部下がミスなどをした際、当然ながら上司としては腹が立ったり苛立ったりすると思います。
こんなこともわからないのか!?
こんなこともできないのか!?
ただ、初めてのミス、トラブルは仕方がないです。
部下にとって経験がなかった事態なわけなので。
同じミス、トラブルを繰り返すのはいただけません。
ですが、初回のミス、トラブルでもなかなか腹立たしさや苛立ちが収まらない上司が
いたりします。
そのような上司に共通する特性として、「部下に期待しすぎている」という点があります。
レストランでオーダーした際、オーダーとは違うものが運ばれてくるとクレームです。
ですが、言葉の通じない国で身振り手振りでオーダーして違うものが運ばれてきても
うーん、伝わらなかったか。次はどうすれば良いんだ?となると思います。
部下との関係もこのように考えることが重要です。
そもそも、部下よりも経験値があり、見識があり、常識力があり、など、多くの面で
部下を上回っているからあなたは上司ですし、その部下はあなたの部下なのです。
高校生が同じ目線で中学生と勉強の話をしたら話が合わないのは当然です。
高校生で成績が良い人が、中学生に対して「俺がお前くらいのときにはこの問題
スラスラだったけどな」と言っても、だからあなたは高校でも成績が良いのです
という話です。
こう考えると否定する人はいないと思います。
学生に例えるとしっくり来るのに、仕事になるとしっくり来ない、この感覚が抜けて
しまうのはなぜでしょうか?
それは、仕事になると、学年や成績など、目に見えて自分と相手の立ち位置を確認する
ものさしがなくなるからなのだと思います。
加えて、なりたくて管理職になった人はあまりおらず、自分が優秀であるという認識がない
管理職が多いからでしょう。
ですが、よほど人事評価制度がおかしな会社でない限り、然るべき人が管理職に
なっているはずです。それはつまり、部下との間には歴然たるレベル差があるという
ことです。
その前提を常に頭におきながら働くことで、無用なストレスを感じにくくなったり、
もっと部下のレベルに即した指示や施策が出せるようになってチームの効率が
上がったり、様々な面で大きな効果があると思います。
そして、これは部下を低く見る、蔑むといったことではなく、事実を事実のまま認識する
ということですので、部下にとっても過剰な期待がかからなかったり、指示や施策が
わかりやすくなったりと、みんながハッピーになります。