです。

 

これは、私の実体験でもそうです。

なんとかサラリーマン時代と同じ給与に戻さねば!

そんな思いでどんどん投資しました。

そして、その中にはうまくいかないものもあり、経営が傾いたこともありました。

 

この事態を避けるにはどうすべきかというと、まずは社長の給与を上げることを考えることです。

それなりの給与をもらえるようになれば、簡単にその状況を手放したくなくなります。

そうすると、経営が傾くような投資には慎重になり、より真剣に検討するようになります。

また、当たり前ですが、社員をむやみに増やすと自分の給与が上がりにくくなります。

よって、いかに少ない人数で利益を上げるかという発想が強くなり、ビジネスモデルが磨かれます。

そうすると、社員を増やしたときに手に入る利益も大きくなります。

 

また、この、社長が自分の給与を上げることを第一に考えることはそこで働く社員にもメリットがあります。

社長が博打的な投資をしないわけですから、雇用環境が守られます。

より少ない人数で回すようビジネスモデルやオペレーションを考えますから、マニュアル化が進み、働きやすくなります。

結果、会社全体として利益率が高く筋肉質になるので、社員の給与も同業他社よりも少し高めに出せるようになります。

 

社長が自分の給与を第一に考えるというと、道義的に抵抗があるかもしれませんが、巡り巡って全員にとってプラスですので、勇気を持って検討してみると良いと思います。